プロローグ
ありきたりな話かもしれませんが読んでみてください。
*前と少し文章を変えました。勝手なことをして申し訳ありません。
ここは、一体どこなんだろう。
僕は、何でここにいるのかな……。
空を見上げれば灰色に曇ってる。横の窓ガラスに映る僕は、所々汚れてほっぺたには泥がついてた。
舗装されてない見覚えのない道には僕以外誰もいない。
「お前何してんだ?」
でも斜め後ろに男の子がいた。
背格好が僕と似てるから同い年くらいかなぁ。髪は綺麗な銀色で服は全身真っ黒。
でもそれよりも気になったのは、雨が降ってないのにも関わらず傘をさしてたこと。
「どうして、傘をさしてるの?」
「……は?」
その子は元々丸かった目を更に丸くした。
僕そんなに変なこと言ったかなぁ……?
「お前、傘持ってないの?」
恐い顔でゆっくり確認された。僕は自分の身の回りを見たけど、特に何も見当たらなくて頷く。
「早く入れ、もうすぐ雨だぞ!」
腕を引っ張られて僕はその子の傘の中に移動した。
つかまれた手首が痛かったけど、僕は知りたい気持ちの方が強かった。
「雨が駄目なことなの?」
「……お前何者?」
「え?」
「この国の状況知らないなんておかしいぜ?」
怪しまれてる目だ。僕は自分のことを話そうとしたけど、何も浮かばない。
「僕って、誰?」
「は……?」
「わかんない……、何も思い出せない」
必死に頭の中に呼び掛けるけどまったく答えてくれない。
「記憶喪失ってやつか?」
猫に似たその子の目は僕を見定める。
「……わかんない」
僕にはそれしか言えなかった。
「……面倒なもんに関わっちゃったなぁ」
しばらくして横から大きななため息が聞こえた。勿論その子からだ。
迷惑をかけてる僕はうつ向くことしかできない。
「この近くにさ、俺ん家あるんだ」
「……え?」
「俺の同居人結構物知りだから、お前の役に立つかもよ?」
自分をアオと名乗ったその子は僕ににっと笑いかけた。情けないかもしれないけど僕はほっとして、気を失った。
遠くで僕を呼んでくれるアオに、どこか懐かしさを感じたんだ。