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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
75/123

サラリーマン、妻の友人を連れ帰る。

クロエさんが「手土産を買って行く。」と言うので、2人で青果店に寄ってから家に向かった。


俺はキョロキョロと周りを見回した。

この辺はべナの通勤経路だと思われるのだ。

もう工房に着いているとは思うが、たまに遅い日もある。


朝帰りした義兄が朝から知らない女性と仲良くお買い物をしていた、というのは誤解を招きかねない。

いや、疑われるであろう昨晩の事自体は誤解じゃないのだが。


ともあれ、出くわさない事にはそんな心配もない。

青果店から家までは若干挙動不審気味にはなったが、無事に家にたどり着くことが出来た。


「ただいまー。」

「おかえり。その人、誰?」

しまったぁ!ウチにはイルもいるじゃないか!

いや、激ウマギャグを言ってる場合じゃねーんだよ。


「や。イルくん、だよね?昔1度会った事があるんだけど、流石に覚えてないかぁ。私はクロエ。レイナちゃんの友達、かな。」

あ、そうか。家に行った事があるなら、イルに会った事もあるのか。


リビングでそんなやり取りをしてたら、レイナさんも部屋から出てきた。

「あれっ、クロエさん!?」

「あ、レイナちゃん。半年ぶりぐらいだねぇ。結婚したのは聞いてたけど、子供ができたって聞いてお祝いに来たんだ。あ、これ手土産。」

青果店で買ったマスカットみたいなやつね。

レイナさんも好きだし、俺も結構好きなやつだ。


「わあ。わざわざありがとうございます!お仕事はもう終わったんですか?」

「うんうん。旦那さんにはしばらく外で悪さする気が起きない様にしといたから大丈夫だよ。」

「それなら良かったです。飲み物を持って来ますので、ゆっくりしてて下さいね。」

それなら良かったって、あんまり信用されてなかったんですかねぇ。

俺が最近会う女性といえば、ハンナさんと日用品店のおばちゃんぐらいしか居ないのだが。


「しっかし、レイナちゃんは幸せそうだね。何か安心したよ。あそこで働いてた頃も笑ってはいたけど、どこか張り詰めてる感じがあったから少し心配だったんだよね。」

「結構人の事を良く見てるんですね、意外です。そのクロエさんから見ても今が幸せそうに見えるなら、俺も色々頑張った甲斐がありますかね。」

「へー…。ヤマダさん、やっぱいい男だねぇ。私にも、どっかからいい男が転がってこないかなぁ。」

まあ、そう言われると悪い気はしない。

しかし、クロエさんは結婚願望あるんだな。

てっきり「わたしゃ、やりたいよーにやるから1人でいいんだよ。」とか言いそうだと思ったが。


「あはは。若いので良ければ、隣に住んでるのを紹介しますよ。」

「え、ホント!?行こう行こう。レイナちゃーん!ちょっと隣の家に男漁りに行ってくるからまたねー!」


え、嘘。今からですか?



「急ですから、誰も居なくても怒んないで下さいよ?」とは言ったが、隣家にはエルクがいた。カインは仕事かな?


「おっ、昨日ヤマダさんと店に来た青年じゃないかぁ。リーンちゃんはどうだったぁ?ところで青年、お姉さんとお茶しに行かないかい?」

「へっ…?」

凄いぞクロエさん。

コミュ力お化けのエルクが勢いに負けてるの、初めて見たよ。


「ヤマダ、この人は…?」

「あ、うん。レイナさんの友達?のクロエさん。レイナさんに妊娠のお祝いを言いに来てくれたんだけど、いい男を紹介してって言うんで連れて来ちゃった。」

「いい男って…俺か?」

「うん。」

エルクは結構しっかりしてるし、良い奴だと思う。


「ほぉー…。まあ、いいか。クロエさん、今から昼飯食いに行くんで、一緒に行きますか!」

「おっ、即決とは男らしいじゃないか。もちろん行くとも。」


あっさりと一緒に昼飯を食べに行く事を決めた2人は街へ出て行き、取り残されたのは俺1人だった。


はあ、なんつーか…凄いな。

陽キャラと陽キャラの組み合わせっていうのはああなるのか…。

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