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元勇者はニートになりました。  作者: 斉藤月希
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元勇者御一行の同窓会

笑えるファンタジー系の小説を書いてみたいと思い初投稿してみた完全初作です!

誤字とか脱字が多いかも知れませんがそこは大目に見て貰えると嬉しいです......


俺の名前はレイス、元勇者である。

そして大都市リヴィエールの住宅地のとある貸家が俺の家だ。

そんなのが元勇者なの?姫様と結婚したり英雄として崇められたりしないのか?って思う奴も多いかもしれないが......

現実はそんなに綺麗では無い、っと言うのが事実である。

助け出した姫様は他国の王子様が大好きすぎてそのまま結婚。俺は報酬としてかなりの大金を貰ったものの崇めたり盛大に振る舞われたのは2週間程度でその後はこの貸家で細々とネトゲをする生活をし続け現在に至るのである。まぁ、他の奴らも生活があるんだ、そんなに気前よく振舞っても居られないのは承知しているし何より俺が逆に飽きた。

そして俺は元勇者とは見えない程の生活をしている。貰った金の大半はゲーム機材に当てて、後は家賃何かのために基本残している。そんな俺の生活は毎日ゲームしてポテチと食パンと必要最低限の水分と油での生活である。

なんでこんな生活を元勇者がしてるのかと言えば俺自身も聞きたい、だが理由は簡単だった。

まず、冒険者などといった職業は魔王討伐によりモンスター自体が悪さをしなくなり撤廃され、まともな職につこうとしても世界を救った英雄をこんな所で働かせる訳にはいかない。とか、英雄なんだから何もしなくても生活できるでしょ?見たいな視線で見られるのが俺自身嫌気がさしてこんな生活になったのだった。まぁ、それでも生活はできるから問題はないのだが、仲間達を見るとなんだかなぁ...っとなる時はある。


俺の仲間で女魔道士のフィールは魔法を使ったアイテムを作りそれが若い女子の間で大ヒットして今や有名人だ。

他にも聖道士だったミリアはコスプレにハマり雑誌に出るようになってからタレントになったそうだ。今や聖道士の面影すらない。

そして何より驚いたのが盾役、元いヤラレ役...ゲフンゲフン。ガードナーだったドルゲだ。彼はエクササイズやジムなどのインストラクターをしているのだが。何故かオカマに目覚めた...今1番近づきたくない奴とも言える。


そんな3人の事を考えると仲間に取り残されたような気分になるからあまり考えたくもない。

まぁ、俺はネトゲライフを満喫している訳だからそんなに卑屈になる事もないのだろうけれど、今日だけは別なのだ。

仲間との同窓会と言うイベントがあり、さっき説明した理由で行きたくないと思っている。

だけど、仲間達が来いよ来いよとうるさいし俺もそんな事で欠席するのは大人気ないと思ったので行くと返事をしてしまった。


とても気がつれないがな。


「ふぅ〜...はぁ。やっとレベルあげ終わったわ......」


俺はふと、ゲーム機に充電器を刺して時計を見る。

時刻は集合時間である午後6時の30分前を切っていることに気付いた。


「やべっ!?もうこんな時間かよ!?」


俺は慌てて支度をし、外に出る。


まずい……ゲームに熱中し過ぎていた……。


ここから走って約30分...余裕はない。俺は普段着に着替え最低限の持ち物を持って走って向かった。


「お〜い!」


3人を呼びかける形で叫びながら、全力疾走で駆け寄る。


「はぁ...はぁ...わりぃ、ちょっと遅れたわ」


「全く遅いわよ?今日はレイスの奢りって事でいいわよね??」


遅れまいと必死に走り息を切らしながら苦笑する俺に微笑みながら冗談を言ってくる黒髪でスレンダーな女性がフィールだ。


「もうっ、待ちましたよ!?勇者様がこれでは示しがつしませんねぇ?神の裁きが下りますよ?」


その横で、ニヤニヤとからかうように笑い、幼い少女の様に見えるこの金髪合法ロリがミリアである。

今日の格好はとあるゲームのキャラクターの様だ。


「おいおい、その格好で言われてもなぁ...全く説得力がねぇよ...と言うか元聖道士様がそんな格好してたらそっちの方が神への冒涜的行為だとかで裁かれるだろ?」


肌の露出が多い服装をしている方が神に仕える身として冒涜的だろっと思うのは俺だけだろうか......そんな事をミリアを見る度に考えてしまう。


「ふふ〜♪この服装は一応、神に仕えるキャラの服装ですよ〜だ」


なんの問題もないと言わんばかりの態度でミリアは両手を広げ服がよく見えるようにしながら言う。


「全く...」


自慢げに無い胸を張って言えることかそれ……

俺はそんな思いを抱えながら呆れた顔をした、その時だった。


ドンっ!


