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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
106/123

サラリーマン、来客の対応をする。

「午前中は責任者が居ない」と聞いて出直したカジャさんだが、午後一番に現れた。


いや、午後一番というか、まだ皆弁当食ってる最中だった。

営業マンなら間違い無く昼休憩が終わって、ちょっと経ったあたりに訪問してくるのだろう。

しかし、彼は営業マンでも無いし、この世界にそんなマナーがあるのかは不明だから仕方ない。


唯一の応接部屋は、テーブルがあるため弁当を食べるのに使っており、俺たちは大急ぎで昼飯をかき込んだ。


メアリとべナがそのまま午後の作業に移ると、ハンナさん、ゲイルさん、俺の3人は応接部屋でカジャさんを迎えた。


「いやぁ、すみませんねぇ。ご飯の最中だったみたいで。気が早ってしまって、配慮する余裕もありませんで。はっはっは!」

はっはっは、じゃねぇよ。

レイナさんが妊娠7ヶ月目のあたりから昼は外で食べてたし、その後は鉱石祭で出張とかカインの店で食ってたりとかで、半年ぶりぐらいの愛妻弁当だったんだぞ。味わって食わせろやい。


俺が内心でぷりぷりと腹を立てていると、ハンナさんが話を進めてくれた。

「それで、なんでもウチの工房と魔道具を共同開発したいとか…。カジャさんの所も鉱石祭の影響で魔道具作りが忙しい時期なのでは…?」

「いやいや、ウチのは魔道具と呼べる程でもありませんとも。発見した鉱床から掘らせた新鉱石をそのまま売るだけですから、正直私は居ても居なくても変わらんのですよ。」

確かに受賞理由は新鉱石の発見がメインだろうが、最優秀″魔道具″賞を取ったのに魔道具とは呼べないって事も無いだろうに。


「本日伺ったのはまさにそれが問題なのです。おそらくあの鉱石はこれから素材商や魔道具工房に売れるでしょう。だが、それを使った魔道具を他の工房が開発するのなら、ウチがやっている事は鉱夫と変わりません。これのどこが魔道具工房なのか。」

それは確かに。有用な新素材を発見したのは素晴らしい事だし、それを売る事で利益は得られるだろうが、それは魔道具工房として目指す形では無いだろう。


「そこでですよ!帰りの船でですね、思い付いてしまったのですよ!ハマダ工房のレジと組み合わせれば素晴らしい物が出来ると!」

いや、思い付いたの帰りの船かい。

そんなら、鉱石祭で言われた「共同開発したい」ってのはやっぱり社交辞令だったんじゃねぇか。

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