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エンジェルメディア  作者: lou
4/13

旅が始まってしまう。

11月間に合いました!

最近は勉強だったりイラスト、小説だったり…

一番驚いてビビったことは大の方で血が一緒に出てきたことぐらいですかね…

あの〜なんて言うか意識し始めると痛くなったりすげぇ不安になったりするあれに陥ってます。

はよ病院行けよってね。

『また英雄を作らなければいけない時が来てしまったようだよ。ルカ。リオ。

あ〜…我関せずのような顔をしているが君達のことだよ?』


『…はぁ?』


目の前にある光景が信じられない。母と父が学園長室にいて,自分の隣には同じように鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているミナミと月祈。ついでにリカ。

事の始まりはちょっとした失敗作のトラブルかと思っていた真っ二つにして差しあげたデカブツだ。

あの後リリカンナが学園長に相談して調査して今。ということらしいが最早その説明さえ頭の中を空回りして虚空に出てまた呑み込まれて空回りしてを繰り返している。


『ルカちゃん達じゃなきゃダメなの?』


おっとりとしたような声で眉尻を下げながら学園長に問いかけるフェンリルの獣人は母親であるルリ。綺麗すぎる金髪で穢れを知らないような真っ白な肌はそういう置物ですと言われれば納得するほどに美しい。


『うぅん…それは私も─』


『その話し方やめてね?』


『チッ……まぁ何だ。第一はお前らの子供だからってのがある…って待て待て待て待て。』


母の問いかけに答えようとする学園長。だが口調が母の気に入らなかったのかにっこりと笑いかけられながら圧を受ける。

慣れたやりとりのようでやっぱり言われたかというように悪態をつきながら本題に入れば1つ目の理由で母と父の物理的な誰にでもわかる殺意を向けられ必死になって彼女たちを静止する。


『待てるか。そんな理由で子供らを死地に放りだせっつうのか。』


やっと口を開いた父の声は酷く冷たかった。いつの日か怒られた時でさえこんなにも冷めきった声は聞いたことがない。なんの慈悲も持たない,そんな声。


『いや…あのな?お前達のお子さんな?成績トップクラスなのね?国からのおたっお願い待って!!!』


ジリジリと詰め寄りながら冷ややかになった深紅の瞳で学園長を見下す父。最早机に足をかけていることを注意して現実逃避したくなるような光景だ。

どうにかして引いてもらおうと必死で説明をする学園長なのだが其れが墓穴を掘りまくり今家具が悲痛な音を上げた。もうすぐ壊れるのではないだろうか。


『あの。国からのお達しがどうの以前に父様と母様は学園長とお知り合いなのですか。』


流石にこのままでは話が進まないと踏んだかリカが180度違う話をぶっこむ。


『ァん?嗚呼。此奴も英雄だよ。途中に落っこちてたわんころだ。』


『あんなに可愛かったのに…』


やっと少しばかり落ち着いたのか学園長の机から足を引き壁にくい込みそうだった拳を下ろす。


『わんころ?』


人を表現するには必要では無い言葉にミナミが首を傾げる。


『安心しろ,この野郎に半吸血鬼にされたが立派な人間だ。だが元奴隷だな。…ってどこにも安心する要素ねぇか。』


『へー。』


『興味無!!流石に俺でも傷つくわ…』


助かったと柔らかめな笑顔を見せながら答えはする最初とは全く印象が違う学園長に興味無さそうにミナミは返事をする。


『で。だ。今回のことに関しては国からのお達しなんだ。』


国。まさか突拍子もなくそんなお偉い様が介入してくるとは思ってもいなかった。

せめてこの地の領主である両親が多少動くことで収まりそうだと考えていたからだ。今の国王と言えば歴代と比較し若い方で宰相を行っている人物が彼の弟で何でもリカより少し幼いくらいだったと思う。

だがやはり実力主義のこの世の中だ。彼等の能力,才能ともに折紙付なのだろう。


『あのガキ共か。ついこの間まで地を這ってた奴が俺の子供らを危険に晒そうってか。いいご身分だこって。』


『反逆罪で首いかれるわよ?未だに反逆罪だけはどうにも変えないみたいだから。』


両親の口の悪さを初めて知ったのかリカは心なしか目が泳いでいるように見える。確かにルカでさえ内心驚いているのだ。

英雄英雄と囃し立てられても調子に乗らず,地位を与えられても堅実に今の今まで生き長らえ,子供達には笑顔と愛を何時までも忘れないような親。

まさかそんな親の口からガキ共だのいいご身分だの飛び出てくるとは思わんだ。確かに旅でもして固く形成された組織をぺしゃんこに武力行使に出た野蛮なヤツらだと言う先入観のまま聞けば当たり前の言葉達だ。王を王とも思わない自由さ。

