サラリーマン、眠る。
意気揚々と娼館「夜の都」に入ると、おばちゃんが対応してくれた。
「いらっしゃいませ。本日の相手はお決まりで?」
「はい。レイナさんでお願いします。」
「ええと…、あの娘は極端に魔素が薄いのですが、大丈夫ですか?」
魔素が薄いってなんだ。よく分からないけど、今日はレイナさんって決めてる。
「??? はい。」
「料金は日付が変わるまでだと3万コル、明日までですと5万コルですがどうされます?」
流石にお高い。キャバクラとは桁が違う。だからどうしたって話だが。
「明日まででお願いします。」
10日分の給料の6割が一夜で消える。だが、そんなものは関係ない。
「それではこちらで少々お待ち下さい。」
少し待つと、水差しと布を持ったレイナさんが現れた。ドレス姿が凄く良い。
どうやらここからお店が持つ家に向かうらしい。5分ほど歩いた。
着いた先は家と言うよりは山小屋だ。ベッド、テーブル、トイレ、それだけ。まあそれで十分か。
「今回は明日までお時間を頂いたみたいで、ありがとうございます。ハンナさんの所は結構お給料が良いんですね。」
「うーん、正確には所属はスミナ商会なんですけどね。一時的にハンナさんの所を手伝ってますが。」
なんて会話をしているとレイナさんは俺の背後に回り、包み込むように俺を抱きしめると服を脱がせにかかった。
「おおぅ、後ろから脱がされるのってなんか良いですねぇ。」
「お気に召しました?それじゃ、楽しんでいって下さいね。」
いつもの柔らかい笑みではなく、妖艶な笑みと共にベッドへ引き倒された俺は、それからなすがままだった。
2時間ぐらい経っただろうか。一区切り付いて、二人並んでベッドに寝転ぶ。
「どう…でしたか…?」
「めちゃくちゃ良かったです。」
いやホント、誇張無しに。
「ホントですか!?良かったぁ…。騙すつもりじゃなかったんですけど、私とても魔素が薄くて…。」
「娼館の人もそう言ってたけど、それって何か関係があるの??」
「女の人の方が魔素が薄いと…その、男の人はあまり良くないみたいなんです。それで、がっかりされちゃう事が多くて…。」
なにそれ、衝撃の異世界新事実だよ。
「へぇ。じゃあ俺はもっと薄いってことか。実は俺、魔素の無い世界から来たんだけど、その関係なのかな。<落とし人>って言うらしいんだけど、知ってる?」
「えっ、そうなんですか!?父さんから聞いた事があるので単語としては知ってはいますけど…。でも、そのせいで私と相性が良いなら良かったです。」
「あはは、確かにね。今日は自分の身体に感謝かなー。それと、少し眠くなってきたんだけど、ここってそのまま寝ていいのかな?」
「明日の夕方までは使えるので大丈夫ですよ。寝て起きて、また元気になったらお相手しますから、ゆっくり休んで下さい。」
「じゃあ、遠慮なく・・・。」
目を閉じると、両腕で抱きかかえる様に頭を包み込まれた。
ああ、心地良い。久々にぐっすりと眠れそうだ…。




