数が足りない
「電磁投射砲自体は申し分ないけど。どれだけ作れた?」
「三十六個」
「三十六……」
数を聞くと佐知香さんは人差し指を唇に押し当てて小難しい表情で考える。
「弘法様、もうちょっと作ることはできなかったのですか?」
考える佐知香さんに変わって今度は史さんが弘法様に質問した。
「史くん、残念ながらそれは無理なのだよ」
けれども弘法様は首を横に振る。
「何故ですか?」
「もの自体はもう五~六個ぐらい作れるが。電磁投射砲を動かすための電気が足りない」
「あ!」
史さんも気付いたようだ。
実は電磁投射砲の打ち出す弾の加速度は電流の大きさに比例する。従って破壊力の高い電磁投射砲ともなるとエネルギー消費量も大きくなってしまう。言ってみれば銃が沢山あっても弾が少ないような状態です。
「……では仕方ありませんね」
「そうね史」
佐知香さんと史さんは不本意ながらも納得した。
「でも代わりに銀玉鉄砲を改造してピストル並みの威力にしたのなら人数分作っといたよ」
弘法様はシマウマ模様のデカい風呂敷包みを取り出すと、中から大量の銀玉鉄砲が出てくる。
「「「「おーーーーぅ!」」」」
「すげー!」
「確かに凄いな」
皆、弘法様の技術力に度肝を抜かれる。
しかし電磁投射砲の時も思ったが。弘法様はどうやってあのデカい指で精密作業をやったのだろうか? 謎である。
……まあ、それはともかく。これで義勇軍は最強獣軍団とまともに戦える力を手に入れた訳だ。強力な武器に義勇軍の士気も高まる。
その一方で最強獣軍団が刻一刻と小牧山に近づきつつある。
「ん!」
そのことに弘法も気付く。
今まさに義勇軍と最強獣軍団の最終決戦が始まろうとしていた……。




