表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能者たちの最終決戦  作者: さけおにぎり
二章 異能力者との邂逅
7/40

東都と紗耶香


東都にとってとどろき紗耶香はそこそこかわいい明るい子でしかなかった。

ボブヘアーなのは彼好みであったが、少し背が小さすぎだった。ちなみに胸も小さい。彼はもっとセクシーな女の子がタイプであり、大人しめの性格がよかった。それは、つまりクラスで一番人気の長澤麻里を指すことになる。

そう、今泉東都はその他のクラスの男子と同様長澤麻里が好きだった。


肩より少し上くらいの黒髪のショートに彼女の白い肌はよく映えた。さらに茶色がかった瞳はその美肌とあわさることによって非現実的な印象を相手に与えることができた。もし、その瞳を独占することが可能ならば、男子は快楽の内にもがき、彼女のまつ毛の下で溺れるにちがいない。そんな彼女の魅力はいたる所にあって言い尽くせないが、その中でも特にうなじは魅力的だった。彼は長澤麻里を知ってはじめて、うなじというもののエロチックさを知った。それはなだらかな雪原であり、滑らかなミルクの海原でもあった。多くの男子がそこに口付けをするのを何度も夢想しただろう。それくらい彼女の肌の白さときめ細やかさはその他女子の群を抜いていた。

だが、このうなじが見れるのは冬からこの時期辺りまでであるという。古くからの熱心な長澤麻里信者が言うには、一般の傾向とは違い、日差しがきつくなり始める頃には髪を伸ばし首筋をすっぽりと隠すそうだ。


この長澤麻里は実はクラスの普通グループに属している。なぜかというと、彼女は女子にとってもあまりに敷居が高すぎたからだ。モテグループの男子でさえも気軽に声をかけづらいのだ。それに加え、彼女は轟紗耶香と無二の親友である。長澤麻里に近づこうとする男子は、どうしても常に一緒にいる紗耶香と対峙せねばならない。紗耶香は男どもの下心をまさに文字通りに完全に見透かし、ずけずけと毒舌をかまし追い払ってしまうからだ。

「あいつらはみんなケモノ!」

と、男を追い払った後に紗耶香が必ず言うセリフである。

東都もその他男子同様彼女に近づこうとはしなかった。

だがその理由はその他男子とは異なった。

彼は常に勃起している自分を彼女の前にさらすことを恥じた。巧妙にブリーフの下に隠し、そのふくらみは見えないようにしていても、距離を保ち続けることを自らの義務としていた。そのぐらい彼女に心酔していたのだ。


しかし、事情が変わってきた。彼はどうしても紗耶香のあの目が気になった。


(もしかして…知られてしまったのでは…)


帰宅してからも彼は悶々と疑念の中にいた。そして、本当に知られてしまったのか見極めたいという欲求がでてきた。その欲求を実行するにはどうしても長澤麻里に近づかなければならない状況が生まれる。今の彼にはこれまで自分に課したものを守るよりも、紗耶香のあの反応の真相を知るのが緊急を要する最優先事項だった。彼は決意する。


(よし。あいつの視界に何度か入って反応を確かめてみよう…。長澤さんにけがれた自分をさらすのは気が滅入るがしょうがない)


轟紗耶香にとって彼がやろうとしていることが何を意味するかは言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