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56 泉の秘密 

お読みいただきありがとうございます。

短いですが、続けると長くなりそうなのと、外出の予定が続くので、今回はここで。

(いつもお待たせばかりなので)

 アーチーに案内されるままについて行くと、泉の一番奥まで来た。少し先に小島が見える。

 そのまま彼は泉の中にじゃぶじゃぶと入っていく。

 足は根っこだろうから水に入るのは問題ないだろうが、さすがにカミーユは続けない。


「あの、アーチー、そこは……」


 アーチーが蹴とばすように、足を振り上げる。

 波紋を描き、泉の中でゴロリと石が動いた。


「おおーっ」

「すげえな」

「アーチーは根もしっかりしているから」

「魔木はあの根での攻撃が危ないのよね」


 上から見る石は結構大きくて、岩といってもいい大きさだ。

 アーチーはまた少し歩いて、石を蹴り飛ばした。


「ん? あれっ!」

「おっ?」


 水面に浮かんでいた葉がすっと動いて、水の中に引き込まれた。


「ほら、あそこ」

「水が流れて、いや、抜けているのか」

「まずいんじゃねえか? おい、アーチー」

「アーチー! せっかくクリスタロスが来たのに」


 そのアーチーは石を次々と動かしている。


「ねえ、大丈夫じゃないかしら。水の中を見て? あそこ、岩が島を取り囲んでる。抜けても、この泉の水すべてじゃないと思うわ」

「あそこで止まるのか」


 パタパタと音がして、ドラグーニが飛び立った。

 島の上空を旋回し、そのうちスウッと高度を下げると、泉から頭を出した岩に降り立った。


「ほら、やっぱり。あれが堤の役割になるんだわ」

「アーチーはこれを知っててやってるんだよね?」


 フィンとアルバンが泉を見つめたまま頷いた。


「知ってるどころか、これを作ったのはアーチーかもしれないな。管理してるだろう、これ」

「ああ。俺たちは漠然とアーチーはこの地を守る存在だと思ってたが、ここまでとは……」


 信じられないというように、アルバンが首を振る。


「……ねえ、見て。道、じゃないかしら。あれ」


 少し離れたところをギャブが指した。


「うわあ」

「渡れそうだな」

「マジかよ」


 確かに、水の中から現れた石が連なっているように見える。

 四人でそちらへ足を向けた。

 真っ直ぐに、岸から島へと渡る石道ができている。


「すごいわねえ。シークレットパス(秘密の小道)?」

「信じられない。神秘的、というか、なんで隠されてるんだろう? ……お宝でも埋まってるとか?」

「さあな。それこそアーチーじゃなきゃわからねえな」

「終わったみたいだぞ」


 見れば、アーチーは転がした岩をまた蹴って戻している。


『ピュウピュウピュウ ピィーイ?』


 ドラグーニが飛び立ち、島に生えている一本の大木へと向かった。


「もしかして……。えっ! うそでしょ?」


 それを見ていたカミーユが慌て始めた。


「なんだよ?」

「私、アーチーに訊いたんですよ。『アーチーと同じ木がこの森のどこかにあるか』って。それでここに案内されたってことは、アレですよ、きっと。あの立派な大木がそう。ここからだと葉の様子とか見えないけど」

「そうなるな」


 フィンは頷き、アルバンはカミーユをじろりとにらんだ。


「おい、カミーユ。泉のコレはお前のせいか」

「ち、違いますよ! ええと、原因はそうかもしれないですけど、管理者のアーチーが案内してくれたんですから。それに、泉の秘密を知れたんですから。すごいじゃないですか、これ」

「まあなあ。いや、だがなあ。知って良かったのか……?」

「ふふっ。こうなったら、お宝見つけましょう!」

「うおおい。ったくよお」


 アーチーが戻ってきて、島へと続く道の先で待っている。


「私にとってはもうお宝が見えてますよ。行きましょう!」


 カミーユはまだ水がひたひたとしている濡れた道の上を、ウキウキと、でも慎重に足を運んだ。

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