キャラ別SS(ショートストーリー)
【リリィ中心SS:『心に灯る、ひとさじの勇気』】
リリィは静かな研究室で、一冊のノートを閉じる。
「……昔の私は、“自分は誰も救えない”って思ってた」
だが、ヴァイオレットの言葉が彼女の胸に残る。
『リリィ様、貴女の作る紅茶には、心を癒す魔法がございますわ♡』
「私にも、できることがある。誰かを笑顔にする力が……あるんだ」
微笑んだその顔には、かつての影はもうない。
【アリア&レオンSS:『ツッコミに愛はあるのか会議』】
アリアとレオンは、王都の喫茶店で一息ついていた。
アリア「……毎回思うんだけど、私の役割って“常識人”ってだけよね」
レオン「でも、アリアのツッコミがなかったら、僕たち全滅してたと思う」
アリア「まあ、それは否定できないけど」
レオン「僕、アリアのツッコミに救われてるんだよ。たまに“愛”感じるもん」
アリア「それは錯覚。冷静になって」
レオン「……やっぱ錯覚だったか」
アリア「でもまあ、嫌いじゃないわよ。その“錯覚”」
(少しだけ照れた空気が、二人の間に流れた)
【ルキウス王子SS『王子とティーカップと王位の話』】
──王宮・私室。
ルキウス王子は悩んでいた。
ルキウス「このままでは王子という肩書が、“ヴァイオレット様の紅茶係”になってしまう……!」
振り返れば、あらゆる場面でティーポットを持たされ、
“ミルクの注ぎ具合が貴族らしい”と褒められ続けて早数ヶ月。
執事A「陛下、お代わりでございます」
ルキウス「だから誰が陛下だ!! まだ王になってない! 紅茶王か!!」
しかし内心、彼は嬉しかった。
(……戦乱も魔導書も終わった今、紅茶を囲んで笑える日々は――、確かに“王が守るべき平和”だ)
「次はオレンジピール入りのブレンドにしてみようか。なあ、ヴァイオレット嬢」
「まあっ♡ 王子、ついに“シトラス系”に手を出すおつもりですのね!」
(……うん、やっぱりツッコミ役があと一人は必要だな)
と、ルキウスは真顔で思った。
【精霊たちSS『我ら、地味だが有能』】
──精霊界・仮眠室。
火の精霊「最近、私たちの扱いが“お茶沸かし係”で固定されてない?」
水の精霊「わかる。私なんて氷で“即席かき氷製造器”って呼ばれたよ」
風の精霊「でもヴァイオレット様の“謎紅茶戦法”って、地味に我々の連携技があってこそだよね」
土の精霊「茶器投げの命中率も我の正確な足場調整のおかげだぞ」
全員「……なんか、私たち、実は最強?」
(※でも地味)
そして、今日も彼らは茶会の裏で支える。
誰にも気づかれず、誰よりも正確に。