首を軽くいこうとする軽快さ。反逆罪をただの説教くらいにしか思っていない楽観さ。

不思議だ。元から不思議な親ではあったが。


『悪い話じゃないとは思うんだ。国からその分の費用は心元無いとはいえ出るし,良い経験にもなる。

…其れに。ルカ,ミナミ,月祈,リカ。君達は学園内で向けられる視線や行動から逃げられる。いや。表現が悪いな。当たり障りなく一時的に収めることが出来るようになる。』


一瞬,何を言われているのか全く理解出来なかった。

視線や行動。

たったその一言を理解する迄に2回ほど切り口を変えた気がする。


『……あぁ。あれ。…ですか。』


切り口を変えていたからかすぐに答えられず2拍ほど置いてやっと絞りでる。ルカの言うあれとは才能なしの印を押されたルカとその弟という肩書きをもつリカ,その親友となるミナミと月祈に向けられる嫌悪,軽蔑,憎悪と言った負の感情だ。

よく聞く表現で言えば虐め。

才能なしの押印を受けて国立の学園に通っているなんてどの世界を探しても数人いれば多いくらい。物珍しさかどうかなんてさておき、

目に余るほどになっていたのは事実。だが


『逃げるのは癪です。』


そう来るのなら真正面からぶつかってやろう。ミナミや月祈、リカに迷惑をかけているというのはルカも理解してはいる。生きているだけで生活しているだけで迷惑をかけるなんて人生御免被りたいしなんなら白い目を向けてくる奴らに譲ってやりたいくらいだ。何もしていないし。

だから逃げるのは癪。


『そう言うと思った。俺は行く。…けど姉ちゃんを白い目で見てる?嫌がらせをする?やってる奴の名前上げろよ。姉ちゃんの名前だけ知れ渡ってて嫌がらせしてる奴らの名前が知れ渡らねぇのはうぜぇ。行く前に全力で仕返ししてから行く。』


ため息を一つつきリカは勢いよく捲し立てて行く。

そんな肯定的な彼を止めたいと言わんばかりにルリが視線を送っているがやると言ったらてこでも揺るがない頑固さを持ち合わせている面倒な性格を持っているために仕返しも旅も止めることは出来ないだろう。


『勘違いはするな。何も死んで来いって言ってる訳じゃねぇ,てか死なせたら全世界があぶねぇ。』


今の今まであまり喋っていなかったリカが急に捲し立て始めたのに動揺の色を強く見せていた学園長だが流石に学園長,流石に大人。一旦落ち着くためか盛大なため息と共に”そういやこいつらの息子だもんなぁ”という声が漏れていた気がしたが聞かなかったことにしよう。


『死ぬ気もねぇよ。』


さっきまでの大人しい姿勢は随分とすばしっこく逃げてしまったようだ。荒々しい口調で舌打ちさえ交えて話す。


『で。お前達はどうする。行きたくねぇって言うなら此方から口を聞けないこともないが。』


『どーする?私はルカに任せるよ。』


『私と鹿も。』


こんなにも自分の一言が人の生きる道を左右する場面に出会うことは今まで一度だってあっただろうか。

いいや。あっては困る。

任せると言ってくれて嬉しいという気持ちとここで放った言葉がどう影響してしまうのか,之は自分たちが受けていいものなのかという感情が喧嘩を始めた。気持ち悪いくらいにぐるぐるぐるぐる頭の中を棘の生えた感情が忙しなく駆け巡って答えがぱっと出てこない。

顔が歪んでいるのがわかる。最早何を考えているのかさえ分からなくなる瞬間がある。自分の手の中に呆気なく収まっている2人。

どうすればいい。


『……やりたい、とは思う。』


必死に出した答えが曖昧すぎて気迫がなくて笑えてくる。

怖くて仕方がないとも。ここでやりたくないと言えば確かに安全に生きる道を叩ける。でも、これが何かへの道を作り始めている気がするんだ。不確かすぎて信じたくもないことだけど。


『『じゃあやろう』』


ハツラツとして背中を強く押してくれるような声と消えてしまいそうなくらい優しくて透明な声が抑揚の付き方が違いながらピッタリと重なる。

私はこんなにも悩んだのにお前達は間髪入れずかよ。

なんて心の中で憎まれ口を叩くが内心凄くほっとしたのを感じる。ぐるぐると気持ち悪いくらい蠢いていたものが急に形を安定させてすとん。と収まるべきところに大人しく収まってしまったよう。


