破壊神様の戦闘用の体
「さぁて、僕の体になる適当なものはないかな?」
俺が勝手に難渋している時、破壊神様はキョロキョロと辺りを見回す。
「いいもんみっけ!」
すると、何か見つける。破壊神様の視線の先にあったものは……。
「「「「弘法様!?」」」」
破壊神様が使おうとしたのは、勝川大弘法様だった。
この弘法様、勝川駅前通がムチャクチャになってしまった中で、数少ない無事だった物の一つで、勝川の名所である。
破壊神様が勝川駅前通に衝突した際、被害は大きかったが、弘法様は無事だった。恐らく不思議な力が弘法様を守ったのだろう。
「へぇ~~。これは弘法様っていうのか」
そんな弘法様を破壊神様は近寄ってガン見。
「かわいいなぁ♪」
「「「「!?」」」」
破壊神様の有り得ない美的感覚に、みんなは異様なものを感じた。
「決めた! これを僕の体にしよう♪」
「「「「マジですか!?」」」」
「おうよ!」
驚くみんなをよそに、破壊神様は誇らしげにそう言った。
「決めた、決めた、弘法様~弘法様。もう絶対決めたぁ♪」
破壊神様は超ノリノリに歌ってた。アンタは子供ですか!?
「では、精神転移!」
そう言うと、破壊神様の体から二十センチ程の球体が弘法様目掛けて発射。球体が弘法様の体の中にゆっくりと吸い込まれていく。
球体が弘法様の体の中に完全に入ると、弘法様は全身から強いひかりを放つ。
「「「「眩しい!?」」」」
その光の強さは閃光発音筒並み。俺達は眩しさに耐えられずに、目を瞑る。
「「「「……」」」」
数秒後、恐る恐る目を開けると、そこには……。
「イェイ、イェイ、イェイ、イェイ、イェ~イ♪」
むっちゃノリノリに踊っている弘法様がいた。
大きさが二百五十メートルある破壊神様からしたら、随分と小型化したが。それでも弘法様は高さ十八メートルもあったので、そのようなデカイ奴が踊ると軽い地響きが起こった。
「破壊神様。喜ぶのもいいですが、今は東山に行くのが先決です」
はしゃぐ破壊神様に、カイゼル髭を生やしたおっちゃんが、そう進言する。
確かにその通りだ。
だが、破壊神様は……。
「チッチッチッ。今の僕は弘法様だぜぇ」
破壊神様は指を振って 「今の僕は弘法様なんだぞ」 とでも言いたさげな顔。
めんどくさい奴だな (汗)