「わぁ!?」


呆れ顔している俺の不意をつく形で、後ろからのしかかってくるような衝撃が悪寒と共に響く。


「あらぁ〜やだレイスちゃん私を放置して幼女とお戯れぇ〜??」


恐る恐る振り向けば、そこにはヤラレ役だったドルゲが俺の顔の近くにあった。

長髪だった髪は何故か丸刈りで余計に気持ち悪さを倍増させていた。


「あのなぁ、ドルゲ...そのキャラはいい加減気持ち悪いからやめろって...っ!」


俺はドルゲの顔を押して無理矢理離れる


「いやぁんもう!つれないわねぇ」


とにかく本当に気持ち悪くなったなドルゲ...


「それに、ミリアは幼女じゃなくて合法ロリだろ?戯れって言うのも変だからやめろ」


笑って言うべきところなのだろうが俺はドルゲへの恐怖からか真顔でそう言い放ってしまった


「ちょっとレイスさん!?合法ロリはなしですよね!?と言うかそんな風に見ているなんて不潔ですっ!!」


ミリアは1番気にしてる事を言われたせいか涙目でプクッと膨れてこっちを睨んでくる、どう見ても子供にしか見えない...まぁ、これはこれで可愛いけど。


「あぁ...まぁ、わりぃ」


とりあえず可哀想に見えてきたのでミリアには苦笑しながら謝っておこう。


「ねぇ?相変わらずなのはいいけど周りがザワついてるわよ??」


フィールがそう言ったので周りを見ると辺りの人達はクスクス笑う奴、意外そうに見る奴とかなりザワついてる


「アハハ...なんかすみません......」


俺は苦笑しながら周りに頭を下げた


「ねぇねぇ、勇者御一行ってあんな感じで魔王倒しちゃったのかな??」

「え〜、だとしたらギャグ漫画じゃん!w」


なんて声も耳にするが、んなわけあるかっ!!っと言うツッコミを俺は心中でして聞こえなかったことにした。

そんなこんなで俺が携帯の時刻を確認したら午後6時30分になっていた。


「さて、腹も減ってきたし、そろそろ行こうぜ?誰かさんの名案で今日は俺が奢ってやるからよっ!」


この時の心境は中半ヤケクソである。

遅刻した俺が悪いとは言えトホホだな全く...


「あら、冗談だったのに...悪いわねレイス」


微笑みながらクールにフィールは告げる


「レイスちゃんはやっぱり最高ねぇ♪」


「勇者様は死んだら天国行きですね♪」


「はぁ...全くキャラが濃くなりやがって...」


ドルゲ、ミリアの2人に対して俺は呆れ顔が治らなくなりそうだ。


そんなこんなで店に入って俺達は各々好きな物を頼んで乾杯した。フィール、ミリア、ドルゲの3人と会うのは久々で若干キャラが濃くなった2人も居たが俺達は昔話に話が咲いた。


「そう言えば、ドルゲを囮にして私が範囲魔法使った時あったわよね?あの時のドルゲったらアフロになってて笑っちゃったわ」


「あぁ〜そんな事あったなっ!あの時のドルゲは傑作だったわ!w」


俺とフィールは丸焦げでアフロになっていた時のドルゲを思い出してゲラゲラと笑った


「もう、あの時は治承詠唱ばっかりで大変だったのですよ?全く...」


「いやぁんもう!その話は無しよ〜」


2人にとっては苦い思い出なのだろうが何処と無く2人も楽しそうだ。

そんな笑い話をしていると話は現在の話になっていく。


「ねぇ、そう言えばみんなは最近どんな感じなのかしら?」


フィールがそん風に景気話を降るような感覚で尋ねてくる。

俺含め3人は少し考え込みドルゲから答えていく


「そうねぇ......私、最近仕事はボチボチだけど〜、とあるゲームにハマっちゃってぇ〜そこに居る男性キャラがもう、かっこよくてキュンキュンなのよ〜♪」


一体どこでこいつは道を外したんだ......


