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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
スミナ商会勤務編
19/123

サラリーマン、飲みに行く。

2号店へ行くと既にカインが店の前で待っていた。

ここが2号店かぁ。ここ、衣料品は全店舗で一番売れる店なんだよなぁ。とか仕事脳で考えてしまう。


『カイン、お疲れ。今日はバーナードでいいか?』

『ああ。あそこは肉の熟成が上手い。値段も手頃だしいい店だ。』

バーナードという肉料理の店が今日の会場らしい。カインがベタ褒めだし期待できるな。


店に着くとそこは既に結構な賑わいだった。

肉料理の店じゃねーな。これ、ビアガーデンだ。

『へぇ、いいね。こういう店は俺も向こうじゃ暖かい時期にはちょくちょく行ったもんだよ。』

『おお、そうかそうか。俺もこういう店はお祭りみたいで好きなんだ!』

好きそうだよね、君は。

こっちでの知り合いは少ないけど、誰が一番分かりやすい性格かと言ったら、ダントツでエルクだよ。

その性格、嫌いじゃないけどね。陽キャラ一直線って感じだ。


席はテーブルの真ん中がかまどになっていて、脇に薪が積んである。火はセルフか。

エルクが注文してくれた酒、野菜、肉が運ばれてくる。

肉はタレに付け込まれたブロック肉だった。肉もセルフなんだな、ワイルドだ。


「今週もお疲れ!」

「「お疲れ!」」

杯をかかげた後、ぐいっと飲む。こういう乾杯の挨拶ができただけでも言葉を学んで良かったと思う。

これは果実酒か。柑橘系のにおいがふわっと香る。

『それじゃ、どんどん焼いてくぜー!』

カインが薪をくべて、エルクは肉を切り鉄板に乗せていく。俺は…野菜係にするか。


肉を噛みしめ、油を酒で流しつつ、あまり聞いたことがなかったカインの仕事の話を聞いてみた。

『カインは2号店でどんな仕事をしているんだい?』

『商品を並べて、商品の説明をする。あとは会計。店長以外はみんなそんなもんだ。店長は店に置く商品を決めたり、客の話や評判を聞いたりだな。』

『へぇ、店に置く商品は店長が決めるんだな。本部の仕入れの人が決めたりするのかと思ってたよ。』

『客の反応を直に見て対応するってのは、どの商売でも大事だ。ここも最初は全然味が違ったけど、客の反応を見ながら味を変えていって今の味になっている。多分。』

相変わらず大人な発言だ。10歳近く年下とは思えねぇや。

『なーんか小難しい事言ってっけどさ、「客と上手く喋れるようになりたい」って理由だけで店舗店員希望したんだぜ?コイツ』

『あはは、シンプルだね。でも将来店を開くならそれも大事な能力だと思うよ。』

確かにカイルは全てのお客さんが一律に50点ぐらいの印象を受けそうだ。

対するエルクは大体のお客さんに80点ぐらいの印象を与えるけど、たまに地雷踏んで10点って感じか。

この二人は本当に対照的だな。


『そろそろ出るとするかぁ。ヤマダももういいか?』

『うん。もうお腹いっぱいだ。』

お会計を見ると1人1800コル、と。色々とセルフとは言え確かに安いな。

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