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王都アリスミール

‐所変わって丘の麓‐


「あ~んもう陽が傾いてきている、丘下るのにかなり時間かかっちゃったわね」


一月近く旅をしていてもさすがに夕方近くなると疲れてくる。


「フェミ姉~城下入ったらすぐに宿とろうよ、あたしもうくたくた…」


なんだかミリの大げさな動作がすごく目につく。


「ミリ~ぼやかないの

もう通用門見えてきてるでしょ」


フェミ姉の言葉通り白亜のきらびあかな城門とはまた別のやや質素な雰囲気な作りの通用門が見える。


「あ…ほんとだ、地面ばかり観察していたから気が付かなかった…テヘ♪。

……………ってえ〜!!!何なのあの人の数」


見ると街道の先にある通用門の前の通りを埋め尽す程の人がいた。


「やっぱりあそこにいる人全部入るのかな?ざっと見て数百はいそう…」


とわたしがフェミ姉に聞くと、


「村長や長老の話では確か受験者毎年五万人位だって

、まあ何組も同時にチェックしているから20~30分位あれば入れるかな?たぶん」


そうこう言い合っていると、いつの間にか門の側まで歩いてきていた。


「あーやっと着いた~、そうねどんどん入っていっている、これならすぐ順番回ってきそうねフェミ姉~♪」


そう言いながらミリがイエイとばかりに謎の踊りを……???。ミリ…傍目から見たら単なる危ない子だよ……。


ん~と、入れる所はここ以外に正門と南北の門、あと通用門が三カ所位だったかしら??。


「町から来ている人たちのあの団体さんまるで観光旅行のツアーみたいね~


……………………いや本当にツアーなのね受験者用の…、とっても商売上手ね~」


ミリはそう言いながらえらく感心した感じだった。

そうしてみんなでおのぼりさんになってキョロキョロしていると。


「お~い嬢ちゃん達順番だよ~」


と門兵のおじいさん?が呼びに来た。


「あら?ほんとに早いのね、は~い!今行きます、二人とも行くわよ」


すぐ門兵さんの所まで行くと


「お~三人とも凄いべっぴんさんじゃね♪、じゃ―出身地と名前と年齢と目的をお願いね」


フェミ姉がちょいと照れながら返答した。


「はい、ロックフィラ‐山脈麓のラズエール村から来ました。

私はフェミスコート17歳です。こっちは」


「シャーリンドリア16歳です」


「ミリアリス16歳です」


フェミ姉から順番に名乗っていき


「以上三名は魔力測定試験受験のためアリスミールに来ました」


おじいさんとってもニコニコしながら答えてくれる。


「え~と今年はラズエール村は三人だけだな、OKではこれ一人一枚持って、それじゃ頑張るんだよ~それとアリスミールにようこそ」


手渡されたものを見る、???何これ青いプレート…


「は~いありがとうございます」


不思議に思いながらもおじぎをして通用門を潜っていった。



門を通る辺りから石畳になっていて私達の見たこともない数の人や店がズラッ~~と並んでた。


「…………さすが王都」


他の地方出身者らしい人も私達と同様に口を開けたままにして驚いている。


するとミリがさらに驚いて声を上げた。


「わ!!二人とも見てよ!そこの店の白と青のワンピース…普通そうなのに5万m(ミスリル)もする……」


(ミスリルこの国での主なお金の単位の事)


「私たちの村なら5千mで可愛くて良いのあるのに、一桁違うなんて物価高すぎよね~」


ミリが目を丸くしている、あ……もしかして


「フェミ姉…一つまずいこと思ったのだけど………聞いていい~?」


「?なに??」


「宿代二週間分足りるかな…?」


「シャ‥シャーリン怖いこと言わないでよ!!


