密会
皆が眠りについてから二時間が経過。この頃になると、眠るのに難儀してた人もぐっすりこんこんだったが。
「「……」」
そんな中、城の外で二人の物影が動く。
「「……」」
二人は皆に気付かれないようにそろりと歩く。
二人の向かう先にあるのは……。
「みんなが眠っちゃうねむと暇だなぁ」
弘法様だった (笑)
なお弘法様は奈良の大仏様みたいなポーズで、月を眺めながら暇そうにしていた。
それもこれも弘法様がデカ過ぎて小牧城に入らないからだ。
「弘法様、ちょっといいでしょうか?」
二人のうち小さい方が弘法様にそっと話し掛ける。
「なんだいお嬢さん方?」
日が沈んで暗くなっていたが。弘法様は二人が女性だと直ぐに見抜く (弘法様の洞察力すげぇな!)
「実は弘法様にお願いがありまして」
女性は地面に膝をついてかしこまる。言ってる事から察するに、何やら頼み事がある模様。
「なんだ。申してみい」
弘法様のポーズは大仏様だが。喋り方が、何故か殿様みたいになってるな (汗)
「はい。これこれしかじかでして。こうしてほしいのですよ」
しかし女性は立ち上がると、さっさと用件を話す。その際に弘法様のお殿口調にツッコミを入れることはなかった。
「……という物を作ってほしいのですが。できますか?」
女性は弘法様に何か作ってもらえないかお願いに来たらしいが。なにやら難しい事なようで。彼女の表情は強張っていた。
「うん、それならできるぞよ」
何を頼んだかは不明だが。弘法様は作れるとのこと。
「では弘法様。作ってくれませんか」
「わかったぞよ」
弘法様は右腕で胸をドーンと叩くと、二つ返事で引き受けてくれた。
「「ありがとうございます弘法様」」
二人は弘法様に深くお辞儀して、感謝の気持ちを表す。
「いんや。お礼を言いたいのはこっちの方だ。暇で暇で仕方なかったのじゃ」
「はぁ。そうでしたか……」
弘法様の返答に、でっかい方の少女はポカンとした。
「……何はともあれ。弘法様、お願いします」
「おう! 泥船にでも乗ったつもりで、ドーンと任せなさい!」
「「……」」
「それでは沈むだけだ」 と、二人は心の中で思ったが。弘法様のご機嫌を損なわないよう、何も言わなかった (言えなかった)




