第13話 閑話 金の価値
初の第三者視点 王子視点です
変ったお方だ…
と、フェルタニア王国の第一王子であるランスロット・エルトザール・フェルタニアは思った。
報酬の話をしたかと思えば、王族との結婚話を断り、金なんかを欲しいという。
金など、やわらかいため武器や防具には適さず、魔力伝達力も下位の金属で、比重もかなり重い。
さびず、色が付いているという点くらいしか利点が無いので、装飾品や通貨に使われている程度の価値の低い金属だ。
しかし、そんなものを欲しいということは、逆に考えれば金が何かに使われるということなのだろう。
魔法の触媒としても金を使うなど聞いたことがないが、
聖女の力の何かに触媒として用いられるのだろうということは容易に推測される。
そういったものであれば、報酬などといわず、こちらから積極的に準備をさせていただくものを…
ご遠慮されたのだろうか?慎み深いお方だ。
聖女様が退室された後、私は父上に進言した。
「父上、国内中の金を集めるべきです」
「そうだな、私もそれを考えていた。おそらく聖女様がその力を奮うのに必要なのだろう。」
父上も気が付いていたようだ。
当然の事か、金を欲しがる理由など、それ以外に考えられない。
「それよりもランスロットよ、わかっておるな?聖女様はこの国に必要だ、万が一にも他国にやるわけにはいかぬ」
圧倒的な浄化の力を持ち、女神の祝福を一身に受けている少女。
しかも、その力の全容はいまだ未知数。
この国を救うことができる唯一のお方。
そんな彼女を、他国にやるわけには行かない、結びつきを強化しなければならないのは当然の事だ。
「分かっています、父上。聖女様が愛するものとしか結ばれないというのであれば、私は彼女に愛されるように最善をつくしましょう。」
私の脳裏に、先ほど聖女様とともに退室した、私の婚約者候補であるローズの顔が浮かび、胸がひどく痛む。
だが、私は王族だ、この国の最善を考えて動かねばならない。
それが次期王として課せられた私の義務だ。
私は胸の痛みを、意識の奥へと追いやる。
「うむ、分かっているならばよい。だがこのような状況だ。お前一人には任せぬから、安心せよ。」
つまり、私以外にも聖女様を口説きに行かせるということか。
願わくば…聖女様が私以外の誰かと結ばれて欲しい。
私は、王族失格だな、と自覚しながらも、そう願わずにはいられなかった。
この世界における、金の価値は産出量が少ないというだけで高くありません。
ミスリル、オリハルコン等のファンタジー金属がありますので。
1gあたり100円くらいの価値で考えてください。