でも………う~ん確かに本当に厳しいかもしれない……」


フェミ姉が青くなっている…。


「まあ~とりあえず宿行ってみましょうよ、それにいざとなったらこのミリちゃんがとっても可愛いウエイトレス姿に変身してアルバイトするから大丈夫♪」


「あはは~~」


ミリはともかく私は勘弁だー


「も~シャーリン凄い苦笑い、とりあえず探しましょ♪」


ミリのウエイトレス姿はさて置きこの王都はとても色々な種族がいるみたい。


私の村には人しかいなかったからとても新鮮だし、これだけ姿形が違うのに話が通じるのも何だか不思議な話~。


そんなことを話ながら通りを歩いて行っていると、すごく色々な外装の建物が多いのが視界に入る。…とっても綺麗、夜なったらどんな明かりつくのかしら??。


とか思っていると


「あ!あった宿屋 この辺りから宿屋街みたいね」


目敏い??ミリが見事発見さりげなく拳をあげてガッツポーズも忘れない。


「ん~今の時期一杯って事はないかしら?」


そう言いながら、フェミ姉がドアを開けて鐘の心地よい音を響かせて中に入っていく。


入ってみると右手にカウンターがあり、左手にはいくつかテーブルがあって軽食も食べられる様になっているみたい。


「こんばんは~」


フェミ姉が声をかけると数秒して奥の方から


「あらいらっしゃい~」


!?熊みたいな毛むくじゃらなおばさん??が出て来た。


「三人様~?お泊まりで~」


「え~ちょっとお聞きしたいのですが……、三人で一泊いくらですか?」


ドキドキ


(15万m位なら……)


「はい

80万mになります」


私はその言葉を聞いた瞬間にサァーっと血の気が引くような音が聞こえた気がする…。


「……………………」


みな無言になってしまった…


「あらどうしたの??あ!もしかして今年の受験の子達かい?だったら門入る時に何か貰わなかったかい?」


ん???これかな、三人とも王国印の入った青いプレートを出す。


「あ今年は青ね 門兵の人一言言ってくれたら良いのにね~、受験する子は王国が宿泊費持ってくれるんだよ。

地方とここ王都では物価が全然違うから。まあ

あたしゃ行ったことないのだけどね。


そうだ!みんないい子だからおばちゃんのサービスで一番見晴らしが良い部屋にしてあげよう♪」


そう言いながらウインクして親指をグッとサムズアップして見せてくる。


「わ~ありがとうございます」


三人同時に声をあげるとおばちゃんもニッコリして


「部屋は四階まで上がったら左端ね

はい鍵~

何か分からない事があれば遠慮せず言ってね」


「はい

分かりましたありがとうございます~~

フェミ姉~

先行っているね~」


ダダダダダ

と効果音付で一気に階段をかけ上がっていった


「ミリ走らないの~!

急がなくても部屋は逃げないわよ~


ってもう行っちゃった…

げんきんね~


疲れてくたくたじゃなかったの~

凄く元気じゃない」


フェミ姉が笑いながらあとに付いて行く


フェミ姉と私がが上まであがり部屋に着くと


「わぁ~

おばさんが言うだけあってとっても眺め良いね~

ベッドも見るからにフカフカでとっても気持良さそう~♪


……………あ

そのベットに眠り姫がいるね…


ふふ

この寝顔見たらさっきまでのお転婆ぶりは欠片もないわね」


言われて見てみると布団にくるまってスヤスヤ寝顔が女神様のように可愛いミリがいた


もっとも女神様は女神様でもやんちゃな類いだろうけど


「部屋に来て色々見て騒ぎ回って気持良さそうなベッドに横になったら寝ちゃった そんな感じね~♪」


あはは~

フェミ姉には何でもお見通しね

外套とか服思いっきり脱ぎ散らかしてるけど………

ん~~


「フェミ姉~私も疲れちゃった寝ちゃって良い~?」


「ふふ

いいわよ

明日一日予備日であるから寝坊しても大丈夫よ

夕食は要らない?」


「うん

じゃ~おやすみ」


「おやすみ~」


荷をパパッとほどいていってふとシャーリンを見ると


「早っ!?

もう寝ている


しかもベッドちゃんと三つあるのにわざわざミリのベットにもぐりこんで……


二人ともまだまだ子供っぽいわね~

とっ~~ても可愛いけど♪」


ふと

横に座り二人の髪をスッとといた


私の大切な妹達

血は繋がらなくても

私の命よりも大切……

例え遠く離れていてもそれは変わらない………



「さてと

荷物と散らかっているのを……

いやいや

散らかしたのを整理しないとあとこの都の地図も下で貰えるのかしら?

明日聞きに行かないと…」


……………

そうして暫くすると


「荷物はこれくらいでOK♪ 今は…八時前ね

わたしも寝よっと

…………………

これだけベッドが大きければ」


なにか思い付いたようにニヤリと笑い



「わたしもまだまだ子供かな~


ふふふ


三人一緒のベッドで寝るなんてかなり久しぶり」


ルンルン


ゴソゴソと二人の間にはいって寝るのだった



翌日三人ともよほど疲れたのか昼前まで寝ていた


その後

王都を軽く散策して当日に備えたのだった


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