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ヴァルタニア戦記  作者: sk
叛徒討伐編 ヴァルタニア歴325~326年
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第9話 エルドレイ侵略!

「おぅい!門を開けてくれ!」


エルドレイ城の門の前で1人の男がそう大声をあげていた。


「誰だ、名を名乗れ!」


砦に立つ兵士たちはそう声を荒げていた。


「私はパーシヴァル•オーキス、と言えばご存知かな?」


そう告げた途端、兵士たちは慌てふためいた。

前大戦の英雄が、何の用だろうか?


「取り敢えず、入れてくれ!エルドレイ城の根本に関わる大切な話があるんだ!」


その言葉に対して、城内はさらに混乱の渦に巻き込まれていた。赤日隊にとっても、この砦はかなりの財産である。それを落とされてしまった場合、隊はかなりの戦力低下に繋がってしまう。

迷いに迷った結果、兵たちは砦を明け渡しパーシヴァルら数十騎を城内へと案内していた。


その話を素早く聞きつけた、プロペティは男女の遊戯を投げ出して、すぐさま外着にきがえはじめていた。


「パーシヴァル?一体何用で来たのだ?」


プロペティは怪しく思いながらも、その事実を聞くべくして足を急いでいた。


その頃、パーシヴァルらもまたその砦の中に案内されていた。


「ところで、その大切な話は一体何なのです?」


監査役とも言える兵士がそう聞いてきていた。


「それは、プロペティ将軍にのみしか話せない。それほど、重要な話なんだ」


パーシヴァルは断固として、その口を閉ざしたままだった。

その態度で不服そうな顔をした兵たちをみて従卒の1人が、

「パーシヴァル様もまた、久しい友人のために急いで来ていて眠ることすらままならないのです。どうか,そのことを視野に入れておいていただければ幸いです」


その言葉に対して兵たちは態度を改め、そしてその友人を思う心に思わず涙を浮かべていた。

~いくら、赤日隊に堕ちても人々は変わらないのである~

そうこうして、パーシヴァルたちはプロペティのもとへと参上していた。


「おぉ、パーシヴァル、懐かしいな」


「私もだ、アイリス」


お互いに挨拶を交わすと、すぐさま本題に入っていた。


「それで、なんだ。その、この城の欠点とは一体何のことなのだ?」


プロペティはそう質問していた。


「それはだな、」


パーシヴァルは懐に手を忍ばせた。

全員が目をあやしめた瞬間、


「こういうことさ!」


パーシヴァルは思い切り、地面を蹴ってプロペティの首筋に対して短剣を振りかざしていた。


「何をするか!」


そのプロペティの声に応じて、近兵たちも行動を起こそうとしていた。

しかし、その兵士たちも思わぬ刺客をよって命を奪われていた。

それにはベイル、アリアス、ディンの姿もあった。

ベイルらは、格闘で相手を無力化した後に剣を持ち辺り一体を包囲していた。

あまりの凄惨さと、あまりの策の美しさから後世において「偽友の歓迎」と呼ばれている。


「貴様、パーシヴァル!友を裏切ったな!」


プロペティは負けじと、頭突きを喰らわせた。

思わずの攻撃に捕縛の力が緩み、プロペティはその捕縛から脱出していた。

その行動に対して、両者は近くに落ちていた剣を拾い互いに向け合っていた。


「なぜだ、プロペティ!なぜ、私服のために賊軍に寝返った!」


パーシヴァルはその瞬間、剣をプロペティの方へとぶつけた。火花が散らされる。


「もう乱世も終わった!俺たちの舞台は終わった!そのために国は何をしてくれたのか、お前は知っているのか!?」


プロペティも負けじと、その斬撃を喰らわせる。


「何もしてくれなかった、何も与えはしなかった!ヴァルタニアこそ、悪の権化だってな!」


「そこまで堕ちたか!プロペティよ!」


お互いに剣を握りしめ、互いに斬りあう。

何十合という激闘の末に、プロペティが隙を見せていた。

その好機をみて、パーシヴァルは剣をプロペティの胴体に向けて鋭い突きを与えた。

その一撃は、プロペティの急所を的確に捉えていた。

紛れもない致命傷だった。


「パーシヴァル、お前は英雄だ…だが、それはあくまで国家の中での英雄だ」


プロペティはそう呟くと、地面に鈍い音を立てて絶命した。36歳であった。

パーシヴァルは、その言葉に対して思惑を催していた。

ヴァルタニアという国は確かに滅びかかっている。しかし、なにも全てが全て滅びゆく傾向にあるわけではないことを、この数日で認識していた。


「パーシヴァル殿、やりましたね」


ベイルがそう言って近づいてきていた。

いかなる時も、このような前途ある若者が道を切り開いていく。

そう感じていた。


「ベイル殿の、策略あってこそですよ」


パーシヴァルもそう答えていた。

ベイルの策略としては、城に急用としてプロペティの知人を要請して内部から叩くという作戦だった。


「いや、自分にとってもパーシヴァル殿がいなければこの策は水の泡となっていましたよ」


ベイルは笑っていた。


ともあれ、ベイル軍の活躍により赤日隊は甚大な被害を被っていた。

時に、ヴァルタニア歴326年2月初旬であった。

ヴァルタニア領土のしくみ

ヴァルタニア領土において、全8州、1州6群で構成されている。州と郡にはそれぞれ、州令と群令と呼ばれる役職が存在している。また、その人物像はまちまちだが、現在のヴァルタニアにおいては、帝国における賄賂などによる横行によって不当にその役職を貪り続けている。

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