第18話 聖女様の自演
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ディスペルマジックを使用すると、
当然のように私の体が光り始めた。
そして、私の上に光り輝く女の人が出現する。
ふっ、ここまでは想定通り!驚くようなことはない!
…はずだった。
あれ?水柱消えないよ?どういうこと?
天高く上る水柱は健在だった。
『鎮まりなさい、水の大精霊よ』
どこからともなく声が聞こえてくる。
え?私の上から聞こえてくる?
どうやらディスペルマジックで出現したホログラムが話しているらしい。
そして、水柱の前に青く透明な姿の男性が出現する。
『ふん、光の女神か、我に指図するなど、
聖女という現身を得たことで、ずいぶんと偉くなったものだな?』
この青い人もきっと聖女魔法のエフェクトだよね。
なにこれ?何の茶番?いったいなにがはじまるというんです?
いや、うん、私はちょっと黙っておこう。
嫌な予感しかしない。
「聖女様が、光の女神様の現身…!?」
「まさか光の女神セレスティア様なのか…?」
…セレスティア様ってなに?
『その力…瘴気を浴びたというのか、水の大精霊よ
しかし、なにゆえ、この国を滅ぼそうとする?』
『ふん、しれたことよ、聖女を呼び出すなど
我らへの反逆、大罪を犯したのだ。
滅びを与えずして、なんとする。』
あー、なにか勝手に話が進んでいく。
私はもう、達観した気持ちでその話を聞いていた。
「聖女様を呼び出したことが、反逆…?」
「水の大精霊様はいったい何にお怒りなのだ…」
エフェクトが好き勝手に言ってるだけだよ?
気にしてはいけない。
エフェクトに全部任せていたら、突然私の体の光が強い光を放つ。
やめて、私をこれ以上巻き込まないで!?
せっかく、傍観者でいられると思ったのに!?
『何だ、この光は?…ぐあ…
く…光の女神よ、早く我を滅せよ、
正気でいられる、時間は短い』
そして、水柱が止まる。でも、エフェクトは続いたままだ。
『正気に戻ったというのか、水の大精霊よ
いったい何があったというのだ。』
『説明をする時間は無い、
我ですらも狂わせる力だ…神でも勝てるとは思えぬ
頼む、早く我を滅してくれ』
その願いに答えるかのように、
光の女神からまばゆい光が放たれ、水の大精霊がかき消される。
それと同時に光の女神も消えていく。
全部エフェクトだけどね!
うん、つまりエフェクトが終わるって事かな。
へー、こんな演劇っぽいのもあるんだね。
意味がまったく分からなかったけど。
あれ?気が付くと周りの人が私に平伏してる?なんで?
「聖女様…いえ、女神様」
「はい?」
「我らが国をお救いいただきありがとうございます。」
「私はお礼を言われるようなことは何もしてないですよ?
当然のことをしただけです。」
だよね?自分の不始末を自分で解決したんだし、当然の事だよね?
お礼をいわれるようなことって私なにもしてないよね?
自分のしでかしたことでいろんな人に迷惑をかけてるわけだし
むしろ怒られるほうだよね?
ちょっと考えてみる。
水柱を出す(私が犯人とはばれてない)→いろんな人に迷惑がかかる
→私が解決→お礼をいわれる。
…まって、これって自演じゃん!?
まずい、ばれたらどうなるか分かったものじゃない
ここは徹底的に私は何も知らないんですよ
というように、とぼけるしかない。
うん、それでいこう。
水柱は収まったんだし、いいよね。
そして、私の新たな呼び名に女神が加わることになった。
やっぱり聖女魔法は使わなければよかった。
周りの勘違い率を計画的に増やしていこうという目的のお話でした。
勘違いを増やす方法を考えるのが難しい、勘違いした後の話なら書きやすいんですけど。




