78.装備変更
いつものように始まりの鐘で待ち合わせ。顔を見て思い出す。
「そうだ、ハデス君。言い忘れていたけど、LV15になったんだよ」
「おめでとう、よく頑張ったね。ステータスを見せて貰えるかな?」
「うん」
開示して皆で覗き込む。ふふっ、タケちゃんの頬が当たってくすぐったい。
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お菊
LV15
HP:2(+1693) MP:206
攻撃力:59 魔力:58
防御力:54 魔法防御:61
スピード:89 命中:128
回避:43 運:114
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装備:
サファリハット(紺色)、ジーンズのショートパンツ、タンクトップ(白色)、皮のジャケット(黒色)、ショートブーツ(黒色)
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SA:
・テイム100 ・日本の伝統
・エフェクトガンLV2 ・水魔法LV3
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称号:
『君にエールを……』 ~君のシリーズ~
『君、ゲーム止めないでね?』 ~君のシリーズ~
『君には俺が付いているから!』 ~君のシリーズ~
『囁きルーザー』
『平和主義者』
『サポートウサギの気になる人』
『初志貫徹』
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亀吉
LV15
HP:5644 MP:198
攻撃力:28 魔力:53
防御力:162 魔法防御:117
スピード:46 命中:125
回避:1 運:14
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SA:
・水魔法LV2 ・木魔法LV1 ・土魔法LV1
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タケノコ
LV14
HP:3220 MP:75
攻撃力:50 魔力:50
防御力:50 魔法防御:24
スピード:56 命中:123
回避:14 運:18
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装備:
皮の鞍(茶色)/付与:速足
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SA:
・土魔法LV1 ・物理カウンター攻撃LV1(固有) ・鞍LV1
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「亀吉のHPが大幅に増えたね。これならお菊も推奨LV15のエリアで戦えるよ」
「良かった~。亀きっちゃん、ありがとうね」
「クー!」
「でも、今日は準備に当てるよ。今まではLV5のエリアだったから良かったけど、お菊は装備を替えた方がいい。それと、溜まったSAPで亀吉は魔法全てをLV2に。タケノコは鞍以外をLV2にするよ」
「師匠、お願いしまーす」と三人で頭を下げる。「任せて」とサムズアップするハデス君、頼もしい。
アキプ島に行った後は、輝石に向かう。転移陣の猫さんは何度見ても可愛い。
「気を付けてニャ~」
「はーい。行ってきまーす」
「連れ帰りたくなるよね」
「分かる! テイム出来ないかな?」
「残念だけど、モンスターじゃないから無理だね。あの猫の村があったら入り浸るんだけどな」
激しく同意。猫じゃらしで遊びたい!
他の町の猫さん情報を聞いていたら、あっという間にリトモの防具屋さんに到着していた。是非とも、全制覇したいと思います。
「お邪魔するよ」
「らっしゃい――って、ハ、ハデス様⁉」
ハデス君がフードを取ると、ぴょんと飛び上がって勢い良くお辞儀するロロ君とリトモさん。
「どうも。あー、そんなに畏まらないでいいから。頭を上げて」
「は、はい。どんな御用で」
「お菊の装備を整えに来たんだよ。見繕ってくれるかな」
「は、はい!」
ハデス君が困ったように髪をくしゃくしゃと触っている。うーん、やっぱり凄く偉い人みたいだ。でも、なんか寂しそうというか、苦しそうというか。よく知らないから言える事なのかもしれないけど、ほっとけないのだ。不敬だって眉を顰める人も居るだろうけど、彼に嫌がられない限り、私くらいは望む距離に居てあげたい。
「ほら、そんなに触るから爆発しちゃってるよ」
「お、お菊⁉ ちょ、なんつうことを――」
