表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
漫遊編
50/123

サラリーマン、義妹の就活を手伝う。

旅行の片付けを済ませ、長期休暇の残りをのんびりと過ごしていたある日、ベナに相談を持ち掛けられた。


「ハヤト、話があるんだけどいいかしら?」

「いいよ。どうしたんだ、改まって。」

「そろそろ私も働き口を探そうかと思うんだけど、スミナ商会で人手を必要としていたりしないかしら。」

就活の話だった。というかちょっと待て。

「えっ、ベナって今いくつだっけ。そんな歳から働くもんなのか?」

「こないだ14になったわ。14なら見習いで働き始める子も普通にいるわよ。」

レイナさんもそのぐらいの歳で内職をしていたとは言っていたが、それは事情が事情だしな…。


「働くことが悪いとは言わないが、もうちょっと大きくなってからでもいいんじゃないかい?」

日本人的な感覚ではあるが、俺はそう思うんだ。

「嫌よ。ただでさえ今まで姉さんにおんぶにだっこだったんだもの。これ以上甘える気はないわ。」

おう…、一刀両断だ…。

「そこまで言うなら、とりあえず商会に聞いてみるよ…。」


その日、仕事から帰ったレイナさんにこっそり相談したら「ちょっと早いですけど、そんなものですよ。」と言われた。

まあ、この世界は高校やら大学があるわけじゃない。

家であと3,4年家事手伝いをしたって何が変わるわけでも無いか。


よし、ここは俺のコネで働き口を見つけてやろうではないか。義兄さんに任せておけ。

と意気込んで、翌日に商会長室へ突撃してみた。


「うーん、人手かぁ。足りないのは行商部隊ぐらいなんだが、こないだジャンが怪我をしたのもあるし、女子供はちょっとなぁ…。」

ベナ、すまん。義兄さんは駄目だったよ。


「働き口なんだが、スミナ商会じゃないと駄目なのか?」

「いや、そんなことは無いと思いますけど…。」

「だったら良いところがあるじゃないかよ。」

あー、なるほど…。


その日の午後にベナを連れて訪れたのは、ガストンさんから提案された働き口、ハンナ魔道具工房だ。

確かに「そろそろ人を雇おうかな。」って言ってたなぁ。


「こんにちはー。」

「あ、ヤマダくん。久しぶりだね。今日はどうしたの?」

「ハンナさん、お久しぶりです。突然なんですが相談がありまして。ここで見習いを雇う気は無いですかね?義妹のベナが働き口を探してまして…。」

「ベナです。精一杯頑張りますので、ぜひお願いします。」

「あー、そう言えばヤマダくんはレイナちゃんと結婚したんだっけ。てことはその妹さんか。構わないけど、試しに働いてもらって駄目そうなら断るよ?」

試用期間か。そりゃそうだろう、ハンナさんだって遊びで工房を経営しているわけじゃない。


「ええ。もちろんそれで構いませんので、続けるのが厳しそうなら正直に言って下さい。ベナもそれでいいかい?」

「はい。よろしくお願いします。」

「じゃあ3日後から来てもらっていいかな?急ぎの注文があって、明日と明後日は手が離せないんだよね。」

ほう、急ぎの注文とな。


「それってもしかして"レジ"ですか?売れ行きはどうなんですかね?」

「どうなんてもんじゃないよ。ここ3ヶ月近くレジしか作ってないんだから。もう"ハンナデンタク工房"に名前を変えようかと思っちゃうよね。」

ひえっ、そんだけ作ってるのにまだ急ぎの注文が来るほど売れてるのか。


「それはお疲れ様…いや、おめでとうございます?」

「まあ、喜ばしい事ではあるんだけどね…。でも、ヤマダくんは知らなかったんだね。結構色んな商会で話題みたいだよ。」

結婚したりとかで全然気にしてなかったが、売れ行き好調なら良かったな。


「魔道具の訪問販売は別枠になってて、俺が集計している所には売り上げの数字が来ないですからねぇ。っと、話は戻りますがベナの事、よろしくお願いします。」


ということで、ベナの就活は俺の元出向先へのコネ入社であっさりと決まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