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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
66/123

サラリーマン、家族に出向を伝える。

うお、急にブックマークが増えてる。

「7万文字越えてるなら読んでみるか」って層が居たんだろうか。

何にせよ、初期から読んで頂いてる方も、新規の方もありがとうございます。

スミナ商会長室からそのまま家に帰った俺は、夕飯の席でハンナ魔道具工房に出向になった事を伝えた。


「え、明日からウチに来るの?」

「30日だけだけどね。よろしく、べナ。」


と、ここでエルクから一言。

「まーた魔道具工房か。ヤマダは商会員やってるより、魔道具職人やってる時間の方が長いんじゃないか?」

そうだよ、職人やってた方が長いよ。

俺だってちょっと気にしてんだから、言うなよ。


「じゃあハヤトさんがまた素材屋に来る様になるんですね。何だか結婚する前を思い出しますね、ふふ。」

「あー、うん…。買い出しの機会があればね。」

「姉さん、素材屋で働いてて良かったわよねぇ…、ホントに。」

結婚式とかがあったら、そこで流されそうな出会いエピソードだよな、店頭で一目惚れって。



「ハヤトはなんでそんなに働く場所が変わるんだ?」

イル、それは難しい質問だな。

「えーと、だな…。」


俺が答えに窮していると、エルクが答えてくれた。

「ヤマダはすげー知識をいっぱい持ってるから、商会長がそれを色んな所で使わせてんだよ。」

「おお、すげーじゃん!」

「そうよ。わたしが毎日作ってる魔道具もハヤトが考えたやつで、沢山売れてるんだから。」

義弟と義妹の眼差しが熱い。

尊敬の念はありがたいが、俺はそこまで大した人間ではない。

レジは電卓のパチモンだし、倉庫もテレビで見た通販企業倉庫の劣化コピーだ。がっかりされたくは無いので、倉庫の盗作の件は黙って墓まで持って行くが。


「ま、まあ、俺の国では教育がすごくしっかりしてたからね。15年ぐらい勉強してから働く人も多かったし、俺もエルクぐらいの頃にはまだ働いて無かったしね。」

「いいよなぁ。俺とカインなんて8歳の頃には村の収穫作業を手伝いながら、その合間に教えて貰える文字とか計算を必死に覚えてたんだぜ?」

エルクは「やれやれ」とでも言いたいような仕草だ。


「それで街に出てきて商会員をやれてるんだから、エルクとカインは十分すごいと思うけどね。」

2人は15と16歳でアスツールに出てきたと聞いている。

そんな歳で慣れない都会に来て独り立ちなんて、なかなか立派なことだ。



「若い頃から仕事といえば、べナはどう?工房ではやっていけそう?」

「今のところ大丈夫よ。レジ作りだって一部なら1人でやってもいいって言われてるし。」

「そうかそうか、立派だ。そういえば、べナは魔素は普通にあるのかい?」

俺がそう聞いた瞬間、他の人の会話がピタリと止み、イル以外の全員がこちらを見た。


べナは「はぁ…。」とため息をつくと、真面目な顔をして俺に言った。

「ハヤト、男の人が女の人にそういう事を聞いちゃダメよ。知らなかったんだとは思うけど、その…あまり品が良くないわ。」

「えっ、そうなのか。ごめんよ。」

確かに娼館以外でそういった事を聞いた覚えは無いな。


後日エルクに教えてもらったところによると、「夜のお誘い」に受け取られる事もあるのだという。

「キミ、いい身体してるねぇ。スリーサイズはいくつなんだい?」みたいな感じだろうか。何か違う気もするが。


しかし、14歳な上に義妹であるべナ相手になんて事を聞いてしまったんだ。

せっかく上がっていた株価が暴落した気がするぞ。

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