脱退希望者
「で、これからどうする?」
みんながあまりに好き勝手言うばかりなので、議長が一つの提案を出す。
「「「「うーん……」」」」
皆は一斉に腕組みしながら考える。それは訓練された軍隊のように揃っていた。さっきまでグズグズだったのに。
はたして、義勇軍のみんなは鳥合の衆なのか?
それとも、統一や調律のとれた軍勢なのだろうか?
まあ、それはともかく。みんなは真剣に考えた。
「俺はもう戦うのは嫌だ。だから一抜けた!」
具体策を考える中で、我が身可愛さから脱退を希望する者が現れる。
「あ! ずるいぞお前!」
「お前が抜けるなら、俺も義勇軍を抜ける」
「俺だって死にたくない。俺も脱退したい!」
極地に陥った状況でこんなことを言う輩が現れたもんだから、一部の義勇軍が一斉に脱退したいと言い出す。
「おい! 何言い出すんだお前らは」
「そうだぜ。一緒に地球を救おうとした仲間じゃねぇか」
「それに最強獣を野放しにせては、地球が征服される!」
脱退希望者を思いとどまらせようと、何人かが説得にあたる。
「うーん……。確かに地球を征服されるのはヤダなぁ」
「一時の気の迷いでとんでもねぇこと言っちまったな。すまねえ」
公証人の皆さんの説得のお陰で、三十四人の脱退希望者のうち約半分が考え直してくれた。
「俺は着が変わらねえからな!」
「抜けるったら、抜けるんだ!」
だけどもう半分の脱退希望者は、自分達の考えを改めようとしなかった。
頭の固い頑固者共だ。俺は第三者的位置にいたが。彼らの頑固っぷりに溜め息が出そうになった。そのぐらい彼らのやってることは見苦しいのだ。




