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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
漫遊編
43/123

サラリーマン、嫁にからまれる。

祝、5万文字。


5万文字もあったら、もう少し先まで書けていると思っていました。

くどい表現とかはなるべく簡素になるように見直したりはしてるのですが、文章をスッキリさせるというのは難しいですねぇ。

宝飾店を後にした頃にはキースの街は夕暮れに染まっており、自然と夕飯の話題になった。


そこで俺は「今日は二人で宿でゆっくりと飲もう。」と提案してみた。

アスツールではあまり機会が無かったので、一度やってみたかったのだ。


次の日にどちらかが仕事だったり、ベナとイルの目を気にしたり、レイナさんは朝食や弁当の仕込みをしていたりと、意外と夜に二人で酒を飲む機会は無かった。

だが、明日も特に決まった予定は無いので昼まで寝ていても問題ない。


「私はあまりお酒に強くないのですが、構いませんか?」

「うん。俺だって強い訳じゃないし、好きなペースでいいから。」


ということで、露店でつまみになりそうな肉の串や煎り豆、果実酒の小樽などを購入した。

少し多いかもしれないが、残ったら明日に回してもいい。足りなくなるよりはいいだろう。


宿に着いたら買い込んだものをテーブルに下し、ソファに二人並んで座る。

「それじゃ、カンパイだ。」

「"カンパイ"というのは…?」

「俺の国でお酒を飲むときにコップを合わせてする挨拶みたいなもんだよ。楽しく飲みましょう、みたいな意味かな。」

「ふふ、分かりました。カンパイ。」

コップをチリンと鳴らし合わせて果実酒を飲む。

結構強いなこれ。


それから彼女の両親の事、日本の事なんかを話しながらダラダラと飲んだ。

そして、2時間が経った頃に事件は起こった。


いや、正確には1時間半が過ぎた頃から兆候はあったのだが、本人が大丈夫と言うものだから安心していた。


俺の隣に座るレイナさんが激しく酔っ払っていた。

なんかすごい陽気だし、やたら喋るし、めっちゃくっついて来る。

絡みつかれている左腕が幸せなので、俺は一向に構わないのだが。


「レイナさん、ほら、そろそろお水でもどうかな。あまりお酒に強くないって言ってたし。」

「やですぅー。わたしだって今まで大変でお酒を飲むことなんてほとんど無かったんですから、今日はとことん飲むんですぅー。」

語尾が変だ。かわいい。


「あ、うん…。無理しない程度にね。」

と言うと、ガッチリと両手で抱き着かれた。

「ハンナさんとは遅くまで飲んで来たのに私はダメなんですかぁ!?ハヤトさんはわたしのものですからね!」

先月、遅くなったが電卓完成打ち上げをした時の事か。

「えーと、うん。大丈夫、俺は君のものだし、ハンナさんはゲイルさんのものだよ。あと、あの日はゲイルさんとジャンも居たからね?」

頭をよしよしと撫でておく。

まさかイケメンにしか許されないと思っていた「頭なでなで」を俺がすることになるとは。


「んふー、当然です。わたしが愛人でいいって言ったのに、結婚するって言い出したのはハヤトさんですからねぇ!」

「うんうん、そうだね。」

しかし凄いな。こんなんなるんだ。

なんか足をパタパタさせてるし。かわいい。


その後、少しずつお酒を遠ざけて、水を飲ませようとした所、口移しを要求されるなどの事件もあった。


水を飲ませると急に眠くなったのか、すやすやと寝てしまったレイナさんをベッドに運ぶと俺も寝る事にした。


レイナさんは酔うと結構喋るし、甘えてくるタイプだったんだなぁ…。

これはこれで良いものだ。またの機会を作って楽しむとしよう。

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