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スパイク

作者: とむやん

僕はスパイクを履く。


地面に足跡を残すため。


より強く、より速く、より遠くへ、走るため。


いつの日にか、自分だけのスパイクを見つけ


裸足だった僕は、少し勇んでそれを履くと


地面を、大きく蹴り上げる。


いつか誰かが、残った足跡を見つけたならば


そのときは、思い出しておくれ。


スパイクを履いた僕を。


そして、やがてスパイクが鋭くなって、


僕が僕で無くなってしまいそうならば


そっと教えておくれ。


裸足だった僕が、そこにいたことを。



(おしまい)

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