危機
「あ! そうだった」
誕生秘話が終わったと思ったのも束の間。破壊神様は何か思い出したように大きな声を上げる。
「どうでもいい事だけど。宇宙生物が一匹、地球を征服するために東山公園に来襲したの」
「「「「な、なんだって!?」」」」
みんなが声をそろえて驚いた。
「まぁ、どうでもいい事なんだけどね」
どうでもいいことではない。一大事だ。
「「「「ザワザワ、ザワザワ」」」」
未知の恐怖からか、皆ざわめき始める。
「どうしよう! どうしよう!!」
この異常事態にメガネをかけたビジネスマン風の男が慌てふためく。
この男が騒ぎ立てた民に、他の者達を不安にさせたが。
「騒いでもなんにもならん!」
紳士服を着た一人の美少女が、ビジネスマン風の男の頬を平手打ち。
「はっ、はい……!」
この美少女 (ただし、声は老紳士風の声質) の一喝に、男は冷静さを取り戻す。
更に。
「破壊神様に与えられた命。この命で地球を救うために戦おうじゃないか!」
と、皆に提案した。
「男性諸君! 君たちも紳士ならばわしに続きなさい」
そして、男性陣に戦おうと言い出す。
声質といい、言動いい。この美少女は元男性だったようだ。
「怖気づいて後世に汚名を残すか、英雄になるか。真の男ならば選ぶ道は一つだけだ!」
ちょっと強引だったけど。彼 (彼女?) の言った事に筋は通っていた。
「「「「やるぞぉーーーーーー!」」」」
彼の勇敢な姿に影響されてか、みんな戦う気になって、空に拳を振り上げる。
義勇軍の結成だ。
数十分前まで 「流れ星の願いが叶ってラッキー」 なんて思ったが。今は戦う前の不安な気持ちでいっぱいだ。
だが、戦わねば地球は確実に征服される。
かくして俺達は地球征服を企む宇宙生物と戦うことになったのだった……。




