サラリーマン、初めてのお買い物。雑貨編
『それじゃ、今日はよろしく頼むよ。エルク先生。午前中は言葉を教えて貰うとは言ったものの、どこでやるんだい?』
『そこら辺は内容によって変えるつもりだけど、基本は家かなー。ま、今日はとりあえず買い物だな。ガストンさんが言ってたけど、お金についても知らないんだろ?』
『そうなんだよね。とりあえずホコリっぽいから布団と、水浴びに使う布が欲しいかな。あと、あるならせっけんも。』
『じゃ、その辺を買いに行くか。まあ行く前にとりあえずお金の勉強だな。まずは持ち金全部出してくれ。』
服を売ったお金をテーブルにざらっと出すと、貨幣について説明してもらった。
銅のカードは銅貨、これが最小単位で銅貨1枚で買えるものはほとんどないらしい。そのあとは素材によって10倍の価値になっていくだけだった。
銅、アミナ鉱石、鉄、ゴロック石、水晶、金と並ぶ。
鉄とか金って翻訳されてる金属は地球と同じ物なんだろうか。
通過単位は「コル」で、1コルは銅貨1枚の値段らしい。
俺の持ち金は全部の通貨を合わせて40万コルだった。
次に数字を教えてもらい、手帳にメモする。
貨幣が10倍ごとだったから、そうだとは思ってたけどやはり10進数だった。それ以外だと午後の仕事が面倒になりそうだったので良かった。
あとはエルク先生の後に続いて喋る練習だ。
「これ〇個下さい。」と1から9の数字だけだが、言えるようになったぞ!
『んじゃ、とりあえず布とせっけんから行くか。布団は重いから後回しだ。』
家から歩くこと5分、雑貨屋みたいな店に入る。
『ここは日用品なんかが色々売ってるし、近いから覚えとくといいぜ。布はこの辺だな。』
おっ、モコモコとしてて水を吸いそうでいいな、コレ。
『じゃあとりあえずこれを2つでいいかな。せっけんはどこだい?』
『あそこだよ。』
そう言われた先を見ると、ヤシの実みたいなのが並んでいる。
『あれは…どうやって使うんだい?』
『実を割ると中に白い果肉が入ってるから、それを水に溶かして使うんだよ。買う時に割ってくれるぜ。』
白い果肉ってヤシの実じゃねーか。いや、ヤシの果肉は水に溶けないけど。
タオルとヤシの実モドキをカウンターに持っていく。
店員さんが金額を言ってくれたが、全然聞き取れなかった。
『900コルだってよ。あと、せっけんは割って貰うぞ?』
『よろしく頼むよ。』
えーっと、900コルだから…ゴロック石のカードを渡してお釣りを貰うか。
結局店を出るまでひと言も喋らず終わったけど、まあ良しとするか。どうせ「割って下さい」とかも言えなかったし。




