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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
ハンナ魔道具工房出向編
30/123

サラリーマン、上司と社長に中間報告をする。

ガストンさんが商談で街に不在だったので、試作品完成の2日後である本日が自販機、いや、「ジハンキ」のお披露目となった。


工房へやって来たガストンさんとレジーナさんをジハンキの前へ案内して、まずは今日の趣旨を説明する。

「とりあえず必要な素材が集まりましたので、まずは考えていた通りに動作するかを確認するために簡単に試作を行いました。こちらが試作品のジハンキです。」

2人とも入って来た時からずっとジハンキを見てたから、知っているかもしれんが。


「実際に動作をお見せする前に、補足とお願いがあります。製品化する際にはこれをそのまま小さくした様なものになるかと思います。しかし、形状や大きさ、値段はまだ決まっておりません。実際に電卓を購入・使用されるであろうお二方には、その辺の意見を頂きたいので実際にものを触りながら考えて頂きたいんです。」

説明も終わったので、実際に使ってみてもらう。

ハンナさんとゲイルさんの2人はそれを緊張の面持ちで見ていた。


動作については2人の想像通りだったらしく、特に質問は出なかった。

意見が多かったのは形状についてだ。レジーナさんとガストンさんで意見が割れた。

レジーナさんは事務所等に据え置きでの使用を想定しており、サイズはノートパソコン程度、ボタンの配置面は地面に対して垂直ではなく水平から少し起こしたぐらいの角度で、桁は8桁もあれば十分だろうとのこと。

対するガストンさんは持ち運びを想定しており、多少ボタンが小さく押しにくくても構わないので6桁程度の計算ができ、手のひらサイズとはいかなくとも国語辞典ぐらいのサイズに収まるのが希望だ。

5人で話し合った結果、最初は台数が多く売れそうな据え置きタイプでいく事になった。


また、共鳴石の使用量が多くなると生産可能台数が減るので細かく砕いて使えと言われた。

電卓の肝となる素材で、あれだけ苦労して見つけたのだ。そうするとしよう。

その時にはもう俺は工房に居ないだろうが、増産の際にはまたアレを繰り返すのだろうか。売れ行き次第だな。


最後にお金関係だ。

ハンナさんがざっくりと試算した所によると、共鳴石を除いた原材料費は1台1万コル程度になる見込み。

これをスミナ商会が1台7万コルで買い取り、15万コル前後で販売する予定となった。

数字だけ見るとスミナ商会の中抜きが極悪に見えるが、商品説明に出向いて受注を取ったり、物を運ぶ商会員の給料もある。こんなものなんだろう。

また、主に共鳴石の購入費用である開発費68万コルはスミナ商会の負担となった。


仕様も決まったので、明日からは本格的に製品版を制作開始だ。

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