指で髪を梳かしてあげていると、動揺したリトモさんが目を見開いて言葉を途切れさせる。どうしたのかと視線を追うと、ハデス君が目を閉じて微笑んでいた。
「――すまん。俺が間違っていた」
リトモさんが小さな声で私に言うので、微笑んで首を横に振る。髪を梳かし終えると、振り返ったハデス君が無邪気な笑顔を向けてくれた。
「ありがとう、お菊」
「どういたしまして」
ちょっとは役に立てたかな? そうだといいな。
「あー、攻撃力や魔力とかあるが、お菊はどの能力をアップさせたいんだ?」
「うーん、やっぱりHPでしょうか」
ハデス君を見ると頷いてくれる。
「防御力か魔法防御が次の候補かな」
「防御力となると鎧が良いんだが、お菊にゃ向かなさそうだな」
全員が一斉に頷いた。うぅ、確かに動きにくそう。それに、預モンで鎧を着ている人を見た事がないんだよね。
「LV15の軽装となると、お薦めはこの辺りだな」
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サングラス(黒色)
価格:1000
HP:+100 MP:0
攻撃力:+1 魔力:0
防御力:0 魔法防御:+15
スピード:0 命中:0
回避:0 運:0
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レザーのショートパンツ(黒色)
価格:1200
HP:+120 MP:0
攻撃力:0 魔力:0
防御力:+12 魔法防御:0
スピード:0 命中:0
回避:0 運:0
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ハイネック肩みせレザー(黒色)
価格:2300
HP:0 MP:+10
攻撃力:0 魔力:+5
防御力:0 魔法防御:+17
スピード:0 命中:0
回避:0 運:0
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ストレッチニーハイブーツ(黒色)
価格:600
HP:0 MP:0
攻撃力:0 魔力:0
防御力:+4 魔法防御:0
スピード:+3 命中:0
回避:0 運:0
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「黒ずくめで恰好良いですね。レザーだし、ハデス君と一緒だね」
「うん、お揃いで嬉しい。性能も十分だ」
「これでいいなら、付与枠を決めてくれや」
状態異常無効があるから、機能か属性半減だね。『10%の確率で物理攻撃回避』とか気になるけど、相談してから決めよう。
「ハデス君、これは入れといた方が良いよってある?」
「そうだね……雷・風・水属性半減かな」
「何でその三つの属性なの?」
「次のテイム予定のモンスター対策だよ。氷も欲しいけど必須じゃないから、アクセサリも買うなら、そっちに入れればいいかな」
「そっか。アクセサリは別のお店で買わなきゃいけないんだ」
「おう、良い店を紹介してやるぜ。つっても俺の嫁さんだけどな。ガハハ」
「助かります。この町ですか?」
「ああ、隣の『ブルネのアクセサリ屋』っつう店だ。付与している間に見て来るといい」
「はーい。行ってきます」
扉を開けると、タケちゃんがトトトッと走って行く。ふふっ、アクセサリ屋さんが気になるのね。
「いらっしゃ、えぇっ、パンダ来たっ⁉ ブルネさ~ん!」
おっと、大変だ。「お邪魔しますミュ~」と言いながら、大きくなって自分で扉を開けている。店員さんの驚きの声が聞こえて慌てて走る。
「すみません! うちの子です!」
「おやおや、テイムされた子じゃないか。トト、騒ぎ過ぎだよ、まったく。お嬢さん、いらっしゃい」
小さな女の子が、迎えてくれた女性のスカートを握り締めている。どちらも綺麗な赤毛だ。
「驚かせちゃってごめんね。この子はタケノコっていう名前なの。人懐っこい子だから大丈夫だよ」
「ほ、本当? 撫でていい?」
「ンミュ」
タケちゃんと亀きっちゃんが近寄ると、恐々と手を伸ばす。触った途端に目が輝き、夢中で撫でている。
「すまないねぇ。買い物に来てくれたのかい?」
「はい。リトモさんにお薦めされました」
「あはは、そうかいそうかい。レベルはいくつだい?」
「15です」
「欲しい付与は決まってるかい?」
「氷属性半減です」
「このペンダントなんてどうだい? うちは人気のある付与なら、先に加工したのをある程度用意してあるから、このまますぐ持って行けるよ」
おぉ、便利なサービス。
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雪結晶ペンダント
