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ヴァルタニア戦記  作者: sk
傀儡愚弄編 ヴァルタニア歴330~335年
25/32

第24話 流浪

フォーレとケリィは、その後も関門を突破しとうとう、フリオスの元へと足を運ぶことに成功していた。振り返ればもはや、自信について来ていた仲間たちはケリィを始めとした数人だけにまで減少していた。

フォーレはフリオスの家の前で止まると、その場で思わず力尽きてしまっていた。

しばらくして、フリオスが帰宅する最中でフォーレらが自宅の前に座り込んでいるのを発見していた。


「や、や!?」


フリオスは、1ヶ月もの間行方をくらましていたフォーレに対して驚きを隠せなかったが、ひとまず家にあげさせていた。

その看病中の最中で、フォーレはようやく目を覚ましてフリオスと顔を合わせた。


「其方には謀反の罪がかけられておる。衰弱していたがために助けたが、もう自首を勧める。さぁ、悪あがきはやめなさい」


フリオスはそう諭していたが、フォーレは反抗していた。


「違うのです、フリオス将軍。私はあなたにしか頼めない用事のためにここまでやってきたのです」


フォーレはそう言いながら瞳に涙を浮かべていた。

外ではケリィたちが聞き耳を立てていた。


「その用件とはなにか、聞いてみよう」


フリオスはその用件に興味を抱いていた。


「私と共に、キシルヴァを討ちませんか?」


その突拍子のない問いに対して、フリオスは笑っていた。


「何と、キシルヴァ将軍を討とうと其方は言うのか?これは傑作だ」


キシルヴァはそう腹を抱えていた。


「私は至って真面目な所存です。私はこの国の未来に対して愚考するまでです」


そう言ってフォーレは真剣な眼差しをフリオスに対して向けていた。


「口では何とも言える…何か証拠の品々はないのか?」


フリオスは急に真剣な顔つきでそう尋ねていた。

すると、フォーレは懐から短剣を取り出していた。

そして、フォーレはその刃先を自身の頰に向けて突き刺していた。


「何をするか?」


フリオスも驚きを隠さないでいた。


「私はこのヴァルタニアに生を受けた者です。その国を守りたいと私は、そのためならこうやって自身で剣を突き立てることもいとなわない次第でございます!」


フォーレの声に対してフリオスは涙を浮かべていた。


「其方こそ、真の愛国者だ」


そうして、フリオスも頭を垂れていた。


「いやはや、この老年となってみてこの数年でここまでの若者に2人も会えるとは…」


そして、フリオスは止まらなかった。

「私もまたキシルヴァの暴虐さにはうんざりしていた。さも、自らが皇帝かのように振る舞うのは私が最も許せないものだった…だが其方が来て私も心を変えた」


すると、フリオスはフォーレの手を取っていた。


「やるぞ、反キシルヴァ連合軍を作るぞ」


こうして、フリオスとフォーレによる反キシルヴァ連合の成立が為された。

時にヴァルタニア歴331年、2月のことである。


その動きはすぐさま、ヴァルタニア全土を駆け巡っていた。

“打倒キシルヴァ!”

キシルヴァの今までに働いてきていた内部闘争に敗れた人々はあちらこちらで合流を図っていた。

そして、キシルヴァ派と連合軍との内部対立時代が始まろうとしていた。


「よく、来てくれた」


フリオスはまず、そうねぎらいの言葉をかけていた。

その中にはあらゆる武将たちの姿があった。


総大将  エド•フリオス(56)

副将   フリント•フォーレ(33)

右翼大将 ゲイル•ホープ(36)

左翼大将 ユーリ•マクゲイト(42)

補佐将  ナイト•リバー(68)


このような布陣で、連合軍は士気が異常なまでに高まっていた。

しかし、フリントはその中で思わず考えていた。

確かにこの連合軍は強い。

しかし、所詮は個人集団であり協力性には欠けるかもしれない…



フリントは、連合軍に入り既に半年ほどが経っていた。いまだに兵達を集めて補給を整えると言う作業ばかりが多くなり、肝心の戦はまだ先のことになりそうであった。

すると、ふと自宅へと帰るとその前に顔馴染みのある男が立っていた。


「アステッド殿?」


フォーレは思わずそう聞き返していた。


「お久しぶりです。フォーレ将軍…」


ベイルはそう答えていた。


「いきなりどうしたのだ?其方には謀反の罪がかけられてある」


フォーレは自身が庇ったくせにも関わらず演技して見せていた。


「私のような若輩にも、この連合軍に参加させていただけないでしょうか?」


ベイルはそう強く主張していた。


「それはいいが…其方の立場はあまりよろしくない状況にある。それでもいいのかな?」


ベイルはフォーレの言葉に対して、苦笑いを浮かべていた。


「流浪の旅でもう2年。私に取って大切な何かを旅で得ることが出来ました。それを叶えさせるためには、私はキシルヴァを討たねばならないと思ったまでです」


ベイルはそう答えていた。


「なるほどな…」


フォーレもまたそう答えていた。

二匹の形の違う竜は、合間見えていた。

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