そんなことがあるのか!?
「佐知香さーん!」
今まさにトドメを刺されようとされてる佐知香さんを助けるべく、俺は慌てて電磁投射砲を撃ちまくりながら最強獣に突進する。
「こんなもの!」
しかし、ヤケクソに撃つ電磁投射砲は、最強獣に簡単に回避されてしまう。
「ザコはでしゃばるな!!」
「オゥッ!?」
俺は最強獣の強烈な尻尾アタックをあばらに食らって吹き飛ばされる。
「ブフッ!?」
そして史さんに激突。
「キュ~~~~ウ!?」
史さんは気絶した。
「あ、あばら骨が!!」
俺の方は今の攻撃で、あばら骨の何本かは折れただろう。その証拠に、痛みで意識がどうにかなりそうだ。
「よくもダーリンを!!」
「ンッ!?」
俺に注意がいっていた最強獣の一瞬の隙をついた佐知香さんが、最強獣を羽交い締めにする。
「このぉ! 放しやがれ!」
最強獣は佐知香さんを振り払おうとしますが、佐知香さんは最強獣の動きを必死に止めようとするため、中々振り払えない。
「ダーリン! 最強獣の胸を貫いて!」
佐知香さんは俺に最強獣のトドメを刺すように言う。
「くっ、このおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
俺は痛みに耐えながらえ立ち上がろうとした。
「うぅぅぅ! くうぅぅぅぅ!」
だが、痛みに耐えられず膝をついてしまう。
「ダーリン、なにしてるの! 早く撃って!!」
佐知香さんは俺を急かすが、体が言うこと聞いてくれない。
「チラッ」
俺は救いを求めるように史さんを見る。
「……」
しかし、史さんは失神中で動けない。とても代わってもらえる状態ではなかった。
(俺がやるしかないのか……)
「ウガァァァァァァァァ!!」
「キャア!?」
「佐知香さん!?」
おまけに最強獣は佐知香さんを払いのける。頼れる者は俺しかない。
「やるしかない!」
俺は覚悟を決め、残された最後の力を振り絞って電磁投射砲の引き金を引く。
「ンッ!?」
俺の攻撃は最強獣に命中した。だが……。
「浅い!」
弾が当たったのは、最強獣の右肩。これでは致命傷にはならない。
(もはやこれまでか……)
残された力を使い果たした俺は横倒れになり、全てを諦めて目を閉じるが、何故か最強獣からの攻撃がない。
(おいおい、やるなら苦しまないように一思いに殺してくれ)
俺は恐る恐る目を開けてみると。
「グァァァァァァァァ!! ゴッ! ガハァァァァァァァァッ!?」
最強獣が悶え苦しんでいる。
「一体全体どうなっているんだ!?」
俺には何が何だか、さっぱり分からなかった。
「ッ!?」
一人で混乱していると、最強獣が倒れた。
「……」
倒れた最強獣に佐知香さんが近づき脈を調べる。
「はぁ♪」
最強獣の脈を調べると、佐知香さんは二パァっと笑顔になる。
「やったわ! 最強獣を倒したのよ!!」
佐知香さんは勝利の雄叫びをあげる。信じ難いことだが、あの一撃で最強獣を倒せたらしい。
「ポカーーーーン」
トドメを刺した者が言うのもアレだが、あまりの呆気ない決着に唖然としてしまった。
まあ、何はともあれ、こうして八時間以上も続いた小牧山での戦いは、義勇軍勝利で終わったのであった……。




