82.サポウサちゃんとゲーム
着物ドレスを作るのに必要な三つの素材。コザ湖では鱗、タテフ洞窟では蝋、タイセ島で貝殻がそれぞれ手に入る。タイセ島はロイヤルハニーベアーちゃんのいるアキプ島のすぐ近くにあって、毎日寄れるので、土曜日はコザ湖、日曜日はタテフ洞窟でレベル上げしつつ素材集めする事になった。
鱗と貝殻はモンスターを倒した後に貰えるけど、蝋だけは採掘する必要がある。と言っても、タケノコ採りの時みたいに触れば採れる簡単仕様だけどね。
「きーちゃん、あそこにもあるミュ」
「ありがとう、タケちゃん」
ハデス君と三匹が次々と見付けてきてくれるので、たいして時間も掛からず沢山採取できた。
「レベルも上がったし、数もだいぶ手に入れられたね」
「そうだね。まだ時間もあるし、サポートウサギの所にでも遊びに行くかい?」
「そう――」
「ぜひぜひぜひ!」
言葉の途中でサポウサちゃんが、ぴょこーんと胸元に飛び込んで来た。
「うわっと。遊びに行っていいの?」
「勿論ですとも。ご案内しますね~」
魔法陣が現れたかと思うと、すぐにサポウサちゃんのお家の前に立っていた。赤いとんがり屋根には風見鶏が付いていて、壁は真っ白の可愛らしいお家だ。
「ささ、中へどうぞ」
「お邪魔しまーす。わ~、本当にソファしかないんだね」
「そうなんですよ。ですので、賞品が貰えるゲームに参加していって下さい」
「どんなゲームがあるの?」
「じゃんけん、すごろく、シューティングゲーム、リズムゲーム、ダーツ、ゴーカートなど色々ありますよ」
「いっぱいあるね~。じゃあ、ますはじゃんけんにしようかな」
「じゃんじゃん勝っていって下さいね」
そこは勝ちますじゃないんだ。きっと、賞品を獲って欲しいのね。頑張るよ!
取り敢えずは机をゲットするべく、じゃんけん開始!
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「お菊さんの勝ちですね! さぁ、選んで下さい」
五回戦で三勝できた。賞品を見てみると小物が多い。簡単なゲームだから、大きい家具類はないんだ。
「サポウサちゃんは何が欲しい?」
「えーと、ランプか鉢植えが欲しいです」
「じゃあ、ランプにして、もう一回やって鉢植えをゲットだね」
「ありがとうございます!」
その後は他のゲームに挑戦してみたけど、中々勝つことが出来ず、ダーツでティーセットをなんとか手に入れる事が出来た。
「ごめんね。ゲーム苦手で」
「いえいえ。何回でも挑戦しに来て頂けるので、お気になさらないで下さい」
「頑張って、お庭も充実させるからね」
「えへへ、ありがとうございます」
確か外で買ってきた物も置けるようだから、色々と探しておいて、サポウサちゃんに聞いてみるのもいいよね。
「これ、お菊以外は挑戦出来ないの?」
「賞品なしで良ければ出来ますよ」
「へぇ、じゃあ僕とシューティングゲームで」
「は、はい」
サポウサちゃんが冷や汗ダラダラでハデス君の相手をしている。「僕は手を抜く事は一切しませんからね!」と最初に言っていたから、すごく困っているんだろうなぁ。
私はタケちゃん達と穏やかにすごろくしようっと。
「――はぁはぁ、激つよ……」
「もうちょっと歯応えが欲しいな」
サポウサちゃんの手加減無しでも物足りないって、ハデス君はゲームが得意なのね。羨ましいなぁ。
「初回限定で机ちょうだいよ」
「えぇっ、無茶ぶり来た⁉」
「いいじゃない、ケチケチせずにさ。どうせ、自分で使うんでしょう」
「それはそうですけどぉ。――ええ~い、分かりましたよ! ほりゃあ!」
サポウサちゃんと「いいねぇ」と言っていた、白いローテーブルがソファの前に現れた。わぁ、素敵!
「うん、言ってみるもんだね。お菊、テーブル良かったね」
「はい! すごく可愛くて素敵です。サポウサちゃん、ありがとう」
「えへへ、お菊さんが喜んでくれたならそれで」
赤くなってクネクネしていて可愛い。抱き締めちゃえ。
「わわわわわ⁉」
「ふふっ、もうちょっと抱っこさせてね」
無言になったサポウサちゃんの頭をナデナデしていると、足にトンと衝撃が。
「ミュ」
「クー」
あらあら、こっちもナデナデしなきゃ。
「コンちゃんもおいで~」
「お、俺もか?」
「そうだよ。ナデナデは平等にだからね」
休日が終わるまでナデナデ。素晴らしきモフモフ達でした。




