『気持ち』『焼けた草むら』
気持ち
安岡 憙弘
「お母様、お地蔵様には1日何回手をあわせるの?」
「それはあなたの気持ちしだいですよ」
女の子はその日朝夕2回、お地蔵様に手を合わせました。
焼けた草むら
チューリップの芽が頭をのぞかせていました。しかしここ、一時は焼け野原だったんです。でもこのままでは、この芽もすぐ枯れてしまうにちがいありません。心ある人が、チューリップの周りの土を入れ替え、肥料をやり、水をやり、ていねいに育てて花をさかせることができました。
一時は焼けた草むらからでも、こんなことができるんです。