第29話 閑話 聖女様はラスボスでした。
幼女視点
聖女様がラスボスです。
この話にあわせて25話を多少改変しています。
その日、私はいつものようにひなたぼっこをしていました。
山の中は静かで暮らしやすいです。
たまに、私に向かって襲い掛かってくるのもいますが
返り討ちにしています。
そんな小さな体で勝てるはずがありません。
この世の中は、体が大きなほうが強いのは常識です。
今日は平和でした。
いえ、平和だと思っていました。
木陰でのんびりと休んでいると
カッ、ドン!ゴゴゴゴゴ
恐ろしいほどの力を感じたと思ったら
私は突然吹き飛ばされました。
気が付くと、目の前の山が消えていました。
『わ、私の家が!?』
そう、消えた山には私の家があったのです。
こうして私は、齢6歳にして家の無い子になってしまったのでした。
茫然自失になっていた私ですが
このままだと雨風に野ざらしです。
頑張って、新しい家を探していました。
でも、なかなかいい場所が見つかりませんでした。
そんなある日の事です。
こちらへ近づいてくる巨大な力を感じました。
『この力は、私の家を壊した奴と同じ!』
そう、私の家を壊した奴に違いありません。
この恨みはらさでおくべきか
ということで、ばさばさと飛んで向かうことにしました。
近づいていくと、小さな者達が集まっているのが見えました。
あぶないよー、踏みつけちゃうかもしれないよー
そう思って私は、遠くへ行くようにと咆哮をあげました。
『GRUAAAAAA!!!!』
おもいっきり叫びました。
大半の小さな者はこれで逃げてくれます。
ですが、今回は違いました。
キィン!!
い、痛い。
突然切りかかってこられました、血が出ています。
どうして逃げてくれないどころか襲い掛かってくるのでしょう。
「皆のもの、伏せるのじゃ!」
あ、隕石だ…どうして私のところに向かってくるの?
ちょっとまってください、直撃すると痛そうですよ!?
私は障壁を展開し隕石に備えます。
障壁がなんとか耐えてくれました。ふぅ。
こういうときは、威嚇です。強そうな振りをすればいいはずです。
『ふん、小癪な、だが、小さきものの分際としてはやりおるではないか』
まずは言葉を強そうにしてみます。こんな感じでしょうか?
「な、ほとんど傷を負ってすらいないじゃと!?」
驚いてくれています。このまま続けましょう。
『良かろう、我に傷をつけた報いだ、楽に死ねると思うなよ』
これくらい脅せば、逃げてくれるはず。
「解放をlevel3に移行する…雷よ深淵の闇を纏て、眼前の敵を打ち払え!」
え?何言ってるのこの人?というか、逃げないのどうして?
黒い雷が私の体にまとわり付いてびりびりして痛いです。
腕を振って攻撃をしてみましたが、かわされます…
炎も吐いてみましたが、早すぎて当たりません。
「万物を創生せしものよ、あらゆるものより小さきものよ、
世界の楔を綻ばせ、その真の姿を解放せよ『原始分解』」
まずい、直感でそう判断した私はとっさに頭を右腕でガードします。
杖から光が飛んできたのですが
当たった私の右腕が消えましたよ!?
頭に当たってたら死んでいましたよ!
もういやです、なんですかこいつら。
『ふん、この程度で有利になったつもりか?』
でも、ここで弱気な姿勢を見せるとつけいれられます。
どうかんがえても殺されます。
まずいです、全力で行きましょう。
とりあえず無いとバランスが取りにくいので、腕は生やしておきました。
結構体力を使います。
『ほめてやろう、我を相手にここまで持った相手は初めてだ、だが、ここまでだ』
かわされたりするなら、かわされない範囲に攻撃を放てばいいんだ!
「む、いかん!?障壁展開!!」
私は全方位に衝撃波を展開しました。
魔力がごっそりと持っていかれます。
疲れました、でも、そのかいあって、小さな者達は全員沈黙しています。
やりました、勝ちました!
あとは私の家を壊した奴を倒すだけです。
そして、見つけました、あいつです、小さいです、私の敵ではありません!
『ふむ、あの時の力を感じるからと来てみれば…貴様からか』
対象は沈黙しています、恐怖で動けないようですね
『貴様だけは生かしておけぬ、我の牙にて跡形も無く粉砕してくれる』
我が家の恨み、思い知れ!
『ぐほぁ!?』
噛み付いたと思ったら、突然吹き飛ばされました。
え?いったいなにがあったの?って
wjふぉzsdhふぉfんかsdlふぁkl
い、いいいい、痛い、いたい、痛い
途轍もない激痛が私に襲い掛かってきます。
でも、外傷はほとんどありません。
なんですかこれは!?
『ぐああああ、い、痛い、なんだこれは!?あががが』
私は痛みでのた打ち回ります。
「ねぇ、一つ聞いていい?」
私の家を壊した奴が何か言っています。
でも、痛くてそれどころではありません。
『な、何なのだ、このばかげた力は、
いったい何がどうなっているというのだ!?』
おかしいです、傷も無いのにこんな痛みがあるわけがない。
いったいなんですかこれは!?
と、とにかく、ここは逃げるべきです。
翼を広げて逃げようとしたところ。
「私の友達に手を出しておいて、ただで済むとでも思っているのかな?」
上空に、無数の光の槍が展開されました。
あれ一つでも体にかすれば私は消滅するでしょう。
それくらいの力を感じます。
消滅するだけならまだ良いです。
さっきの攻撃と同じく、傷はつかないけどすごく痛い攻撃の場合
私はいったいどうなってしまうのでしょうか…?
逃げたい、でも逃げられない…絶望が私を覆いつくします。
そもそも、私は戦う前に気づくべきだったのです。
山を一つ消してしまうような相手に
勝てるはずが無いということに。
相手はゆっくりと一歩づつ、私に恐怖を与えるかのように近づいてきます。
『ヒィィ!?』
私はもう、恐怖で悲鳴をあげることくらいしか出来ませんでした。
どう考えても、だいたい聖女様のせい。




