表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァルタニア戦記  作者: sk
叛徒討伐編 ヴァルタニア歴325~326年
1/6

第1話 群雄の幕開け

当面の間は、毎日投稿です!

よろしくお願いします

ヴァルタニア帝国。それはこの国を現在支配している国の名称である。かれこれ、3世紀という長い年月を支配しているがその支配体制は徐々に綻びを見せ始めていた。

ヴァルタニア歴史書にはそう記されている。

そして、それが長きに渡る戦乱の始まりだった。

この物語はそんな波乱の時代に生きた、人々の戦いの記録である。


男は、海を眺めていた。年は23歳ごろの若者である。

海を見つめるその相貌は、均整の取れた顔つきをしており瞳は澄んでいた。

海は良い。遮るものが何一つないから…

男はそう思い返していた。


「ベイル!仕事だ!」


ベイルと呼ばれた男は、怒号の発せられた方角を向いていた。


「すみません、すぐいきます!」


ベイルは、そう答えていた。

今日は、港での肉体労働。少々体に来るが、そこは我慢するしかない。

ベイルは、そう思いながらも仕事場へと足を運んだ。


「おい、ベイル!ベイル•アステッド!」


仕事場から聞き馴染みのある声が聞こえていた。

こちらは、金髪の美丈夫であった。


「アリアス、今日は早いな!」


ベイルはそう答えざるを得なかった。


「いつまでも、俺が寝坊野郎と思ってもらっちゃ困るな、それっ」


アリアスは、ベイルに向けて船の積荷を投げていた。意外と重たいために、アステッドは思わず体勢を崩しかけていた。


「お前に言われなくても、やってやるさ!」


ベイルは、そう意気込んでいた。


ベイルとアリアスは、互いに体力を酷く消耗していた。実際、8時間は働いた。もう体のあらゆる箇所が悲鳴をあげている。


「少し、張り切りすぎじゃね?」


アリアスが、痛むふくらはぎを手で押しながらそう愚痴る。


「それはお互い様だろ」


ベイルは冷静にそう答えていた。

そして、二人は長い列に並んでいた。今日働いた分の放出を受け取るためだった。


「終わりました!」


アリアスが、そう話していた。


「アリアス、それにベイルか…今日はお前らも頑張ったな!」


貿易商であるカイは、笑みを浮かべてそう答えていた。


「ほれ、報酬だ」


カイは、ベイルとアリアスの二人に今日の報酬を与えてくれていた。

しかし、ベイルはそれを受け取った瞬間にある疑問が浮かんだ。


「カイさん、また下がったのか?」


その質問に対して、カイは目を伏せたままだった。おそらく、肯定の意味合いが強いだろう。


「そうなんだよ、ベイル…お前も聞いたことがあるかもしれないが、赤日隊のせいなんだ」


カイは、そう答えていた。

赤日隊。近年、各地で暴徒と化している農民たちが作り上げた武装組織のことであった。所属するものが皆、赤い丸の描かれたはちまきを巻いていることから、「赤い日をもつ部隊」から赤日隊と呼ばれるようになっていた。


「赤日隊が…また何かしでかしたのか?」


アリアスがそう尋ねていた。


「あぁ、近くの港で国内で流通する銀が強奪される事件が最近多くてな。活動資金のためではあるとは思うが、そのせいで流通する銀の数が減少し、賃金の低下につながっていた。


「まったく、商売踏んだり蹴ったりだ!」


おやっさんは、そう愚痴りながら二人は帰路へと着いていた。


「暗くなってきたなぁ」


アリアスが、辺りを見回しながらそう答えていた。

ベイルも、今日歩くのは危険と思い近くの宿に泊まろうとしていた。

しかし、飛び入りだったのもあって良い部屋はなく、半ば雑用部屋のようなところに押し入れられてしまっていた。


「悪いこと言うが、この部屋は最悪だぜ!寝返りも満足に打てやしない」


アリアスが布団に寝っ転がりながらそう話していた。


「貸してくれてる身だ。そう言うことは言っちゃいけないだろ?」


ベイルはそう言い返していた。


「…お前の公明さは、世界一かもな」


アリアスは、苦々しくそう感嘆していた。

ベイルは、そのことに嬉しくおもいながらも表面上には表さず眠りにつこうとしていた。

しかし、眠りに身を委ねようとした瞬間辺り一面が赤くなった。

ベイルは、眩しく思い目を開けた。

何が起きたんだ?とおもいながら外を見回す。


「なっ!」


ベイルは思わず、そう口に出していた。


「どうしたぁ…ベイル?」


アリアスは、目を擦りながらベイルに尋ねていた。


「アルタバーナが…アルタバーナが…」


ベイルは、そう答えるしかなかった。あり得ない光景が視界の先にはありえない光景が広がっていた。

ヴァルタニア帝国王都、アルタバーナが炎に包まれていた。

それは、建国以来325年以前でしか、見られない光景だった。

暗い空には、凶星が怪しげな光を発していた。

ベイル•アステッド。

それは、後に稀代の英雄と呼ばれる男とその仲間たちによる壮大なる旅の始まりを告げようとしていた。

歴史は、また動こうとしていた。

ヴァルタニア帝国

現在、325年に渡り地域一帯を支配する専制君主制国家。度重なる飢饉によって、国の無能さに怒りを覚えた騎士である、ヴェイル•ヴァルタニアが部隊を率いて地方の部署であるラピドールにおいて蜂起したのを機にして、各地にその行動が伝播していく。

その後、10年という長い戦いの末にヴェイルらは王城を無血開城し前帝国は終わりを迎えた。

その後、ヴェイル•ヴァルタニア43歳で、皇帝として即位。以降をヴァルタニア帝国と名付けられ、この年をヴァルタニア歴1年とする。

以降は、3世紀に渡り国を統治している。

しかし、近年の赤日隊による各地反乱に手が回らず世論はヴァルタニア帝国に対して不穏な影を見せ始めている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