「あ、それなら私も最近ゲームにハマってますよ??PC、スマホどちらでも出来るので撮影とかの移動中でも遊べますし♪」


俺としては意外な事だったのだがミリアもゲームしている様だった。その口調はとても楽しそうである。


「ミリアはタレントしながらゲームにハマるとか結構ハードじゃないのか?」


「いえ!RPGですから細かい操作はしませんし、なんか昔を思い出したりして楽しいので全然大変じゃないですよ♪」


ニコニコと話すミリアを見てて俺もゲームをやるきっかけがそんな感じだったなぁ......っと共感が持てる、俺は何処と無く安心感を覚えた。


「そういうレイスさんは最近何しているのですか?」


ミリアからそんな質問が俺には飛んでくる、働いている3人を前にニートをしているとは言えるわけもなかった俺はこう答える。


「ん、俺か?そうだなぁ...まぁ、やりたい事を片っ端からやってるフリーターって感じだよ。ゲームは時間が良く空くから俺もやってるぜ?」


「レイスは相変わらずって感じなのね?そう言えば、私もゲームにハマってるのよ。ちなみに、どんなゲームか一斉に言ってみない??」


面白半分でフィールが提案する。それを見て俺ら3人は被りっこないっと言った表情で同意してフィール含め4人で一斉に言うのであった。


「せーの、ブレイブソードオンライン!!」


みんな一斉に言い放ったゲームの名前に俺自身驚いた、いや...むしろフィール、ミリア、ドルゲの3人は鳩が豆鉄砲くらったのような顔をして固まる。その姿を見るに俺より驚いてるかもしれない。


「...............」


しばしの沈黙の後に俺は耐えかねてこう言い放った


「なんだよ、お前らと同じゲームしてるとかやっぱり俺らは気が合うな!」


俺自身気まずさしかなかったのでどうにか濁したい気持ちで笑いながらそう答えた


「そ、そうね?でも、誰が誰なのかって分からないじゃない??フレンド申請今からしましょうよ?」


ナイスだフィール!!これで流れが変わる!!かつて共に魔王を倒した俺らがここでこんなことになるのも何かの縁だなっていい空気になる、助かった...


「え、えぇ...いいですけど??」


「そえねぇ、これも何かの縁だし...また一緒に狩りしましょ♡」


そんな感じでお互いにIDを教えあって検索する。

そうすると、俺らは次の瞬間には完璧なまでに4人揃って表情が固まる......そして、ナイスとか思ってたダメな元勇者の間の抜けた顔がそこにはあった......と言うか俺の顔だ。


「............ぜ、全員...フレンドって...まて、なんだよこれッ!!縁もくそもなく運命ってレベルじゃねぇか!?」


「し、しらないわよ?と言うかみんな名前そのままってどういう事なの!?ドルゲなんてアバターが完全なオカマじゃない!!」


ドルゲのアバターの件に関しては同感だフィール...


「いやぁん、私はありのままが美しいのよっ、オカマは強く美しくよ!!」


「そんな理論存在してたまるかっ!!」


俺は思わず大声でドルゲにツッコミを入れる。


「し、しかもです...みんな狩り友でよく行動してる仲って本当に、なんというか...」


ミリアはあまりの出来事を前に呆れ気味だった。


「まぁ、だとしても...フィールは明らかに廃課金している成金感半端ねぇ魔道士、ミリアは見た目重視でアニメキャラを真似たアバターばかりな聖道士......ドルゲはネカマと言うか、ガチなオカマの盾士.........そのままだなおい」


俺はもう、ツッコミを入れる気力もなくただ頭を抱えてそう呟く


「何言ってるのよ?私は無課金よ!!」


「いや、それは無理あるだろ〜?フィール......」


「生活に無理のない課金は無課金でしょ!?」


「それは意味が違うし生活に無理の無い課金は無課金じゃねぇ!!って言うかお前のその発想は何処の箱入りお嬢様だよ!!」


あまりにも主張が無茶苦茶なので思わずツッコミを入れてしまった...

その心境は、またつまらぬものを斬ってしまったぐらいの心境だ。

時々何処かズレた思想をそのまま発言するフィールらしい発言だからこそ俺はそんな感覚になったのだろう。


「まぁ、フィールさんはフィールさんらしい言い方ですし良いとして、やっぱり見た目は大切だと思います!!」


「お前は結局そこなのかよ!?と言うか主題がズレてるからなっ!!?」


ミリアはコスプレをする様になってから見た目重視なのは分かるが何でもかんでもゲームとかアニメキャラに寄せるのは色々と著作権的に問題が出てきそうだからやめて欲しい...


