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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
80/123

サラリーマン、新人に挨拶をする。

ある日、「今日も魔道具作り頑張るかぁ。」と工房に出社すると、ハンナさんの隣に見慣れない女の子が居た。


「あっ、ヤマダくんおはよー。今日から娘のメアリにも手伝って貰おうかと思って連れてきたんだ。ほら、挨拶しなさい。」

「メアリです。ヤマダさん、よろしくお願いします!お母さんから聞いてるけど、凄い人なんでしょ!」

「凄い人では無いと思うんだけどね…。よろしく、メアリ。」


ハンナさんに似て、明るくて元気な子だ。

13歳になる娘がいると聞いていたから、べナの1つ下だろうけど、もっと下に見えるな。

べナは家庭環境の影響もあったんだろうが、マセているというか現実的というか、子供特有の無邪気さがあまり無い。

工房には遊びに来てる訳じゃないが、いい友達になってくれるといいな。


「ホントは工房に連れて来るのはもうちょっと先にしようと思ってたんだけど、1つ上のべナが十分やれてるし、本人がやりたいって言うからやらせてみる事にしたんだ。」

メアリの場合は就職というより、両親の手伝いに近い。

家で1人で待ってるというのも寂しいだろうし、工房で何かやれる事があるならここに来てる方が良いのかも知れないな。


当の本人は楽しそうにとことことべナに歩み寄ると、挨拶をしていた。

「メアリです!べナちゃんだよね?まだ入ったばっかりなのに魔道具作るの上手だってお母さんが言ってた!メアリにも作り方教えてね!」

「え、ええ。べナよ、よろしくね。」

ぐいぐいと行くもんだから、べナが気圧されている。

まあイルという無邪気な弟も居るのだし、慣れたら上手くやるだろう。


その光景を俺の隣で見ていたハンナさんも、どこか嬉しそうだ。

「ふふっ、将来はこの2人が大きくなった工房を切り盛りしていくのかなぁ。無茶な事をやろうとするメアリと、冷静に止めようとするべナってのは何か想像がつくよね。」

「それは確かに。まあ、そのためにも鉱石祭で新製品が沢山売れると良いですよね。」

「売れるよ。それよりアレはデンタクシリーズの第2弾な訳だけど、名前はどうするの?」


あー、名前かぁ。サイズといい、重さといい、国語辞典にしか見えないんだよなぁ…。

どうせ俺以外には分からないし、それで良いか。

「″ジテン″でどうですかね。発音しにくいですか?」

「いや、大丈夫だよ。変わった名前ではあるけど、エキショウ自体も新しい物だし良いんじゃないかな。」



「あとさ、工房の名前変える事にしたから。」

「えっ、まだ″メアリ魔道具工房″にするのは早くないですか?」

てっきりそういう話かと思ったが、全然違った様で苦笑された。


「いやいや、そうじゃなくてさ。今この工房で作ってる魔道具って、ヤマダくんが考えた物ばかりじゃない?レジはまだしも、ヤマダ倉庫とジテンなんて全部ヤマダくんが考えた訳だし。」

「まあ…それはそうですが、アイデアだけですし、実際に作ってるのはここの工房じゃないですか。」

「そうだけどさ、この現状で鉱石祭にまで出て″ハンナ″魔道具工房です、ってのは何か違うと思うんだよね。ゲイルに相談したら、ヤマダくんの名前も入れればいいじゃんって言われたから、そうする事にしたのさ。」

いやー、俺は工房員じゃないし、別にいいとは思うけど…。


「えーと…″ヤマダハンナ魔道具工房″ですか?」

それだと俺の感覚では、俺とハンナさんが結婚したみたいになるが。


「いや、″ハマダ魔道具工房″にする事にしたよ。」

浜田になっちゃったよ!誰だよそれ!

二人の名前を合わせただけなのに、ハンナ要素も山田要素も一切感じねぇぜ…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 思わず声を出して笑っちゃいました。ハマダ魔道具工房、一文字違いでこんなに関係ない言葉(日本人にとって)になるなんて最高です
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