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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
64/123

サラリーマン、再び交渉に立ち会う。

昨日に引き続き、ガロンさんにハンナ魔道具工房へ連行されると、流石に出迎えたべナの反応の薄かった。


「また?」

うん、そうだね。また、なんだ。

昨日の夕方と今日の午前も来たけど、またなんだ。


昨日と同じ流れで、出てきたハンナさんに工房内へ通されると、ゲイルさんも加わり4人でテーブルに着く。


「それで、ヤマダくん。どうだったの?その話だよね?」

「あー、概ねは問題無かったです。」


まずは今日のテスト結果とネルソンさんからの要望を、俺から2人に説明した。


「あー、倉庫の床って絶縁材じゃなかったんだ。そりゃ、悪い事をしたね…。」

流石は専門家、普通の床だと駄目なのは分かっていたのか。


「あと、ボタンの大きさとポールの材料も問題無く変更できるよ。問題は金額と納期かなぁ…。」

「ここからは俺が決めるものじゃないので、あとはガロンさんに任せます。」

さて、後はゆっくり聞いているだけの楽な立場だ。


「床材を2000枚と、入力用の柱が10本、ポールが150本を10セット欲しい。出来れば1ヶ月で頼む。」

「床材2000枚…。流石にバース商会ともなると倉庫の広さも凄まじいんですねぇ。」

スミナ商会の3倍ぐらいあるもんなぁ、あの倉庫。


「自慢じゃないが、アスツールで1番デカい倉庫だろうからな。床材はカムの木板だよな?それならウチで揃えちまっても構わんが。」

「それでお願いします。正直床材はウチで買っても、そのまま渡すだけなので。あと、納期はフルで生産すれば20日ぐらいではできると思いますが、レジの生産を完全に止める訳にはいかないので2ヶ月貰えますか?」

まあ、そらそうだ。

20日も生産停止となると、流石にスミナ商会に「ちょっとお願い」じゃ、無理だろう。


「そうなると、ここで話してても埒が明かねぇな。よし、行くか!」

どうせスミナ商会に行くんだろうけど、「よし」じゃねぇんだよなぁ。



有無も言わさずそのまま連行された俺とハンナさんは15分後にはスミナ商会長室に居た。

「ガロン拉致被害者の会」とか作ったら結構人集まるだろ、これ。


「と、まぁそういう訳だ。ヤマダを工房に派遣するから30日で頼みたいんだ。」

俺が工房勤務するって話は初耳だが?

「うーん…、ヤマダくんも手伝ってくれるなら、レジを1日2台作りながらでも行けそうかな…。」


「ガストン、これはお前の所にも旨みのある話だぞ?」

「ウチはレジの納入が遅れるだけに聞こえたが?」

「考えてもみろ。ヤマダ倉庫が上手くいったらお前んのとこの倉庫でも使えるし、これもスミナ商会で専属販売すりゃいい。」

「いいのか!?」

これ買う所って、そんなあるんか?

いや、ていうか″ヤマダ倉庫″って何だよ。


「あぁ。ウチは自分の所に入れてくれりゃ十分だし、今のところは動物性素材以外に手を出す予定は無いからな。」

「まあそれならスミナ商会としては文句はない。ハンナ、それで頼む。」


黙って聞いていたら話が終わっていた。

出向先から出向って、アリなんですかねぇ。

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