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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
102/123

サラリーマン、新社員食堂で昼飯を食う。

カインが店を買って10日が経った。

準備に仕込みにと、色々大忙しだった様だがとうとう新社員食堂のオープンである。もちろん「新・社員食堂」であって、「新社員・食堂」では無い。

正式名称は「カイン亭」なので、新社員食堂と呼んでいたのは俺だけだが。


その間俺はというと、既にハマダ魔道具工房に転職して6日ほど勤務したが、特に変わった事はしていない。毎日ジテン作りの日々である。

来週からはガント商会でトトさんから鉱石素材について教えて貰うので、それが少し楽しみなぐらいだ。


セルフ方式を提案してから2度ほど店の開店準備を手伝いに行ったが、やはりどうなるかは心配だ。今日からしばらくは社員食堂で昼飯を食べる事にしているので、レイナさんのお弁当もお休みだ。




今日の午前も黙々とジテンを作っていた訳だが、とうとう昼休みになった。

「ヤマダくん、そろそろお昼休みにしようか。」

「はーい。あ、今日から何日かはべナと外で食べてきます。」

「あ、例の知り合いが開くって言うお店かぁ。行ってらっしゃい。」



レジを作っていたべナと合流すると、2人して少し緊張しながら店に向かった。

「カインのお店、本当に大丈夫かしら…?」

「まあ、料理の味は心配無いから最終的には何とかなると思うんだけどね…。」

「味は私も心配してないわよ。ただ、あの店を2人でやるって未だに想像が付かないのよね。」

正直に言うと俺も3人居た方がいいとは思うけど、お店のローンもあるし、3人目の店員は客数次第だろうなぁ。


2人して心配しながら店に入ると、やはりと言うべきかイルの前には客の列ができていた。


「あ。そうです。ここに料理の受け取りと食器の返却に来てくれる人にはチケットを1枚渡します。これが20枚で好きな定食を食べられます。」

セルフ方式について説明している様だ。

この世界ではそんなもの見た事ないから、やっぱ初日は説明が大変だよなぁ…。

何日かすれば常連に説明する必要が無くなるから、大分違うだろうけど。



10分程そんな光景を眺めていると、俺たちの番になった。

「イル、お疲れ様。日替わりAをセルフで2人前ね。」

「ハヤト、やべーよ!めちゃくちゃ大変なんだけど!」

「あはは。まあ説明が大変なのは最初の何日かだけだと思うから、それまでは頑張れよ。はい、これ600コルちょうどね。」

「おう、56番で待っててくれ。あ、48番と49番の人!料理が出来たので取りに来て下さーい!」

大変そうだが、お客さんが沢山来てるのはいい事だ。


席に座ると、べナがイルの姿に感心していた。

「へぇー。イルも案外ちゃんと店員やってるじゃない。」

「うん。実際に働いてるとこを見ると、イルの声が大きいのはお客さんの呼び出しには向いてるよね。」

そんな事を話しながら働くイルを見ていると、隣のグループから気になる会話が聞こえてきた。


「いやー、人がいっぱい居たから入ってみたけど、この店良いじゃん。飯は安くて美味いし、自分で料理持って来たら更に割引って事だろ?俺らが5人で来たら、4日で1人がタダなんだぜ?毎日ここでいいじゃん。」

なるほど、5人×4日でチケット20枚か。チケットの共有は考えてなかったが、グループで来る人が増えるという効果もあるのかもしれないな。


「何ニヤニヤしてんのよ。」

隣を見ていると、べナに脇をつつかれた。


「いやぁ、好評みたいだなって思ってさ。」

「それもそうね。見て?厨房のカインも嬉しそうな顔しちゃって。」

俺にはいつもの顔にしか見えないが、料理を教えて貰っていたべナには分かるのだろうか。厨房を見つめるべナが嬉しそうな顔をしているのは俺にも分かるんだが。



店内を見たところ、セルフを選択している人がほとんどみたいだし、思ったより上手くいっている様で本当に良かった。

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