サーカと悪魔 Light ver.
あれ……。私、確か、塔に上っている途中だったんじゃ……
けど……、この浮遊感って。何?
ふわふわ……。温かい……。
陰光大学付属陰光中学二年生。
サーカ・キューバスはクラスメイトであり、クリエィティブ部活・MUSEのメンバーであるアテナ・ヴァルツコップ達生徒達。
陰光大学付属陰光中学の副校長、メルタ=エーマン。二年い組・担任のラレス・サーシャ。
緊急来日したポーレット・ミルズ。
そして、日本の隊員達と一緒に塔へ上っている途中に強烈な光に包まれていた。
いい香りがする。花?かな。
耳からは水の音がする。それはシャワーに近い。
「んん~~。はぁ~~ん」
色の濃い声が聞こえる。
声を発したと見られる人物は何かを挟んだ奥にいるような気がしたサーカ。
「ふんふんふん♪」
奥にいる女性の声が近づいてくる。
そして、何かを歌いながらサーカの目の前まで来た。
「目隠し、とるわよ~」
ゆっくりとサーカにつけられていた目隠しが外されていく。
目の前には全裸の女性がいた。
下半身は布の無い状態。上半身は豊かな部分にある麗しき実を二つのお団子に縛られているリボンで辛うじて隠れているだけ。
「あら、こんにちは。見た目は子供だけど……」
彼女は中学生の全体を見回した。
「そうね。調教しがいはありそうね」
彼女は右人差し指を顎近くに持ってきた。
そして、舌を舐めた。
「あの……?服っ、着ていただけますか……?」
サーカが恐る恐る言った。
「服?」
彼女は疑問を持った。
「ここでは服は着ないわ。そもそも、なぜ服を着る必要があるのかしら。ほんと、人間の考えることは分からないわ」
彼女はそのままサーカの目の前にあるソファに座った。
「けど、あなたは来客よ。特別にあなただけは服を着てもらうようにしたわ」
その言葉にサーカは自分の身を見た。
自身の姿は作戦中に着ている軍服だった。
だが、体中紐で拘束された状態だった。
一糸まとわぬ姿の彼女とは正反対の服装に安堵した。
しかし、なぜ先ほどまでいた塔内部から見ず知らずも無い場所に飛ばされて来たのか分からなかった。
サーカは唾を飲み込み気持ちを決めた。
「ここはどこですか?」
彼女は目の前のソファへ横になった。
「ここは私の宮殿よ」
続いて、質問をした。
「あの……、あなたは誰?」
「私?誰だと思う」
笑みを浮かべながら聞き返した。
一層、彼女が何を考えているのか分からなかった。
「お~い、アスモ~。どこだ~?」
外から男性の声がした。
「ふん。サーカあなたに見せてあげる」
実際に口で言っていないのにも関わらず、彼女が自身の名前を言ったことにサーカは驚いた。
サーカの右側にある扉が開かれた。
そこには、酔った状態を持った半裸の男性が部屋に入ってきた。
「はっ!」
目が覚めた時には、サーカは塔に戻ってきた。