「そう言えば、私の王子様ってレイスちゃんだったのねぇ!!キャー!!!!やっぱり私達は赤い糸でぇ〜!!」


「お前は気持ち悪いからやめろ......というかそれ以上言うならこのまま絞め殺すぞ!」


俺はドルゲの後ろに回りチョークスリーパーの体制で脅しを入れていた、体が勝手に動いたんだ...俺は悪くない。


「いやぁん!!つれないわねぇ!!!でも、そういう所もぉ〜...す き ♡」


このドルゲは本当に気持ち悪い、俺の腕は気が付けば力が入っていた。

我慢すしようとしていたがダメだった...

俺は悪くない、俺の体が悪いのだ。


「ちょっとちょっと、レイスさんダメですって!!あぁ......ドルゲさん大丈夫ですか〜!?【パチパチパチ】」


「レイス落ち着いて、とりあえずドルゲには悪気はないのだから...」


フィールは俺をなだめ、ミリアはドルゲに対して頬を叩き意識が無いとわかると蘇生魔法を掛け始める。

本能には勝てなかった......


暫くして俺は落ち着きを取り戻し、ドルゲが目を覚ます。


「はっ!?一瞬魔王とレイスちゃんが私を呼んでいたわ...」


そう言い放ちドルゲが飛び起きる。


「おいおい...魔王が呼んでたならそれは地獄だろ?それに俺は生きてるっての......」


俺はそう言い放ち呆れ顔をする。

一方、2人は起きてきたドルゲを見てホッとした顔をする。

そしてそんなこんなでハチャメチャな出来事と共に時間は過ぎ去り、俺らは会計を済ませようとレジへ向かう。不思議なくらい店内は落ち着いていて店員にはさっきの一部始終は知られてない様子だった。


「全部で23.000Gになりまーす!」


「はい、」


店員に金額を言われ俺は金を払う


「丁度受け取りますねぇ?ありがとうございましたぁ!!」


店員のそんな元気な声で俺らは見送られ外に出る、そしてふと携帯の時刻を見た。


「もうこんな時間か...さて、そろそろいい時間だし帰るか??」


俺がふと携帯の時計機能を見た時、時刻は午後10時を過ぎていた。


「そうねぇ、私はなんだか疲れたし帰ろうかしら?」


フィールは少し疲れた顔しているが無理もない。無意識とは言え暴れてしまった俺を止めて宥めていたのだ。

後で謝っておこう......。


「まぁ、何かあればどうせまたゲームで会えますし。解散してもいいんじゃないですか??」


ミリアはまだ物足りなそうだが仕事の事も有るのだろう、仕方ないような口調だ。


「それじゃ、私わぁ!この後ログインしてレイスちゃんが来るの待ってるわねぇ?♡」


「ドルゲ、とりあえずその誘いは丁重にお断りしておく」


ドルゲに関してはもはや真顔でしか返せない......俺の理性がそうしてるのだろうか?

まぁ、そんな事を考えるのはやめて俺は3人に別れの言葉をつげる。


「んじゃ、またな〜。

ま、ゲームでログインした時にまたゆっくり話そうぜ?」



俺がそう告げると他の3人も手を振り俺含め4人は各々の家路に着いたのだった。

あまりにも意外な出来事ではあったけど、俺自身なんだかんだ言って仲間と同じゲームをプレイしていて、そこでまたパーティを組んでいる事が嬉しかったのだろう。

俺の足取りは軽やかで夜風が心地好く感じる。

こんな感じで元勇者御一行の第1回目である同窓会は元勇者御一行とは思えぬドタバタぶりで終わったのだった。

家路に着いた俺は布団に入り天井を見上げる、いつもと変わらない家の天井。だけど、俺にはそんな天井も今だけはあの仲間達と見上げて眠った星空を思い出す。

最初は行きたくないと思っていたけれど、本当はあの仲間達が好きで会いたかったんだなっと天井を見ながら思う。

俺は忘れかけた物を思い出せた様な、あるいはポカリと空いていた何かが埋まる様な。何処か暖かく感じる思いを胸に、そっと目を閉じて眠るのであった。



ご視聴して頂けた方、ありがとうございました。

ご指摘等がございましたらしてくれると幸いです。

投稿する頻度は遅いと思いますが読んでくれた皆様が面白いと思えるような作品になるよう頑張って行きます。

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