価格:600(氷属性半減+250含む)
HP:0 MP:0
攻撃力:0 魔力:0
防御力:+2 魔法防御:0
スピード:0 命中:0
回避:0 運:+2
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シルバーかな? 長めの鎖で雪の結晶の形をしたペンダントトップが付いている。
「可愛いですね。これでお願いします」
「あいよ。旦那の所に居たなら待ち時間中かい? よけりゃ、茶でもどうだい?」
「ありがとうございます。他の商品も見せて頂いていいですか?」
「ああ、勿論さ。ハデス様も気に入ったのがあったら買っておくれ。安くするよ」
「うん、ありがとう」
タケちゃんはキラキラしたものが好きなのか、食い入るように見ている。そう言えば、海底散歩の時も光る泡を掴もうとしていたものね。
耳飾り、腕輪、指輪など似合いそうなものを、お互いに選びあう。ハデス君の服装だと、ちょっとゴツイ感じの方がいいかも。
「はいよ、お茶。お嬢さん、大物だねぇ。ハデス様の指輪を選ぶだなんてさ。しかも、ザクロ――」
「ブルネ」
ハデス君が静かな声で名前を呼ぶと、ブルネさんがピタッと口を閉じる。あー、やっぱり嫌だったみたい。渡した指輪をジッと見ていて気になっていたのだ。
「ごめんね、ザクロ石の指輪は嫌いだった? どういうのが好き?」
「嫌な訳じゃないよ。その前のクロスがデザインされた方が似合うかなと思って。あー、でも今とあまり変わらないか」
つい、このデザインばっかり買っちゃうんだよねと笑っている。分かる。私も似た様な服をよく買っちゃう。
「じゃあ、これなんてどうミュ? キラキラなのミュ~♡」
お、おぅ……。タケちゃんが持つケースの中には、親指の爪くらいのダイヤがドーンと付いた指輪が鎮座していた。
「クー!」
対抗するように亀きっちゃんが持って来たのは、亀のデザインの指輪。
「ミュ⁉ パ、パンダはどこミュ!」
「え……僕、そんな可愛いのつけなきゃいけないの?」
「あはははっ、毎度!」
「えぇ~……」
「ミュー! パンダあったミュ!」
嬉しそうに差し出されて、受け取らざるを得ないハデス君。顔がちょっと引き攣っている。買ったら着けてと言われるのを分かっているのだろう。
「え、えっと、このシルバーだけで作られた小さなピアスなんてどう? あんまり目立たないよ」
「それだ! えっと、二人共いいかな? ちゃんと亀とパンダだよ」
良いよと頷いてくれたので、ハデス君が胸を撫で下ろしている。ブルネさんが笑いを噛み殺しながらお会計している。
「あの、本当に嫌なら断ってくれていいよ。ちゃんと言い聞かせるよ?」
「ありがとう。二人が自分の形をした物を渡すのは、好意を抱いている人物だという証拠だから、なるべく受け取ろうと思って。恥ずかしいのは家に飾るっていう事で許して貰う」
お互いに小声で話していると、亀きっちゃんが袋を銜えて持って来てくれた。
「ありがとう。そろそろ出来ている頃だから戻ろうか」
「うん。お茶、ご馳走様でした」
「ああ、また来ておくれ。ほら、トト、タケノコ君から手を離しな」
「う~、はーい……」
「ごめんね。また来るから仲良くしてあげてね」
「うん! バイバイ」
最初はビックリさせちゃったけど、好きになってくれたみたいで良かった。
「おっ、良いタイミングだな。作業終わったぜ」
「ありがとうございます」
「良いアクセサリあったか?」
「はい、お蔭様で。ブルネさんって、私よりも身長がちょっと大きかったですけど、ドワーフなんですか?」
「ああ。ドワーフっつうと、大人になっても小さいイメージがあるかもしれんが、120~160cm位はあるぜ」
手際よく出来上がった防具を並べながら教えてくれる。ドワーフも人間と一緒で身長差があるのね。
「お菊、LV4のSA取らないと着られないよ」
「あ、そっか。これって、LV1から順番に取らないといけないの?」
「うん。あ、もしかしてSAP足りない?」
「大丈夫」
LV1が15、LV2が25、LV3が35、LV4が45で合計120。頭、体、靴、アクセサリの4つで480のSAPが必要。使わずに貯めておいて良かった。
アイテムボックスに一度入れて装備変更をすれば、脱ぎ着しなくてもいいから楽だよね。
「どう? 変じゃない?」
「似合ってるよ。恰好良い感じだね」
鏡で見せて貰うと、サングラスが頭にのっている。これを掛けたら表情が隠せるんじゃない⁉
「これで筒抜けじゃないよね! やったー!」
「あー……喜んでいる所で悪いんだが、耳とシッポで分かっちまうぞ」
そうだった……お耳がヘニャンとしちゃったよ……。しょんぼりしつつ代金を払うのだった。




