わりとどうでもいい結末
わりと37-1
「それって、どういう意味です?」
「さて? どういう意味でしょうね……私は貴方の覚悟を伺っただけですの」
そこまで言い終えると、秋華さんはゆっくり壁に触れた。
「……よろしいかしら?」
「……」
この先に待ち受ける光景。皐月と、おそらく桜花が……どちらかが。二人揃って、気絶しているだけ……なんて、ないかな? って! こんな事考えてる間にも、二人の命に危険は迫ってるんだぞ!? ……よしっ!
「お願いします」
「では」
秋華さんが言葉を発した瞬間、俺がどれだけ押してもビクともしなかった扉が……小さな粒子となり、消え失せた。
……嘘だろ。
って! そんな事に感動している場合じゃない!
「皐月っ! 桜花ーっ!」
「……」
俺は全速力で、大広間へと飛び込んで行った。何だここ……若干、霧に霞んでいる。それに、焦げ臭い様な、そんな異臭が漂う。
俺は目を凝らして辺りを窺う。
そして……。
ぐしゃり。
そう、音がした。
「何か、踏んだか?」
そのまま、足元を見下ろす。
……?
……。
……そんな。
「嘘、だろ……」
その場に跪き、必死に霧を払う。そして、それを確認した俺は。
吐いた。
わりと37-2
そこにあった物。それは真っ黒に焼け焦げ……最早原型すら留めない、死体だった。
何だよ?
何だよこれっ!?
これ……誰の……。
「うっ……」
もう気付いている。皐月の技は光、皐月に殺された相手はこんな姿にはならない。
「うううぅぅ……!」
では、桜花の技は?
「うあああぁぁぁああああ!!」
炎。
「皐月いいぃぃぃいいい!!」
何で、皐月がこんなにならなきゃいけないんだよおおお!?
俺はその場に顔を埋めて泣いた。
泣いて。
泣いて泣いて泣いて。
「……」
傍に見つけた、赤いリボン。それを拾い上げ、その先を見つめる。そしてゆっくり。
ゆっくりゆっくり、前へ進む。
「桜花……」
心の中で、彼女に問い掛ける。
お前は……これで、こんな結末でホントに満足なのか? こんなっ!
「……いる」
寝息……? 眠っているのか? まあいい。叩き起こしてでも……!?
「全く、煙たくてたまりませんわ」
背後からそう聞こえたかと思うと、次の瞬間……俺の視界は晴れた。
そして、そこに眠る人物も明らかになった。
……え?
「さつ……き?」
「……すう……す……んん……」
「ん、だよ……」
全身の力が抜けてしまって、その場にへたり込んでしまう。目からは、何故か涙が溢れでて……。
「皐月……良かった、俺……てっきり、お前が……」
「んっ……きょう、じ……」
「ははは……」
寝言かよ。
「……すき」
「!?」
やばい……赤面してしまう。
ん?
あれ?
それじゃ……さっきの、アレは?
「おめでとう」
パチパチという拍手。
俺と皐月を見下ろす、秋華さん。
「秋華、さん……」
「正直予想外でしたわ。それでも、皐月さんが相手なら、本望でしょう……」
「あの、何言って……」
「……桜花も」




