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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
78/123

サラリーマン、新製品を試作する。

擬似液晶のアイデアを伝えたその日から、ハンナさんは大はしゃぎで新製品の試作を始めた。


10も年上の女性に言う事じゃないが、新しいおもちゃを与えられた子供みたいだと言ったら後頭部をはたかれた。

ゲイルさんも「うんうん」と頷いてたから、同じ事を考えてたと思うんですが…。


ゲイルさんは時折べナの指導に行くので2.5人相当で試作を行ったが、アイデアがあれば早いものだ。

14日で試作品が完成した。


今回の試作品は液晶を搭載し視認性が上がったうえに、小型化された新電卓だ。レジの試作時にガストンさんから希望があった、持ち運びできる物になっている。


重さ、大きさ共に分厚い国語辞典ぐらいの物だ。


レジの時にも色々と意見を貰えたし、ということで今回も試作品を見てもらう事にした。


今回来て貰ったのは前回同様のガストンさん、レジーナさんに加え、レジーナさんが職場から連れてきたジャンだ。

なんでも「短くても行商に出てた経験もあるし、今はレジを使っているから適任だろう」と。

そういえばジャンは行商中に足を怪我したという話だったか。


試作品に最速で飛び付いたのは、やはりと言うべきか、ガストンさんだった。

「おお!これだ、これ!このぐらいの大きさなら持ち運びもできるから行商の奴らは喜ぶぞ!」

大きさもそうだが、今回はどちらかと言うと擬似液晶のお披露目がメインなんですが…。


擬似液晶についてはレジーナさんが突っ込んでくれた。

「ふーん、見やすいじゃないか。レジで必要だった、計算結果を読み取る時間が要らなくなるって事だろ?」

そう!流石はレジーナさん!そこなんですよ。


今までは計算結果を見る時に、各桁でどの数字のランプが光ってるか見る必要があったので、「7,1,3,4,8…71348か。」という感じだった。

それがパッと見で「71348」と分かるというのは、実務で繰り返し数字を見る人間ならその違いの大きさが分かるものだ。


何か考えていたのか、静かに見ていたジャンからも意見があった。

「これ、行商には軽くて良いんですけど、箱は金属性ですよね?事務所だけじゃなくて、店とかにも売る事を考えたら箱は重くてもいいので木製にして値段を安くしたりはできないんですかね。」

店…店か。確かに店のカウンターに商品を持って行くと、若い店員だと値段の計算にもたついたり、計算が間違っていることもある。

そう考えると、安ければ個人商店とかでも結構買ってくれたりするんだろうか。


「そんじゃ2種類作って持って行けばいい。ハンナ、まだ100日近くあるんだ。作れるだけ作って、全部鉱石祭に持ってくぞ。」

ガストンさんはこういうの即決だよな。

ガロンさんもそうだったけど、トップの人にはやっぱり決断力みたいなのは必要なんだろうな。


まあ、実際に日程はかなり余裕が出来たので明日からはせこせこと製品版を作っていくとするか。

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