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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
93/123

サラリーマン、展示会を巡る。

ぶっ倒れるんじゃないかと思うほど忙しかった3日間が終わると、3日間は見学側だ。

その後は2日間展示側、また2日間見学側と続く。


俺一人で聞いても知らない素材なども多いので、見学はハンナさん一家と回ることになった。

なお、スミナ商会員は魔道具の買い付けで広場を回るらしい。


「今日はよろしくお願いしますね。」

「あはは、ヤマダくん声すっごいね。」

「3日間叫び過ぎて喉が痛いです…。」

「ヤマダさんカッコよかったよ!みんな楽しそうだったもん!」

まあメアリの言う通り、集まってくれた人達が楽しそうだったから良かったけど。



それから見学側で回った3日間だが、参加者は特別待遇だ。

ウチではハンナさんが対応していた様に、魔道具を解説付で見せて貰えるし待ち時間も無い。

サクサク回れるし、色々な魔道具が見れて素直に楽しかった。


特に俺の印象に残った展示は2つあった。

「出張報告書に具体例を書くとしたらこの2つかな。」とか考えてしまうのは、1年以上経った今もサラリーマン思考が抜けていない証拠だと思う。


1つ目は通信?できる鉱石だ。

なんでも去年発見された鉱石らしく、2つ1組で使う物だ。

片方の鉱石に魔素を込めると、それが空気中を伝ってもう片方の鉱石から発せられる。


直線でしか伝わらないらしく、間に障害物があったらダメだし、空気中に拡散するのか魔素は多少減衰するので100mぐらいが限界距離みたいだ。

そんな欠点を加味したとしても、共鳴石を繋いでモールス信号の様に光を発する魔道具は十分に将来性を感じさせる物だった。


2つ目は…まあ、端的に言えばマイクだ。

厳密に言えば音を拡大しているわけではなく音を魔素に変えて人体に受け取らせる仕組みなので、その人が持つ魔素によって聞こえ方は違うらしい。

ちなみに俺には全く同じに聞こえた。やはりというか、地球人の身体は魔素が無い説が更に濃厚になった。


物自体も面白いと思ったが、ここが印象に残ったのは別の理由があった。

お値段5万クロン、ロナウ通貨にして11万コルもするこの魔道具を無料で渡されたのである。

なんでも3日目にウチのブースに来た時に見た集計レースがとても楽しかったので、是非使ってくれと。

それはもうキラキラした目で言われた。ウチでもああいうイベントをしたいので雇われないかとも言われた。

ハンナさんが俺は魔道具の開発者で、イベント用に雇った人じゃないと伝えると目が点になった。

「職に困ったら街の動物レース場で実況をやろう」と心にメモを書いた瞬間である。




鉱石祭6日目の夕方、3日間の見学を終えた俺たちは広場を後にした。

「いやぁ、流石は鉱石祭。すごい魔道具が沢山だよねぇ。」

「それよりこれ、本当に貰って良かったんですかね…。」

これ、とはもちろんマイクのことである。


「ヤマダくんのファンになったからプレゼントって事でしょ?流石は元本職だよね。明日からも頑張ってね。」


大事な事なので何度でも言うが、司会と実況は日本に居た頃の本職ではない。

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