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聖女様は貧乏性  作者: ぶらっくたいがー
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第34話 閑話 魔将軍の誓い

9話と10話の変な服の人視点です

フェルタニアの聖女の力はすさまじかった。

一瞬で魔石の中にたまった瘴気を浄化したのだ。

フェルタニアの聖女の力を見たとき俺は震えた。

これで、メイア様を救うことが出来ると。


「ふはははは、見たぞ、それが聖女の力か」


見たところ、ほとんどが雑魚ばかりだ、

せいぜい俺の敵になりそうなのはフェルタニアの剣王アーサーくらいだろう。

この程度なら、俺の力なら間違いなくフェルタニアの聖女を連れて帰ることが出来る。


「俺は魔将軍グラナキア、魔王様の命により、

 聖女はいただいていくぜ、どんな手を使ってでもなあ!」


そう、どんな手を使ってでも、必ずだ。

必ず、メイア様の命は助けてみせる。


俺の広範囲スリープバインドが決まり、全員が地に這い蹲る

予想通り、剣王以外は大したことがなかったな

さて、寝ている聖女を連れて帰るかと、思っていたが


「…って、起きてるのかさすが聖女様ってところかな、

 だけどまあ、一人じゃどうしようもねぇだろ、

 悪いようにはしないからおとなしくついて来い」


フェルタニアの聖女には生きていてもらわなければ困る。

だから忠告をしてやったのだが


「わふぅ」

「こら、危ない人に近づいちゃだめ」

「くぅん」


フェルタニアの聖女は俺の事など眼中にないとばかりに

子犬とじゃれあっていた。


「はっ、おとなしくついてくる気はないってことか

 だったら少々痛い目を見てもらうぜ、魔光弾!」


俺は死なない程度に手加減した魔光弾を放った。

手加減したとはいえ、死なない程度に

という程度だ、生きてさえいれば後で治せばいい。

だが、そんな俺の思惑は外れる。

あろうことか、フェルタニアの聖女は俺の魔光弾を無造作に

埃でも払うかのように手ではじき、消滅させた。


「な、なに、馬鹿な手加減したとはいえ俺の魔光弾を片手ではじくだと」


なんだ、こいつは…俺のスリープバインドに耐えたことといい

魔光弾を片手ではじくなど、尋常ではない。

俺は…本気で行くことにした。

こいつなら、俺の全力を放っても死ぬことはないだろう。


「ならばこれでどうだ、ファントムダークイレイズバースト!!!!」


俺の持つ技の中で最大の威力を持つ技を放つ


「ふははは、ファントムダークイレイズバーストは

 先ほどの魔光弾の10倍の威力を持った光弾を

 100発同時に放つ技だ、何者であろうと耐えられはしない」


巻き上がった煙で視界がさえぎられ、結果が見えないが手ごたえはあった

まず間違いなく、大きなダメージは与えただろう。


「ふん、やったか?」


俺は確信を持っていた。これで終わったと。

だが、その次の瞬間、奴は煙の中から悠然と、

服にさえ傷一つない姿で現れたのだ。


「…馬鹿な、無傷…だと」


ありえん…なんだ、どういうことだ。

防御障壁など展開している様子はまるでなかったぞ。


「聖女に魔法は効かないということか、ならば…接近戦を挑むまでだ!」


俺は魔剣ガルドギアスを抜き、聖女に切りかかる。

数々の戦場を潜り抜けてきた俺の愛剣だ。

その切れ味もさることながら、不壊属性を持っており

折れることも劣化することもなく、常に最大の切れ味を保つ魔剣

目の前の相手は化け物だ、だが、我が剣を持ってすれば…


「くらえ、斬光轟魔裂翔閃!!!」


俺はまるで防御などしようともしない聖女に切りかかる。


キィン!


甲高い音とともに、魔剣ガルドギアスの刀身が床に落ちる。


「ば、馬鹿な、ありえない、俺の魔剣が折れただとっ!?」


俺が驚愕をしていると

聖女が俺に向かって指先を向けてきた。


ピチュン!

俺のすぐ横をなにかが抜けていったと思うと


カッ、ドンッ、ゴゴゴゴゴゴ


山が…消滅していた。


「な、なんという威力だ…これが聖女の力、化け物か」


今の攻撃、俺はまったく反応することが出来なかった。

当たっていれば死んでいただろう。


「今の攻撃もわざと外した…?くっ、俺ごときいつでも殺せるといいたいのか」


俺がそう言うと、聖女は顔に笑みを浮かべる…

なるほど、理解した、俺ではこいつには勝てない。


「だが、俺とて引くわけには行かぬ、たとえどれほど

 圧倒的な力の差があったとしても、この俺の命に代えてお前は連れてかえる!」


俺の全魔力、全生命力を用いて奴を拘束、同時に魔王城へ転移する。

そのためには、奴に触れることが必要だ。

俺は死ぬことになるだろう、

だが、あとは魔王様がうまくやってくれるはずだ。

死ぬことなど怖くはない。


「メイア様のために、うおおおおおおおお!!!!!!」


俺は、残った全魔力を身に纏、突進する。

だが、その決死の特攻も聖女に届くことはなく

俺は弾き飛ばされ、意識を失った。




気が付くと、俺は木々に囲まれた場所で倒れていた。


「う…俺は…生きているのか?」


どこだ、ここは…?

っ!?

突然俺の体に激痛が走る。

まるで、魂を引き裂かれるようなすさまじい痛みだ。

体に目立った大きな傷は見当たらない。

おそらく、聖女の攻撃による効果なのだろう。


「ぐ…あ…」


額に脂汗を浮かべながら、俺は耐える

一向に痛みが治まる気配はない。

これを受けたものは、二度と聖女に逆らおうなど思えないことだろう。




「グラナキア、どうかメイアのことを守ってあげてください」

「シルフィア様、この命に代えても、必ずメイア様をお守りいたします」


シルフィア様が亡くなる前日に俺はそう誓った。

シルフィア様は俺の恩人だ。

孤児であり、道端で倒れていた俺を助け、

そして、兵士という仕事まで与えてくれた。

その後も会うたびに、まるで家族、俺が弟であるかのように接してくれた。

そんな、シルフィア様はメイア様が4歳の時に瘴石病で亡くなられた

今から5年前の事だ。

俺はシルフィア様には何一つ恩を返せていない。




「こんな、ところで、死んで、たまるか…!」


そうだ、こんなところで、倒れてなどいられない。

魂が引き裂かれるほどの痛みがどうした、

そんなものでこの誓いは折れはしない。

激痛が全身を襲う中、俺は立ち上がる。

痛みで思うように動かぬ体を引きずりながら

俺は魔王城へと帰還した。

聖女様はラスボスでした。その2。

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