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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
112/123

サラリーマン、呼び出される。

ハマダ魔道具工房で″魔素ファイバー″ケーブルを作り続けていた俺たちは困っていた。


もうひと月半ほどはケーブルを作り続けて、継ぎ足してはテストをしているのだが…終わりが見えない。


ケーブルを使って″魔伝機″の通信距離をどこまで伸ばせるのか調べているわけだが、もはやケーブルで繋いだらどこまででもいけるんじゃないかと思う。


だって、作ったケーブルはもはや3km近い長さになってるんだぞ?

最初は通信テストが成功すると喜んでいたが、今では苦笑いだよ。「あぁ、やっぱりまだいけるよね」と。




そろそろ通信距離のテストは止めて、通信機側を作ろうという話になった頃、工房に来客があった。


「こんにちはー!ヤマダさんはいますか?ハンナさんでもいいんですが。」

「私がヤマダです。その背負いカゴは…、バース商会の配達員の方ですか?」

「ええ。商会長が呼んで来てくれって言ってるんですが、事務所に来て貰っていいですか?」


なんだろう。

ガロンさんに呼び出される様な事は最近無かったはずだが。


ともあれ、ハンナさんに許可を貰った俺は配達員と一緒に街の北東部にあるバース商会を訪れた。


「商会長、連れて来ました!」

「どうも、ガロンさん。何か有りましたかね?倉庫で不具合でも?」

「あー、いや、そっちは好調だ。特に問題はない。」


しかし、毎度思うが本当に腕太ぇなこのおっさんは。

配達員や解体員の人もそうだが、基本が力仕事のバース商会にはマッチョばかりだ。

半数近くが細身のお姉さんである、ここの事務所だけが唯一の癒しだな。


「それで、倉庫の件じゃないとしたら何でした??」

「お前んとこ、キサラの皮を買い漁ってるだろ。何を作ってんだ?来月には在庫切れになりそうだぞ。まだ要るなら他の街から仕入れて来なけりゃならんが。」


おう、在庫切れか…。

そりゃそうだよな。ゲームみたいに店の在庫が無限なんて事は無い。同じ物ばっか買って来てりゃ、そうなるか。


「離れた場所でも情報のやり取りができる魔道具を試作中でして、それを繋ぐロープ?みたいな物を作ってるんですが、予想より大分長くなっちゃってるんですよね…。」

「キサラの皮を何に使ってるのかは良く分からんが…。手紙みたいな物か?」

「まあ、そうですかね。ロープで繋いだ場所同士なら手紙が一瞬でやり取りできる魔道具、みたいな感じですかね。」


俺がそう言った瞬間にはもう胸ぐらを掴まれていた。

「おいっ!なんだそれは!頼むからウチに売ってくれ!」


マジでビビるから、急に掴むのは本当に止めてくんないかな。


「というか、バース商会に要ります?」

「馬鹿野郎、街の中央にでも配達員の詰所を作って、そこと連絡出来れば注文票をわざわざ持って来なくていいだろうが。」


あ、確かに。

そう考えるとめちゃくちゃバース商会向きの魔道具ではあるな。

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