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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
スミナ商会勤務編
12/123

サラリーマン、朝飯を食う。

部屋のベッドで色々考えてる内に二度寝していたようだ。

外を見ると薄らと明るくなってきている。早朝か。


キッチンで水でも飲もうかと部屋を出ると、トントンと音をたてて野菜を刻んでいた青年と目が合う。

えーっと、カイル…かな?俺はペコリと頭を下げると、部屋に戻って取ってきた指輪をカイルに手渡す。

『はじめまして、ヤマダです。エルクから話は聞いていたんだけど、カイルさん、でいいのかな?』

声をかけると、青年はビクリと動いて目を見開く。

何となく分かった、ヒタギ石は初めての人だな。


『あ、あぁ。カイルだ。俺もエルクから話は聞いてる。俺は21歳だけど、アンタ年上だろう?呼び捨てでいいよ。』

『ありがとう。俺は29歳だ。カイルは落ち着いて見えるから、もう少し上かと思ったよ。エルクも同じぐらいの歳なんだっけ?』

『エルクは1つ上だ。見ての通りガキ大将がそのまま大人になった様なやつだが。』

『あはは、それは何となく想像がつくな。』

今でもヤンチャ坊主って見た目のエルクだが、村でもガキ大将やってたらしい。


『見ての通り朝飯を作っているんだが、ヤマダは嫌いなもんはあるか?』

『うーん、ほとんどの食材を食べた事がないから、お任せで大丈夫だよ。』

『あぁ、そりゃそうか。すまん。』

『エルクが言っていたけど、ご飯はカイルにお任せしちゃっていいのかい?』

『構わない。将来、自分の店を持ちたくて、修行がてら毎日料理してる。』

ちゃんと将来考えてんだなぁ。

なんで飯屋じゃなくて商会で働いてるのかは聞かない。

きっと何か考えとか理由があってそうしているのだろう。

エルクもなんか夢とかあるんだろうか。


そんな話をしているとエルクが起きてきた。

『あれ、ヤマダもう起きてんじゃん。早いな。』

『昨日あの後すぐ寝たからね。半日以上寝てたさ。』

ていうかお前、指輪したまま寝てるのか。

『まあいいや、起きてたんなら朝飯食おうぜ。カインの作る飯は美味いんだぜ。』


朝飯は団子的なものが入った野菜スープと、煮込んだ肉だった。

『うーん、確かに美味いな。味がよく染みてる。』

『だろ?カインに食費を渡して朝と夜は作って貰ってんだけど、ヤマダもそれでいいか?』

『もちろん。何なら手間賃も取って貰っても構わないぐらいだよ。よろしくね、カイン。』


食事が終わるとカインは指輪を俺に返して出社して行った。

彼はスミナ商店の2号店で店員をしているらしい。


『じゃ、そろそろ俺らも出るとするか。』

さて、午前は語学研修だ。頑張ろう。

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