気絶してんじゃねぇよ!
「「「「どわーーーーーーっ!!」」」」
上空で二つに割れてしまった破壊神様の体は、地面に落っこちてしまったが。その際に細かく砕けた破片が降り注ぐ。
「ギャッ!?」
「ひえーっ!!」
破壊神様の破片は鋭くとがっていて、当たれば大きなダメージとなる。義勇軍の皆さんは必死に逃げ回る羽目に。
事態は悪化の一途をたどる。けれども全てにおいて義勇軍のマイナスになっている訳ではない。
「「「「!? !? !?」」」」
降り注いだ破片は敵軍にも甚大な被害を与えていたのだ。結果として敵軍は混乱。
「撤退するなら今だ!」
お陰で義勇軍に逃げるチャンスが訪れる。
「皆の衆急ぐのじゃ!」
「言われるまでもねぇ!」
皆は大急ぎで砕かれた破壊神様の大きい方の破片に乗る。
俺も破壊神様に乗ろうと走るが。
「ふんぎゃあ!」
俺の前を走ってた髪色がマジョーラカラーの坊ちゃん刈りが、勢いよくうつ伏せに転ぶ。おまけに転んだ拍子に気絶していた。
「こんな時に素っ転ぶか普通!?」
このギャグマンガみたいな光景に、俺はだろう怒り呆れた。
「これだからお坊ちゃまは!」
よく見るとコイツの格好はお坊ちゃま風のコスチューム。恐らくはどっかの金持ちのお坊ちゃまだろう。
偏見とか言われるかもしれないけど。俺はお坊ちゃまという人種が嫌いだ。嫌いな理由は、金持ちなのを鼻に掛けて貧乏人を馬鹿にした態度だ。自身が貧乏な部類に入るせいもあるが。そんなんだからお坊ちゃまとは仲良くしたくないのである。
しかしこんなマヌケでも義勇軍の仲間。 「放っておくのは薄情」 そんな言葉が脳裏をよぎる。
「しょうがねぇな!」
俺は坊ちゃん刈りを急いで肩に担ぐ。
「ん?」
どういう訳かこのお坊ちゃま、男のくせに妙に華奢な体付きだ。そのわりに所々体が柔らかで、なんか変な感じ。
「この男の体はどうなっているんだ?」
疑問をいだくが、今はそんなこと考えている場合ではない。一刻も早く逃げなくてはならないのだ。、俺はへんちくりんなお坊ちゃまを担いだまま破壊神様に向かって走る。
「速い!?」
どういう訳か人を一人担いでるにも拘らず俺はスポーツ選手並のスピードで走れた。
担いでる男は小柄で比較的軽かったが。それでもこのスピードはあり得ない。何故なら俺の運動神経は並み程度だからだ。なのにこれはどういうことだ?
(もしかしたら他の人も速くなっているのか?)
そう思い走る他の仲間達を見てみると。
「速っ!?」
予感的中。これまたどういう訳かみんながみんな凄いスピードで走っているではないか。
(なにがどうなっているんだ!?)
訳が分からなかった。
「あぁ!」
そうこう考えてる間に破壊神様の目の前まで来ていた。
「よいしょ!」
そして男を担いだまま破壊神様に乗る。また、義勇軍の生き残りの殆どが破壊神様に乗ることに成功してた。