『決まりなようだな。』


黙って見ていたリオがルカ達の様子にふと微笑んで柔らかな雰囲気のまま言葉を発する。


『…ああ。』


『どうした。お前らしくねぇ。』


『いや。あんたらに拾われた時のことを思い出してな。柄にもなく感慨に浸ってた。』


沈んで言葉にキレのない学園長の様子を見越してはリオは問いかける。柄にもなく。と彼は言うがきっとそんなことは無いのだろう。

完全な人間では無いリオもルリも簡単に人を信用したり,先程のように人につっかかったりなどはしない。それこそ,人間が一生を使っても信用を勝ち取れるのはひと握りいればいい方だ。感慨に浸る優しさや慈しみがあるからリオもルリも彼に対しては心を開いて接しているのだろう。

こんなことが分かるのなんてもう居ないかつての友人くらいなものだが。


『朱沙ちゃんが聞けば,大笑いしてるでしょうね。』


『…あぁ…アカサなぁ…』


ルリとリオの会話を皮切りに話が逸れに逸れ始めている。これは最早ルカを気遣って雑談をなんて言う範疇を乗り越え始めているのではないだろうか。

口を挟むにも英雄達の会話と言うだけで気が引ける。というか挟みたくなんかない。絶対に。

父と母という前提を持っているアインツィヒ姉弟でさえ雑談についてだけは我関せずだ。


『朱沙オネエサンについてはまた今度な。』


『呼び方変わってないのな。』


『変えたら後が怖い。』


雑談を数回だけ重ね話を切りあげる。学園長がオネエサンと言っているのは少し気になるが兎も角先ずは国からのお達しだ。旅の準備に頭を切り替えるべきだ。

それが分かっているからか今この場にいる4人の生徒から誰一人として突っ込むものは現れなかった。


『それもそうか…兎にも角にもだ。先ず,ルカ達は世界書庫に行った方がいいだろう。』


『何それー!』


『確か…世界書庫は常に更新されてて世界のあらゆる事象が集まってくる書庫。本が数え切れないくらい有るらしいんだけど…まさかの読めない本。』


『詳しいわね…ってか読めないって?』


『こんな本が世界のどっかにはある。って感じだ。要は表紙だけ』


リオが徐ろに学園長の机に身を乗り出し引き出しを勝手に開け,勝手に地図を取り出し机の上に広げ一箇所を指さす。

ルカ達がその地図を覗き込んで見ると指した所には現在地からそう遠くないが決して近くは無い場所にそのまま”世界書庫”と書かれている。

興味を持ったのかミナミがキラキラと目の輝かせて問かければ月祈がつらつらと応えルカが僅かばかりの疑問を零せばリカが拾って補足する。仲良し。


『書庫とは…って感じね。』


『ある意味書庫ではあるの。確か世界書庫には世界の事象だったり本の内容だったりを全部記憶してる人型辞書の管理人が居たはず…』


『そうだ。そいつに会って情報収集してこい。アルリからの命令できただかなんだか言えば即座に会える。』


『アルリ…って学園長のこと?』


サクサクと話が進んで言ってしまう中唐突に名前の出てきた人物の特定を最優先にする。誰の紹介で行くにしても流石に名前とある程度の人柄は分かっていたい。

ルリのそんな心情を読み取ったのかミナミは会話の合間に上手い具合に入って誰をしていする訳でもなく問いかける。


『ああ。俺の事だ。家名も何もくっついてねぇからどこのって言われたらここのって言っとけ。』


『えっ!がくえんちょー世界書庫の人なの!?』


『あー俺の言い方が悪かったな,この学園のアルリだって言っとけ。』


『あ〜…おっけ!世界書庫の学園のがくえんちょーだって言えばいいんだね!』


『おう。伝わってねぇな。』


ミナミは成績が良いくせして天然って言うか真正面からの捉え方しちゃうんだよね…

なんてルカが緊張感の欠片もないミナミとアルリの会話を聞き流しながら考える。


『兎にも角にも、出発は決まってるんでしょう?旅に出る最後の日までパーッと遊びましょう?』


『その事なんだが…』


微笑ましい光景をやんわりと切りつつルリは状況を切り替えるように優しい笑と共に言葉にする。

だがそんなルリとは裏腹にアルリは至極言いづらそうに顔を顰める。一見悪いニュースを悲しませたくないから伝えたくないという風に見えるが彼の場合は少し事情が異なるのだろう。伝えることによる自身への被害を心配しているようだ。

切り出したはいいものの腹を括るのに時間が必要だったのか何拍も置いてから次の言葉を出す。


『出発は今からギルドに行ってもらった後すぐ…今日なんだ…しかも確定野営…』


『あ゛?』


『へ?』


『う…嘘ぉおおおおお!?!?!?!?』


両親のこんな素っ頓狂な声聞いたことがあっただろうか。

それと同時にミナミの驚愕の叫び声が虚しくも学園長室のある階に重厚的な扉を貫通してこだまする。

眠さMAXで書いてたりするので誤字脱字等等えげつねぇかもすれば終わるかもしれないです。

セリフを誰が言ってるかは勘で!

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