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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
99/123

サラリーマン、隣人の相談を受ける。

鉱石祭から帰り、3連休の初日をゴロゴロしつつ息子と戯れて過ごしていた俺は、夕食前にカインの部屋へ呼び出された。


「ヤマダ、相談がある。話を聞いて欲しい。」

「構わないけど…。どうした?」

カインから改まって相談なんて初めての事だ。


「ミロン亭…″シャインショクドー″の店主が腰を悪くして引退する。それで、店を買わないかと商会長から言われた。」

「カインは店を持ちたいんだよな?何か問題があるのか?」


それからカインに仔細を説明されたのだが、問題は金と人手らしい。


金はまだいい。

店の買い取りに不足している200万コルは俺とエルクあたりで貸せばいいだろう。少なくとも俺はそれぐらいにはカインに世話になったし、エルクだって同じはずだ。

店を始める際には昼のみの営業から始めるそうだが、商会員が1回昼食を食べる度にガストンさんからは100コルの補助金が支払われるらしい。それだけでもある程度は利益を確保できるだろう。


人手の方は難しい問題だ。

ミロン亭は老人夫婦が2人で営業していて、昼は娘もホールを手伝っていたと言う。少なくとも1人で回せないのは間違いないので人を雇う必要があるが、カインは最初から多くの人を雇いたくない、と。

これについては俺も同意見だ。営業の見通しが立つまでは、あまり多くの店員を雇用すべきではないと思う。


「となると、セルフ方式にするとか?うーん、こっちの世界であんまり上手くいく気がしないけどなぁ…。」

「ヤマダ。″セルフ″とはなんだ?」

「俺の世界では客が自分で料理を取りに行ったり、食べ終わったら厨房へ皿を持って行く店をそう呼んでたんだよね。」

「どういう事だ?なぜ客がそんな事をする?」

まあ、そういう反応だよね。


うーん、何と説明したものか…。

「そういう店だから?違うな。えっと、そうだ。客が運ぶ代わりに料理が安いんだよ。」

「なるほど。自分で運ぶと料理が割引になるのか。」

本当は少し違うが、もうそれでいいか。


「そうそう。そうすると、料理を運ぶ店員が少なくて済むよね?客は安く食べれるし、店は人件費が安く済んで両方が得するってわけさ。」

「それでいこう。」

即決すぎぃ!もうちょっと考えようよ店長。


「いやー、でも例えばセルフの人は10コル値引きとかだと会計がややこしくなるじゃん?だから、チケットを渡すとかにしたら?10枚とか20枚集めたら定食がタダ、みたいなさ。」

「なるほど。そうするとチケットを何枚か持っている人は、更にウチで食べる可能性が上がるという事か。凄いな。」

「感心してるけど、この世界じゃ上手く行くか分かんないからね?その仕組みで上手くいきそうかどうか、もう一度ちゃんと考えてみてね…?」

これで蓋を開けたら誰もセルフでやってくれなくて、人が足りずに大渋滞、なんて見たくないぞ。


「あぁ。何か助言は貰えるだろうとは思ったが、やはりヤマダに相談して良かった。ありがとう。」

そう言って頭を下げた後に見たカインの顔は、どこかやる気に満ち溢れている様に見えた。


安い昼飯目当てで来るスミナ商会員はセルフでやってくれそうな気はするけど、一般のお客さんはやってくれるかなぁ…。

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