表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械仕掛けの情報屋 〜異世界の大好きなお師匠様〜  作者: ビオラン
お師匠さまの情報を探しに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/53

似ている?

 ジェールを帰した後、私とレイバーは平民街のアトリアにて作戦会議を行いました。


「まさか……宰相閣下が酷似した紋章の持ち主だったとはね」

「はい。上位貴族を表す星一つのマークにまず当てはまりました」

「ああ。その上、”羽”がついているのは宰相閣下の家紋だったという事実が分かった」

「ええ。」


 そうなのです。あれから、ジェールさんが担当したことのある貴族の中から、私の見せた紋章と酷似している家を思い出してくれたところ、なんと宰相閣下の家が該当してしまったのです。


 星の数は貴族階級を示し、星の数が減るほど階級が上がるという認識は合っているようでした。


 今回の場合、星が一つであるため、上位貴族だということまでは私達の予想通りとなります。

 あとは、その上位貴族の中から、羽のマークが施されている紋章に該当する貴族がいないか、探す必要がありました。


 そして、今回ジェールさんのご協力により、二つの条件を満たすのが宰相の家となったのです。


 私は本当に驚いてしまいました。

 驚きのあまり私とレイバーは二人して「ええっ!」と大きな声を上げてしまったくらいです。



 私の脳内事典の中から、貴族情報を思い出します。

 サイモンはこの領地では上級貴族にあたります。どうやら、元々は先代領主の弟君が上級貴族となり、継いだ家とのこと。そして、有能であったことから今の地位にいるようです。


 このようなことから、星一つのランクを賜るような貴族であることは、十分に理解できます。


「ただ、一つ気がかりなのは似ているだけで、本当に宰相様の紋章なのか、ということですね」


 そうなのです。ジェール自身も昔の記憶を頼りにしているので、ほんの少し違う可能性があるのです。私のように記憶力がある者は稀であるため、正確さには欠けてしまいます。


「少なくとも、宰相様の紋章である可能性は今のところ高いだろうね。決めつけは良くないので、今後しっかりと調べる必要がありそうだ」


「ええ、宰相様の情報を調べてみましょう。」


 すると、レイバーは少し気まずそうにしました。

「その……こんなことを言って良いのか分からないんだが、紋章が一致したとはいえ、宰相様が竜に関わっているのだろうか……」

「その疑問は私も一緒です。だって、竜について何もご存じでは無かったようですし」

「そう、まるで初めて聞いたような様子だった。」

「領主様への依頼も宰相様経由ではなかったので、紋章が一致している可能性があるとはいえ、何かが矛盾しているようにも感じます」


「うーん……仮説ではあるけど……

 一つ、宰相様の紋章では無い

 二つ、宰相様の紋章を何者かが偽装している

 と僕は考えるね」

「偽装……ですか?」


「ああ、宰相様が本当に知らないのであれば、ありえる話しだと思うんだ」

「宰相様の地位を利用する不届者がいる訳ですね」

「あの人が嘘をついていなければ、だけどね。まぁ、あの様子なら竜のことすら知らなさそうだけどね」

「これは、宰相様の威信にも関わってくる話になりますね。少し情報を収集してみる必要があります」

「僕もそう思うよ。まずは、お互いに情報を集めよう」


 ◇◇


 しばらくして、次の満月の日がきました。

 私とレイバーは以前狼煙が上がった際に向かった領地境の岩場まで訪れました。

 今日は、あの境界付近で以前お会いした隣領の方々と会う約束の日です。


 きちんと話しが伝わっていれば、約束通り会えるはずです。

 日が暮れるのを待って、コッソリと岩場から姿を出しました。


 向こうの方で数人の人影が見えます。

 立って話をしているようです。目を凝らすと、隊服の他に、平民の服装の人々がいます。警備兵2人と、平民3人といったところでしょうか。


 満月の光に照らされて、うっすらと顔が見えました。


 どうやら、境界警備隊とあれは……隣領のアレン達のようです。

 私は彼らの顔を見て、とても安心しました。約束を覚えていてくれたようです。


 私とレイバーは手を振りながら、境界に向かいます。レイバーが「おーい」と声を掛けました。

 声に気付いたのか、三人は大きく手を振り返してくれました。


 顔がはっきりと見える程度に近づくと、アレンが嬉しそうに言いました。

「覚えていてくれたんですね」

「ええ。だって、私が言い出したのに……、言い出した私が忘れていては失礼ではありませんか」

 私はクスクスと笑って、こう続けました。

「皆さん、あれからお元気でしたか? 何かお変わりはありませんか?」


 すると、皆さん先ほどの笑顔とは一転して、少し気まずそうな顔をしてお互いの顔を見合わせました。

 ーー何かあったのでしょうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