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第32話 ウスケシ作戦【破】

○函館市役所・会議室(回想)


   市役所での作戦会議。


陣川「亀田側を北上して来た怪獣を(なか)(はし)でくい止めるにはビーム砲による一斉攻撃しかないでしょうね」

啄三「ただ一斉つっても、中途半端じゃ意味ねえぞ?」

蒼志「横一列に隊列を組むのはどうですか?綺麗に並べて隙間なく撃ち込むんです。そうすれば壁みたいになって、止められるんじゃないですかね?」

啄三「なる程な。確かに隙間なく並べりゃあ壁の役割になる。どうせやるならイカ刺しぐれぇ綺麗に揃ってねえとな」


   言いながら啄三が漁師1に視線をやる。


漁師1「ああ。それぐらい訳ねえ。任せとけ!」

陣川「いいでしょう。そのイカ刺し隊列で北上してきた怪獣を食い止める。で、その怪獣を今度は五稜郭に向かって押し出す訳ですが、コレをやるには相当強力な攻撃が必要でしょうね」

啄三「つっても、ビーム砲は貧弱だからな……」

蒼志「……」


   と、頭を悩ませている所に漁師2が。


漁師2「前後に配置して撃つってのはどうでい?ビームが重なるように撃ち込めば威力も増すんじゃねえか?」

蒼志「いいかもしれませんね。攻撃に厚みを持たせられれば濃厚な攻撃が出来る」

漁師2「ああ。怪獣の野郎にしちゃあ、塩辛並のインパクトだろうよ」


   地図に配置された中の橋の布陣。


陣川「イカ刺し並の隊列。そして塩辛級のインパクト……」

啄三「コレ以上の組み合わせはねえだろうよ!」


   ニヤリと笑う漁師1と漁師2。

   そして陣川が大きく頷く。


陣川「コレで行こう!イカ刺し、塩辛包囲網、ISアイエス作戦だ!」



   (回想終わり)



○ウスケシ作戦(夜)


   ※引き続きそれぞれの場所からのカットバック


   中の橋に陣取るイカ刺し隊と塩辛隊。

   (イカ刺し隊長=漁師1、塩辛隊長=漁師2)


   イカ刺し隊が川を横切るようにして綺麗に隊列を組んでいる。


イカ刺し隊長「行くぞ、イカ刺しぃ!ソーレ、いっか刺し、塩辛…!」


   隊員達の「メーン!」の声と共にビームが発射。

   怪獣に向かって伸びて行く閃光はイカ刺しのように綺麗に揃っている。

   ビームが直撃し、怪獣の動きが止まる。


塩辛隊長「今だ!塩辛ぁ!」


   「メーン!」の声と共に道路側(西)から一斉ビーム。

   前後に重なった厚みのある閃光が伸びていき、

   塩辛級のインパクトが怪獣を襲う。


怪獣「グギョォォッッ!!!」


   これまでにない雄叫びを上げる怪獣。


塩辛隊長「よぉーし!」


   が、怪獣は頭に来たようで興奮して暴れ出す。


イカ刺し班長「ウワー!目標、突進して来ます!」


   イカ刺し隊に向かって来る怪獣。隊列が乱れる。


イカ刺し隊長「バカ野郎!隊列 乱すんじゃねえ!」


   川に沿って、北へ北へと向かっていこうとする怪獣。


塩辛隊長「何やってんだイカ刺しは!」


   塩辛隊が隊列を移動して救援に入る。


塩辛隊長「しっかりしやがれ!イカ刺しぃ!」

イカ刺し隊長「うるせえ!やってるよ!」


   隣り合った隊員達が罵り合う。

   尚も怪獣に押されていると、怪獣の後方からビーム砲が撃ち込まれる。


イカ刺し・塩辛隊長「!?」

亀田A隊員1「何やってんだお前ら!同じイカ同士揉めてどうする!」

イカ刺し・塩辛隊長「……」


   救援に駆けつけた亀田隊。

   後方からビーム砲を撃って怪獣を引きつける。


イカ刺し隊長「今の内に隊列組み直すぞ!」

塩辛隊長「おめーらも配置に戻れ!」


   隊列を組み直すイカ刺し隊と塩辛隊。

   隊長同士が無線で話す。


イカ刺し隊長「いいか、別々に撃ってもダメだ。イカ刺しと塩辛、同時に撃つんだ」

塩辛隊長「それしかねえだろうな。タイミングはそっちに合わせる。掛け声は任せたぞ」

イカ刺し隊長「おうよ、任せとけ!」


   隊長が隊員達に向かって激を飛ばす。


イカ刺し隊長「お前ら!腹から声だせよ!」

塩辛隊長「塩辛根性、見せてやれ!」

イカ刺し・塩辛全員「セイヤ!」


   両隊員が迫り来る怪獣に照準を合わせる。


イカ刺し隊長「行くぞー!いっか刺し!塩辛!」

塩辛隊長「いっかソーメーン!」


   イカ刺し、塩辛隊からの一斉放射。

   しかし怪獣は少しよろけるだけで向きは変わらない。


塩辛隊長「お前ら!ちゃんとタイミング合わせろ!」

塩辛隊員「セイヤ!」

イカ刺し隊長「行くぞー!いっか刺し!塩辛!」

塩辛隊長「いっかソーメーン!」


   結果は同じ。

   隊長が無線を取る。


イカ刺し隊長「ダメだ!一発ずつじゃビクともしねえ!連続してやんねえと!」

塩辛隊長「んな事言って、出来んのか?」

イカ刺し隊長「出来るさ!何の為に今まで訓練してきたと思ってんだ!」

塩辛隊長「……しゃあねえ。やってやろうじゃねえか!」


   隊員達に向かって塩辛隊長が叫ぶ。


塩辛隊長「おめーら!出力限界まで上げろー!」

塩辛全員「セイヤ!」


   出力最大限。ビーム砲が熱を上げる。


陣川「頑張れ、頑張れ……(祈る)」


イカ刺し隊長「行くぞー!函館名物ぅ!ソーレ!」

塩辛隊長「いっか刺し!塩辛!」

イカ刺し・塩辛全員「いっかソーメーン!」

イカ刺し隊長「ソーレ!」

塩辛隊長「もう一つおまけに!」

イカ刺し・塩辛全員「いかぽっぽぉぉぉー!!!」


   イカ刺し・塩辛隊による連続一斉放射。

   雄叫びを上げる怪獣。

   体が反転し、向きが変わる。


イカ刺し班長「こちらイカ刺し!IS(イカ刺し・塩辛)作戦、作戦成功!目標、五稜郭に向かって進んで行きます!」

陣川「よぉーし!」


   歓声が上がる作戦本部。


   公園通りの両脇に公園隊が待ち構える。


公園A班長「こちら公園アルファ!これよりブラボー隊と共に五稜郭に誘導する!ソーレ!」

公園A隊員1「いけー!ぶっ放せ!」

公園A隊員2「ソレソレソレソレーイ!」

公園B隊員「道路以外絶対歩かせんな!」

公園B全員「セイヤ!」

公園A隊員「行くぞー!ソーレ!いっか刺し!塩辛!」

公園A・B全員「いっかソーメーン!」


   被害を最小限に留めながら怪獣を五稜郭へと誘導していく。

ノベルアップにて作戦経過図を掲載しております。

https://novelup.plus/story/421634554/663204680


ここまで読んで頂き、まことにありがとうございます。

よければ評価、レビューなど頂けるとありがたいです!


宜しくお願いします!

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