仇はとる!
「このーー!」
史さんは佳さんを安全な場所に隠した後、彼の刀を使って最強獣と戦っていた。
しかし、佳さんよりも弱く、剣術の基礎もできない史さんの刀は、スカスカと空振りするばかりで掠りもしない。但し、これは最強獣の身体能力の高さもあるが。
「はぁはぁ!」
むちゃくちゃに刀を振り回す行為は体力をムダに消耗させる。そのせいで史さんの呼吸は乱れていた。
「フンッ!」
最強獣の左ストレート。
「おわぁぁぁぁ!?」
しかし史さんは電磁投射砲でガード。
なんとか戦っているが、これではジリ戦。史さんが倒されるのは時間の問題だった。
「史さーーーーん!」
見兼ねた俺は気が付いたら史さんに助太刀していた。
「おぉ! 童くん、私を助けてくれるか」
史さんは驚きと喜びの混じり合った顔で、俺に感謝した。
「ダーリン一人にやらせておけないわ!!」
俺の後を追うかのように、佐知香さんも加勢する。
助太刀してくれるのは頼もしいが、善玉が寄ってたかって悪玉に戦うってのは、ちょっと卑怯な気が……。それに、絵的にも冴えない (言ってみれば、寄ってたかっていじめてるみたいなもんだ)
……まあ、この際しがらみ取っ払って戦うか。
「「「いくぞ!!」」」
三人声を揃えて最強獣に向かっていく。
「こい!!」
さぁ、戦いだ!
「ぐあ!」
「むわぁ!?」
「ゴッ!?」
しかし、三人がかりでも最強獣に向かっていくものの、あっという間に弾かれちゃう。
力の差は歴然。真っ向勝負で最強獣に勝ち目はなかった。
「なんて強さだ!」
歯を食いしばりながら佐知香さんが最強獣を睨む。
「お前、生意気だな。殺してやるよ!」
最強獣は佐知香さんを標的に決めて向かってくる。
「史さん、もうムリだ! 一旦退却して、態勢を立て直しましょう!」
一方、俺は史さんに撤退を促すが。
「嫌だよ! 佳さんの敵討ちをするんだ!」
あろうことか史さんは駄々をこねる。その姿は、普段の史さんからは想像もできない程幼稚なものだった。
「何でそんなに佳さんにこだわるんですか!?」
少々発狂気味に、俺は史さんに反論。だけど史さんは……。
「大切な人が倒されて、黙っていられるか!」
「大切な人って……。まさか!?」
「親友だ」
「あ……。親友でしたか」
余計なこと言わなくてよかった。危うく 「恋人ですか?」 って、聞くところだったぜ。
(でも、もしも恋人だって言われたら、同性愛カップルだよなぁ……)
※ あくまでも元々の性別が、という意味。
「キャア!?」
どうでもいいことを考えてる間に佐知香さん大ピンチ。
今まさにトドメを刺されようとしていた。




