もうすでにダーリン
「うーむ……」
顔中キスマークだらけになった俺は佐知香さんのされるがままに従い、皆の前に出る。なんだか学校の朝礼をする先生みたいだ。
「♪~♪~」
しかし、そんな時に佐知香さんは俺の腕にしがみついて、自分の体を押し当ててくる。
(あぁ! 俺の腕に佐知香さんの胸が当たっている!?)
女性に免疫のない俺はドキドキで心臓が爆発しそうだ。おまけにみんなに見られているから余計に緊張した。
きっと顔の方もニホンザルの顔みたいに赤くなってるだろうな……。
「あのぉ、佐知香さん」
あんまり恥ずかしかったので、佐知香さんに一言言うことに。
「なあにダーリン?」
「ダ、ダーリン!?」
呼び方がもうすでにダーリンになっとる。
一応名前は教えといたが。完全に無視されたな。まあ、ダーリンって呼ばれて悪い気はしないが (笑)
「はっ!」
いかん。余計な事を考えてしまったがばっかりに、本来の目的を忘れるところだった (汗)
気を取り直して。
「佐知香さん当たってますよ」
佐知香さんに小声でさり気なく説明する。
「当ててるのよ♪」
「な!?」
計画的犯行。分かっててやってるとは、この人は小悪魔的策士か!?
「みんなも見てるから離れてもらえませんか?」
遠回しに言って無駄そう。なので、ちょっと直球気味に言ってみる。
「僕達の愛を見せ付けてあげましょう」
しかし彼女は一歩も引かなかった。
「……分かったよ。好きにして」
やむを得ず彼女に従う。
慕ってくれるのは嬉しいが、早くも尻に敷かれているな……。
「はい♪」
しかしそんな俺の心境など露知らない彼女は、呆れ顔の俺に満面の笑みを見せてくれた。
「「「「ムカムカ! ムカムカ!!」」」」
一方その姿を見た他の義勇軍の皆さんはスッゲー不機嫌そうな嫉妬心のこもった死線を浴びせられる。
あぁ、針の筵だ……。




