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第30話 U-デイ・ウスケシの夜

○函館山・作戦本部(夕方)


   観測所にはウスケシ作戦の作戦本部が置かれている。


陣川「前、怪獣が出てからどれくらいです?」

一閃「今日で一週間です。いつ出て来てもおかしくありません」


   厳しい表情をした後、窓外を見る陣川


陣川「夜に出なきゃいいが…」


   町並みが見え、家の灯りが ぽつぽつと点き始める。


○隊員達のインサート(夕方)


   海岸沿いの道。

   設置したビーム砲の周りに漁師らビーム隊員が待機している。


    ×     ×     ×


   五稜郭入り口付近。

   ビーム砲の周りに待機している隊員達。

   そこに啄三の姿。


啄三「……」


   目を閉じて座っており、その時を静かに待ち構えている。


○函館山・作戦本部(夜)


   日が暮れて夜。

   本部には一華と蒼志もいる。

   と、レーダーが反応。


一閃「怪獣出現!海岸南、10km付近に現れました!」

陣川「とうとう来たか……」


   作戦本部に緊張が走る。

   怪獣サイレンのスイッチが押される。


○町の遠景(夜)


   怪獣サイレンが町中に鳴り響く。


○町の様子(夜)(インサート)


   商店街で世間話をしている店員と主婦。

   すると、サイレンの音。

   慌てて店の中に走る店員。

   主婦もスカートをたくし上げるとダッシュして走って行く。


    ×     ×     ×


   駅前でたむろしている親衛隊。

   するとサイレンが鳴り出す。

   禅之介が指示を出し、隊員達が四方八方へと散らばっていく。


    ×     ×     ×


   ベイエリアの道。

   美優達と歩いている茜。そこに詩歌もいる。

   話しているとサイレンの音。


詩歌・茜「!!!」


   顔を見合わせる2人。真っ先に走り出す。


美優「あ、ちょっと」

詩歌「あんたたちも早く!」

茜「急いで!」


   美優と亜美も吊られて走り出す。


○函館山・作戦本部(夜)


   町の様子を見ている陣川。表情からは焦りが伺える。


陣川「上陸まで、後どのくらいです?」

一閃「およそ30分後です」

陣川「30分か……」

蒼志・一華「……」


   函館の町は、まだ煌々と輝いている。


○隊員達のインサート(夜)


   海岸沿いの道。

   慌ただしく準備している隊員達。


海岸A隊員1「慌てんじゃねえ!ゆっくりでいい!確実にやれ!」

海岸A隊員2「はい!」


    ×     ×     ×


   五稜郭入り口付近。

   五稜郭の隊員達が慌ただしく準備をしている。


啄三「……(目を閉じて座っている)」


○函館山・作戦本部(夜)


   20分経過。まだ町は明るい。


蒼志「……(町を見ている)」


   作戦本部にも諦めムードが漂う。


陣川「上陸地点はどこです?」

隊員「今のルートからすると、啄木小公園になりそうです」

陣川「……」


   一閃を見る陣川。その目を見て一閃が頷く。


一閃「しょうがない一華。啄木小公園に行って来れ」

一華「うん。わかった……」


   一華が出て行こうとした時、町の方を見ていた蒼志が何か気づく。


蒼志「ちょっと待って下さい!あれ!」


   町を指出す蒼志。みなが窓外に目をやる。


○町の様子(夜)(インサート)


   大急ぎで家に帰って来た主婦。

   俊敏な動きでブレーカーに辿り着くとブレーカーを落とす。


    ×     ×     ×


   背伸びして必死にブレーカーに手を伸ばすしている男の子。

   (ビラを大量に貰っていた子・茜の弟である)

   が、届かない。

   そこに茜が帰って来て、変わりにブレーカーを落とす。


    ×     ×     ×


   住宅街を親衛隊が走り抜ける。


親衛隊「みなさーん!電気消して下さーい!」


    ×     ×     ×


   分割画面。

   ブレーカーに手を伸ばす一太、美優、亜美、麻衣、北美原。

   他にも多くの町の人。


    ×     ×     ×


   真っ暗になった家にいる詩歌。窓から町の様子が見える。


詩歌「すご……」


   窓外に見える家の灯りが次々と消えて行く。


    ×     ×     ×


   りんごのおばあさんの家。


おばあさん「……」


   真っ暗になった家の中で、町の方を向いて静かに手を合わせている。



○函館山・作戦本部(夜)


蒼志「すげえ……すげえ!」


   町の光が消えていき……そして、全てが消える。

   真っ暗になった函館の町。

   一瞬の静寂があった後……作戦本部に歓声が上がる。


本部隊員1「よっしゃあ!」

本部隊員2「やったぞ!」


   みなが声を上げるその横で一閃が涙ぐんでいる。


一閃「函館の夜景が消えちまったっていうのによ……何で泣けてくんだよぉ」


   隣りにいた戸倉が一閃の肩に手をやる。


蒼志「市長さん!」

陣川「電力切り替え!函館中の電気を集めろ!」


    ×     ×     ×


   変電所のスイッチが切り替わる。


    ×     ×     ×


   真っ暗な函館の町。

   そこに光が灯り、大森橋から五稜郭に通じる道がライトアップされる。


一閃「よし、合図だ!鐘鳴らせ!」


   作戦開始を告げる鐘の音が町中に鳴り響く。

   飛び出していく一華と蒼志。

   陣川も無線のマイクの前に走る。


    ×     ×     ×


   五稜郭入り口。

   目を閉じて座っている啄三。

   鐘の音に気づくと、その目がカっと見開く。


    ×     ×     ×


   無線のマイクを握った陣川。


陣川「ウスケシ作戦、作戦開始!!!」


   その声が函館の町に木霊(こだま)する。



ここまで読んで頂き、まことにありがとうございます!

次話をお読み頂く前に、youtubeなどで「いか踊り」を検索される事をおススメします。


検索用

函館 いか踊り


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