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ヴァルタニア戦記  作者: sk
傀儡愚弄編 ヴァルタニア歴330~335年
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第23話 発覚

フォーレは婚姻祝賀会が終わった後に、思わず拳で机を叩いていた。暗殺作戦の失敗もそうだが、このやり方的にも少数の人間には発覚していたような感覚がしてならなかったからだった。

フォーレは、ユリウスを呼び新たなる策を持ち出そうとしていた。

しかし、ユリウスの到着はなかった。

来たのは多くの衛兵だけであった。


「夜分遅くに何事だ?」


フォーレはそう聞き返していた。


「将軍、其方をキシルヴァ暗殺未遂の罪で連行いたします」


フォーレはその発言に対して戸惑った。


「何を申すのか、キシルヴァ将軍をなぜ私が殺さねばなるまい?そのような嫌疑をかけられるのは甚だ目障りだ!」


フォーレは激昂したが、それも事実なために空虚なもので終わっていた。


しかし、衛兵は一つの書状を手に取っていた。それはユリウスとのやりとりが記されていた。


「ユリウス•メイス将軍から提出されました。さぁ、ご同行してください」


衛兵たちはフォーレをじりじりと追い詰めていく。


「是非に及ぼす!」


フォーレは家の奥にある、剣を持つとその衛兵たちに斬りかかっていた。鮮やかな鮮血を残して、次々と死体の山が形成されていく。


「将軍、死罪は免れませんぞ!」


衛兵たちは次々とそう答えていたが、もはやフォーレは聞く耳を持っていなかった。


「ケリィ、馬を出せ!」


後ろに控えていたケリィが馬車を走らせていた。

通り過ぎる寸前で、フォーレはその馬車へと体を移していた。後ろを振り返ると衛兵たちは追いかけようとするものの、諦め始めていた。


「これで俺たちは流浪の身だ。かの、アステッドのようにな…」


フォーレはほとんどを失ったのにも関わらず、後悔はしていなかった。



「フォーレ将軍、逃走!」


キシルヴァはその報告を聞いて、相手をしていた美女の顔面を叩いていた。


「取り逃したな、馬鹿者が!ユリウス、ユリウスを呼べ!」


キシルヴァの言うことに従い、しばらくしてユリウスがその場へとやってきていた。


「どうしたんだ、ユリウスよ。其方の策が失敗するとは」


キシルヴァの言うことに対して、ユリウスはびくびくしていた。


「わかっているはずだな、其方の妻子はわしの手のひらにあることは…?」


キシルヴァの発言を聞いた後に、ユリウスはその場から立ち去っていた。

その宮中の外に出て、ユリウスは思わず城壁を叩いていた。

やり場のない怒りが身を埋め尽くそうとしていたためである。


「何故、俺がこんなことしなくちゃならねぇんだ!」


ユリウスはまだ、27歳の青年である。その青年は将来の暗さに絶望を感じざるを得なかった。

今はまだ、そんな感触がしてならなかった。



瞬く間に王都には、フォーレ将軍捕獲のための張り紙があちらこちらに貼られていた。

そのためにフォーレらは進退することも叶わずにいた。


「ケリィよ、誰を尋ねれば良いと思うか?」


フォーレは顔を隠しながらそう尋ねていた。


「フリオス将軍に尋ねてみてはどうだろう?反キシルヴァ派としては第一人者とも言える織方だ」


ケリィの発言に対して、フォーレもその意見を採用していた。


「ひとまずはフリオス将軍の元へ尋ねにいくか」


フォーレはそう言ってみたものの、その逃避行は甚だ厳しいものになるだろうと直観していた。


「まずは、ここカイザー州を抜けて南部にあるリアスタニア州に向かわねばな」


フォーレはそう言いながら関門の方へと目をやっていた。


「フリント、ここは俺に任せてくれないか?」


ケリィがそう言うので、フォーレはその案に乗っていた。



「そこの馬車、止まれ!」


門を守る兵達がそう大声をあげていた。

ケリィはその言葉にのほほんとしながら、答えていた。


「どうしたんですか?何か不審なものでも?」


「後ろに積んだ荷物は一体何だ?」


「あぁ、これですか…地方の母に頼まれましてね。米を十俵ほど取り寄せたまでですよ」


ケリィはそう答えていた。表面上は、平穏を取り繕っていたが内心は緊張感が迫っていた。


「確認してもいいか?」


衛兵たちはその米俵に対して触ろうとする。

しかし、ケリィは馬をわざと暴れさせて事なくを得ていた。


「馬たちも疲れているのです。さぁさぁ、もう行ってもよろしいでしょうか?」


そこまで慇懃に言われてしまっては、衛兵たちも言及する事を躊躇ってしまいケリィはその場から立ち去っていた。


「フリント、フリント…もう出てもいいぞ」


その声に従って、フォーレは米俵から出ていた。


「暑苦しくて仕方ないわ」


フォーレも取り敢えずの危機を脱したために一息ついていた。

すると、先刻まで開いていた門が閉じられていた。


「俺のことがここまで広まってきたな…」


フォーレとケリィは、すぐさま出来上がった壁に対して憤りを覚えざるは得なかった。

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